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「『デフレの正体』はなぜ売れるか」(EJ第3989号) Electronic Journal
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/292.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 09 日 09:09:05: igsppGRN/E9PQ
 

「『デフレの正体』はなぜ売れるか」(EJ第3989号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/415237236.html
2015年03月09日 Electronic Journal


 藻谷浩介氏の著作、とくに『デフレの正体』(角川oneテー
マ21)がベストセラーズになり、今でも売れているのには、い
くつもの偶然が重なった結果でもあるといえます。
 これに関連して述べておきたいことがあります。安倍政権のこ
とです。4日のEJでも述べたように、安倍政権にはいろいろな
問題点がありますが、その経済政策──アベノミクスは、ここま
での検討から、必ずしも間違っていないということです。
 藻谷氏の本が出版された2010年は日本はデフレの真っ只中
にあったのです。2008年9月のリーマンショック以来、米国
をはじめとする世界各国の中央銀行が金融緩和政策をとるなかで
日本だけはやらなかったので、日本経済はひどい円高に苦しめら
れていたのでです。
 時の日銀総裁は白川方明氏です。日銀には日増しに金融緩和へ
の圧力が高まっていたのです。そういうときに『デフレの正体』
は発売されたのです。このあたりから、日銀は「人口がデフレの
原因である」という主張をはじめます。とても偶然の一致とはい
えないタイミングの良さです。
 その頃、藻谷氏の本が評判になり、「デフレは生産人口の減少
が原因である」とする説が日本中に広がりつつあったので、日銀
はそれに便乗したとしか思えないのです。本が好調に売れている
ときに、日銀も同じようなことをいいはじめたので、それが本の
主張を裏付けるかたちになって、さらに藻谷氏の本が売れるとい
う構図になったと思われます。
 しかし、藻谷氏の主張する人口減少デフレ説は、明らかにマク
ロ経済学でいうところのデフレとは違うものです。私の記憶では
そのことを指摘されたとき、藻谷氏はそれをいったんは認めてい
るのです。さらに藻谷氏は記者から「他にも生産年齢人口が減っ
ている国はないのですか?」と質問されると、次のように答えて
います。
―――――――――――――――――――――――――――――
 生産年齢人口減少にいくつか他の条件が加わったから、日本で
だけこのような供給過剰(デフレ)が起こっている。(一部略)
日本以外には、1人当たりのGDPがトップクラスで、かつ居住
外国人を含めた生産年齢人口が減っている国はない。(一部略)
日本は世界の成熟の最先端を走っている。   ──藻谷浩介氏
                ──浜田宏一/安達誠司共著
         『世界が日本経済をうらやむ日』/幻冬舎刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 要するに、藻谷氏は「日本以外の生産年齢人口が減少している
国は発展途上国だから、デフレになっていない」と答えているの
です。しかし、EJ第3988号で示した生産年齢人口増加率と
インフレ率の比較表では、世界の国々のなかで9番目に生産年齢
人口が減少している国としてドイツが上げられていますが、ドイ
ツはデフレにはなっていないのです。藻谷氏は、これをどのよう
に説明するのでしょうか。
―――――――――――――――――――――――――――――
       生産年齢人口増加率 インフレ率(消費者物価)
 ドイツ       −0.2 %         1.6 %
                   http://bit.ly/1EqW8wy
―――――――――――――――――――――――――――――
 安倍政権になると、藻谷氏は『里山資本主義』(角川oneテ
ーマ21)を上梓し、安倍政権の進めるアベノミクスを徹底的に
批判しはじめるのです。そうすると、安倍政権を批判し続ける日
刊ゲンダイ紙などの批判勢力は、藻谷氏を持ち上げ、反論を煽る
のです。それが藻谷氏の主張の追い風になって、さらに本が売れ
ることにつながっているのではないかと考えられます。
 しかし、もともとデフレのとらえ方が異なるのですから、議論
にならないのです。「高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門」
というブログがあります。このブログの主宰者である北海道の高
校教諭の菅原晃氏が藻谷氏の『デフレの正体』を取り上げて批判
したところ、藻谷氏から次のコメントが書き込まれたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 わかってますよ。ですが、対外債権が積みあがっていることす
ら知らない人が余りに多いので、このように書いているのです。
問題は内需が減少する一方のために、対外債権が幾ら積みあがろ
うと国内投資も増えないということですよね。その原因は、あな
た方の言っているコンベンショナルなマクロ経済学で解けるので
すか?日銀がインフレ誘導すれば内需は増加すると?あなたは、
7章と8章をどう読んだのか?そんなことはとっくに知ってたの
ですか?三面等価なんて、資産が腐る世界では意味がない、その
ことをわかって使っていますか?「自分は経済学を知っている、
こいつは勉強していない」、そんなつまらない矮小なプライドで
モノをいうなってんですよ。経済学なんてどうでもいいのです。
枠組みはどうでもいい。対外資産が積みあがるだけで何の役にも
立たない、なんて老人の繰言を言うな!なんとかしようと考えな
いのか?あんたみたいなあたまでっかちしかいなくなったから、
自慢できることが実践ではなくて理論だけだから、日本はだめに
なるのだ。くやしかったら、自分の実践を少しでも語ってみろ。
対外資産の増加を国内に少しでも還元する努力をしてみろ。そう
でなければ外国に引っ越せ。あるいは早く死んで子供に財産でも
残せ。そういうことです。言い直します。それだけ理解力がある
のであれば、実践力もあるはずだ。早く正道に戻ってください。
                   http://bit.ly/17Zlfdm
―――――――――――――――――――――――――――――
 菅原氏は、これを暴言として民事訴訟を起こし、2011年9
月に勝訴しています。裁判所は原告の訴えを認め、藻谷氏は「罰
金10万円を支払え」といい渡されています。判決理由は「コメ
ントは学問上の論評を超え、ことさら男性を侮辱するもので不法
行為を成立する」となっています。藻谷氏としては、冷静さを欠
く行為であったと思います。── [検証!アベノミクス/71]


