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【経済快説】誤解が多い「為替レート」 反転リスクや外貨保有に要注意
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150312/ecn1503121140005-n1.htm
2015.03.12 夕刊フジ
先週末のニューヨーク市場で円の対米ドル為替レートが一時121円台に乗って、東京市場では一時、122円台をつける場面があった。円安がさらに一段階進んだ。
円安の直接の理由は、週末に発表された米国の雇用統計が予想よりも上ブレして、米国の利上げ時期が早まるとの観測が台頭したことだ。ただし、米国の利上げはドル高材料だが、株式にとってはマイナス材料になるので、週末の米国株価は大きく下げた。
「上げ相場が今終わるぞ」という切迫感はいまだないが、世界の金融マーケットが転換点を迎えるかもしれない微妙な時期にそろそろ差し掛かりつつあるようだ。
一般に、為替レートに関する誤解が多い。
まず、日本経済にはかつてのような円高の方がいいのだ、という説があるが、これは誤りだ。
雇用を改善し、物価をデフレからインフレ方向に持ってくるためには、円安が必要だった。ただし、完全雇用に近づいた現状では、追加の円安は今までほどには必要でない。
現在、多くの日本企業が、国際競争上「相当に楽」であることを実感しつつある。外国人観光客も大きく増えた。一部では製造業の設備投資が国内回帰しているが、もしもアベノミクス前の円高が続いていたら、今頃は投資の海外流出は一層加速していただろう。
異なる時点の経済状態と為替レートを比べて「自国通貨が高い状態の方が経済は調子がいい」と考える認識は、経済的国力(おおむね生産性)が改善すると通貨が高くなるという因果関係を事後的に見たものだ。
今後、日本の生産性が改善してくると、再び円高になる可能性があるので注意しておきたい。
現在の日本円の為替レートは、全通貨に対して貿易比率と物価を調整した「実質実効為替レート」で見ると、既に1980年代初頭以上の円安水準になっている。反転のリスクもそろそろ意識しておきたい。
もう一つ多い誤解は、資産運用に関するものだ。例えば、先日ある人が書いた記事で「円安・円高のどちらか分からないなら、円で半分、外貨で半分を保有するのが正しい」という珍説を見た。
そもそも「半分」に根拠がないし、平均的日本人の支出の大半は日本円建てであり、輸入比率も高くない。資産の半分を外貨で持つのは過大な為替リスク保有だ。円安が進むときには、果てしなく円安になる予想が登場したり、外貨を大量に持つことが当たり前であるかのような説が登場したりするので注意しておきたい。
為替市場では「どの通貨で借りて、どの通貨で運用するのが有利か?」をめぐって予想がぶつかり合っている。どの「通貨と金利の組み合わせ」が有利かは、「時による」としか言いようがない。円安の時こそ冷静になろう。 (経済評論家・山崎元)
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