http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/360.html
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欧州支配層がギリシャ新政権の要望を簡単に受け入れてしまえば、今後の各国選挙で、ドミノ倒しのように急進左派及び急進右派の政治勢力の議席を増大させてしまうだろう。
欧州支配層としては、同じ政策を実行するにしても、ギリシャ新政権の要望を受け入れるかたちではなく、自分たちの独自判断で決めるかたちにしたい。
そういう意味で、ギリシャに対して何らかの“債務削減策”を適用するとしたら、機先を制してスペインなどにも同じような内容の“債務削減策”を適用し、ポデモスなどの勢力伸長を抑え込もうとするだろう。
※関連参照投稿
「構造改革へ圧力強まる : ドイツ経済研究所部長による日銀・ECBの「量的金融緩和策」批判」
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/345.html
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欧州「反緊縮派」に勢い
スペインなど、構造改革遅れ懸念 市場の不安払拭に時間
【パリ=竹内康雄】欧州各国で「反緊縮」など大衆迎合的な主張を掲げる急進政党の勢いが増している。年末に議会選挙が行われるスペインではギリシャのチプラス政権と同盟関係にある左派新党が支持を広げる。フランスや英国でも「反移民」の極右政党が選挙で存在感を示しそうだ。各国の政権はこうした政党の声を無視できない状況だ。政治が不安定になり、必要とされる構造改革が遅れる懸念がある。市場の不安を払拭するには時間がかかりそうだ。
「(経済危機という)悪夢は終わっていない。給料は下がり、失業率は高いままだ」。2月下旬、スペインの新党「ポデモス」のイグレシアス党首は、ラホイ政権の財政緊縮路線を批判した。
ポデモスは「私はできる」という意味。2014年初めの結党にもかかわらず、同年5月の欧州議会選で5議席を獲得し、スペイン政界に華々しくデビューした。
ギリシャでは1月、欧州連合(EU)支援の条件である財政緊縮を見直すと主張するチプラス政権が発足し、市場のユーロ不安を再燃させた。ポデモスはチプラス氏が率いる急進左派連合と同盟関係にあり、同様に財政支出の拡大を訴えて支持を伸ばしている。
スペインでは3月22日にアンダルシア州議会選が行われるほか年内に国政選挙もある。足元の世論調査では国政与党の国民党や最大野党の社会労働党をしのぎ、ポデモスがトップに立っている。
チプラス政権誕生をきっかけに欧州では急進左派が勢いを伸ばしている。スペインのほか、16年に総選挙が予定されるアイルランドでは、左派のシン・フェイン党が支持を広げている。
一方、右派も極端な主張を掲げて有権者の支持を広げようとしている。英国では極右の英国独立党(UKIP)が支持を拡大。フランスでも足元の世論調査で極右の「国民戦線」が先頭を走る。ルペン党首は17年の大統領選の有力候補であるとの見方が大勢だ。
ルペン氏はギリシャ選挙でのチプラス氏の勝利を歓迎した。急進的な右派も左派も「緊縮財政の押しつけに反対」という立場は同じだ。
こうした主張が支持を集める背景には景気回復にもたつくなかで広がる有権者の「改革疲れ」がある。スペイン経済は厳しい緊縮策を経て徐々に上向きつつある。だが南欧で失業率が高止まりするなど改革の果実は必ずしも目に見える形で広く国民の生活に行き渡っているわけではない。
「反移民」を訴える極右勢力が台頭すれば、社会の緊張が高まることは避けられない。各国で財政規律が守られなければ、統合欧州の維持は難しくなる。
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ギリシャ、EUと隔たり 国債に再び売り圧力
【ブリュッセル=御調昌邦】債務問題をめぐりギリシャ政府と欧州連合(EU)の意見の隔たりが再び表面化している。EU側は、金融支援を4カ月延長することを決めた2月下旬以降、「時間を浪費した」(ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長)と述べ、同国の非協力的な対応を批判した。金融市場では同国の国債が再び売られている。
EUは9日のユーロ圏財務相会合で、追加融資の条件となっているギリシャの財政政策などを評価するために、11日から実務者協議を開くことを決めた。EUによると、ギリシャが実務者協議の担当者や開催場所に反対を表明したため開催が遅れたという。ギリシャのバルファキス財務相は「時間は浪費しておらず、迅速に対応してきた」と反論した。
バルファキス財務相は既に租税回避対策など7項目の改革案を提出したが、デイセルブルム議長は「全体的な改革が検討されるべきだ」と強調した。追加融資の実行には、財政改革などを表明するだけでなく行動が伴わなければならないとの認識を示した。
ギリシャの資金繰りに対する懸念も高まり始めている。欧州金融市場ではギリシャ国債への売り圧力が再び高まっている。10日は10年物国債利回りが一時10%台前半に上昇し、EUと4カ月の金融支援延長で基本合意した先月20日以降の低下分を帳消しにした。取引の多い3年債の利回りは一時16%台にのせた。「ギリシャのユーロ圏離脱のリスクはまだ残っている」(英フィッチ・レーティングス)との見方も根強い。
[日経新聞3月11日朝刊P.7]
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