≪画像および関連情報≫
 ●脱成長・里山資本主義思想による根拠なきアベノミクス批判
  ―――――――――――――――――――――――――――
   藻谷浩介が、日刊ゲンダイで「安倍政権は経済的な反日の
  極み」と主張している。これを「過激なようで論理的」と持
  ち上げている一部のマスコミは、論理的と言えるだけのデー
  タの検証を行ったのだろうか。藻谷のあげている間違いだら
  けのデータと主張を鵜呑みにしただけだろう。経済とエネル
  ギーに関するデータを基に藻谷の主張を検証すると、主張に
  データの裏付けはなく、藻谷の主張に都合の良いように話を
  変えていることが分かる。筋道と過程が無茶だから、最後の
  結論にいたっては、とんでもないことになっている。藻谷の
  主張は経済的なデータに基づくものではなく、単に「原発も
  経済成長も不要、里山を活かせ」という思想・心情を披歴し
  たものに過ぎないと言っていい。経済の話として主張するこ
  とにより、一部のマスコミを含め経済データの詳細を知らな
  い人間を騙すことにもなっている。
   藻谷の主張の骨子は次の通りだ。何箇所か数字が出てくる
  が、その裏付けデータは示されていない。燃料代の上昇から
  対中貿易赤字までを円安が引き起こしたとして、円安を作り
  出した安倍首相の経済政策を非難しているが、その根拠はな
  い。研究所に勤務する人間がデータをよく調べないで理論を
  構成するというのは、にわかには信じ難いが、調べると、藻
  谷の主張の根拠となるデータや数字は間違っていることが分
  かる。              http://bit.ly/1HaQeiS
  ―――――――――――――――――――――――――――



 

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コメント
 
01. 2015年3月09日 09:22:44 : nJF6kGWndY

>世界の国々のなかで9番目に生産年齢人口が減少している国としてドイツが上げられていますが、ドイツはデフレにはなっていないのです。藻谷氏は、これをどのように説明するのでしょうか

ドイツは日本とは比べようもないほどの貿易立国で、しかも弱いユーロの恩恵?を受けて輸出ドライブがかかってインフレ化している

つまり、海外からの投資、堅調な外需にもかかわらず、ユーロ安が維持できていることが主因だな

だから日本も、参考にして通貨安誘導しているわけだ

http://ecodb.net/country/DE/bop_trb.html


02. 2015年3月09日 12:57:41 : exNtn3LBRs
>>01
馬鹿丸出しw
笑えるw

[32削除理由]:削除人:言葉使い
03. 2015年3月09日 13:24:00 : 2QBqDKD7DU
>02

ドイツがユーロ圏内でユーロのメリットを最大に受けて輸出できているのは、よく言われていること。なぜ、01を批判できるのか。もっと実のあることを提示せよ。


04. 2015年3月09日 14:28:09 : B4BKBPxUkE
ドイツは労働組合が強い。企業も賃上げに積極的である。また日本と違って価格を下げて値引き競争をするということがない。そのためにドイツではデフレにはならない。

輸出がいくら増えようともそれは物価上昇とは関係ない。


05. 2015年3月09日 14:31:32 : B4BKBPxUkE
もうひとつ。ドイツでも日本と同様に非正規労働者が増加しているが、賃金は正規労働者とほぼ同じである。雇用環境の違いもデフレにならない理由である。


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