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グローバル市場で躍進する日立 日本電機業界のリーダーとなるか
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150308-00000001-zuuonline-nb
ZUU online 2015/3/8 10:30
日銀の継続的な量的金融緩和政策により、2014年以降も安定的に円安が進行している。本来なら輸出拡大の利益機会が大きくなるはずなのに、依然厳しい経営状況に見舞われているパナソニック <6752> やシャープ <6753> などの国内弱電各社を尻目に、日立 <6501> 、東芝 <6502> 、三菱電機 <6503> など、国内重電各社の2015年3月期はいずれも過去最高益更新の見通しとなっている。国内電機業界は完全に勝ち負けが明確となる時代を迎えている中で、インフラ関連ビジネスにおいて大きな利益を上げる日立の存在が注目されている。
■インフラビジネスで快走する日立
日立は今期、鉄道関連やエレベーターなど社会・産業システム部門が業績を牽引し快走している。当該部門の営業収益は第3四半期ベースで前年同期の125億円から317億円まで拡大した。三菱重工と事業統合し、2014年2月に新会社を設立した火力発電事業において、イニシアチブが重工側に移ったことに加え、中国需要の低迷による建設機械の減益などが響いている事業もあるが、総じて業績は順調に推移している。
■鉄道ビジネス事業はグローバルで拡大 ビッグ3との競争も視野に
日立の躍進を物語っているのは、直近の鉄道ビジネスでの活況だ。英国の高速鉄道向けの車両製造に加え、2月24日にはイタリアのフィンメカニカの信号・車両製造部門を買収すると発表し、市場で大きな話題となっている。
同社の鉄道ビジネスは8000億規模までの拡大が想定されており、ワンストップで最新の鉄道システムを提供するソリューションプロバイダーを目指す。世界の鉄道メーカーはドイツのシーメンス、フランスのアルストム、カナダのボンバルティアがビッグ3として有名な存在だが、今回の買収でその一角に加わることも視野に入ってきているといえよう。
■リーマンショック後、いち早く実施したグループ再編が奏功
日立は、2008年秋のリーマンショックで大幅な減収減益に見舞われ、2009年3月期には7873億円という巨額の最終赤字となり、当時国内製造業で過去最大と言われる不名誉な数字を残すこととなった。こうしたことがきっかけとなり、経営陣の刷新とともに、いち早く主要グループ各社の再編に着手している。主要グループ40社のうち社会インフラに近いグループ会社は、本体に近づけその影響力を強化し、それ以外は遠ざけるといった集中と選択を徹底して行った。
日立情報システムズ、日立ソフトウエアエンジニアリング、日立システムアンドサービス、電力・産業システム部門の日立プラントテクノロジー、そしてデジタルメディア領域での電池開発を手がける日立マクセル <6810> の5社が、TOBにより完全子会社化されたのも今日の成長に大きく寄与していると言える。
こうした事業再編と適正配置により、日立が長年グループ内で事業重複を起こし非効率だった部分の改革を実現するに至っている。
■世界的な重電業界再編でさらなるフラッグシップカンパニーへと躍進も
パナソニック、シャープといった弱電メーカー各社は、以前の勢いもなく、なんとかデバイス事業でその存在を維持しようとしている状況とは対象的に、日立をはじめとする重電各社は、グローバル市場における競争の中でその存在感を益々明確にしつつある。その革新的なソリューションも際立つようになってきている。
既に重電業界は電力事業を皮切りに大きな業界再編の波が起こりつつあり、国内重電企業も大規模なM&Aの中に身をおく中心的な存在になろうとしている。消費者向けの電化製品はコモディティ化し、ライフサイクルも短くなって、弱電のアッセンブリーメーカーに妙味が無くなりつつある中、骨太の戦略で世界的な競争環境を乗り越えようとする日立のビジネスは、今後の日本の電気産業を牽引していく存在として、ますます注目が集まるだろう。
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