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日銀の轍を踏むのかECB  久保田博幸
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/278.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 08 日 20:58:05: igsppGRN/E9PQ
 

日銀の轍を踏むのかECB
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20150308-00043639/
2015年3月8日 11時26分 久保田博幸 | 金融アナリスト


ECBは3月5日の政策理事会において、主要政策金利であるリファイナンス金利は0.05%に、上限金利の限界貸出金利は0.30%に、下限金利の中銀預金金利もマイナス0.20%にそれぞれ据え置いた。

理事会後の会見で、ドラギ総裁は3月9日から国債買い入れを開始することを明らかにした。対象になるのは月額600億ユーロの国債、および一部民間部門資産となる(総額1兆1000億ユーロ)。国債買い入れは当面、2016年9月まで継続し、必要なら延長も視野に入れる。買い入れる国債の利回りは、中銀預金金利のマイナス0.20%までとした。

特に買入対象国債の利回りはマイナスも可能となったことが好感され、5日のユーロ圏の国債はドイツの2年債以外軒並み買われた。参考までにドイツの2年債利回りはすでにマイナス0.2%を下回っていた。ドイツの10年債利回りは0.35%に低下し、10年債利回りはフランスが0.64%、イタリアが1.30%、スペイン1.27%、ポルトガル1.77%、ギリシャは9.16%となった。

5日の10年債利回りは英国が1.86%、米国が2.12%、日本は5日の引けは0.40%となっている。

ドラギ総裁は、この会見の時点で同プログラムの勝利を宣言したそうである。ドイツなどの反対を押し切って、こつこつと各国の根回しも行い、やっとのことで念願の量的緩和政策の導入に踏み切れたことでの強気発言であったのであろうか。

そういえば2013年4月5日の日銀金融政策決定会合後の記者会見では黒田総裁は次のように発言をしていた。

「今回、必要な措置は全て採ったと言ってよいと思います。もちろん、経済も金融も生き物ですので、その時々の状況をみて、必要があれば躊躇なく調整していきますが、2 年で 2%の物価安定目標を達成するために、現時点で必要な措置は全て決定したと考えています。」

ドラギ総裁にとっても同様の思いに違いない。2月のユーロ圏のCPIは前年比マイナス0.3%となっており、今回公表されたECBのインフレ率の予想では、今年のインフレ率見通しは「0.0%」と12月予想の「0.7%」から引き下げられ、2016年はプラス「1.5%」と12月予想のプラス1.3%から引き上げ、2017年は「1.8%」としている。

参考までに日銀の異次元緩和第一弾後の2013年4月26日の日銀の展望レポートによると、2013年度の物価見通しは前年比プラス「0.7%」、2014年度プラス「1.4%」(消費増税の影響を除く)、2015年度プラス「1.9%」(同)となっている。

まるでECBの予想はこのときの日銀の展望レポートを参考にしたかのような数字である。ちなみに2015年1月のコアCPIは前年比プラス0.2%である。残念ながら異次元緩和時に予想したプラス1.9%には届いていない。

ECBの国債買入が材料視されて、ユーロ圏の長期金利はポルトガルあたりまで英国や米国の長期金利を下回るという異常事態となっている。もちろんこれは需給への期待が背景にあるが、これは国債バブルとしか見えない。

いずれこのバブルは崩壊することが予想される。しかし、同じくバブル相場といえる日本国債もさすがにマイナスの利回りは異常との認識となったようだが、簡単には大きな調整は入ってこない。その分、エネルギーが蓄積されている可能性もある。オオカミ少年といわれるかもしれないが、ユーロ圏の国債の動向には注意を払うべきであり、その動向次第では日本国債にも動揺を与える可能性もありうる。


 

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コメント
 
01. 2015年3月09日 08:29:36 : jXbiWWJBCA
なぜ金融政策は過小評価されるのか?
2015年03月09日(Mon) 浜田 宏一
 筆者は今年1月、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和(QE)を始める意思を明らかにする数日前に、世界のジャーナリスト、政策立案者、投資家が集まるジュネーブのセミナーに出席した。

 セミナーでの議論は、安倍晋三首相が2012年に画期的な経済改革戦略に乗り出す前の日本の議論と酷似しており、非伝統的な金融政策が持つ潜在的な変革力の理解不足を反映していた。

非伝統的な金融政策に対する理解不足

 実際、セミナーでは、欧州のエコノミストとジャーナリストが否定的な口調で話した。特にドイツ人はその傾向が強かったが、一部の英国人さえ否定的だった。

 一部の人は「金融政策の力は限られている。金利がこれほど低い場合は特にそうだ」と言い、また別の人は「緩和型の金融政策がポートフォリオ入れ替えを促すことを期待することはできない」と付け加えた。

 こうした発言は、嫌というほどお馴染みのものだったし、QEに基づく現行戦略によって日本が遂げた前進を考えると、若干意外でもあった。明らかに、欧州の多くの人はいわゆる「アベノミクス」の経緯と重要性をよく理解していない。だが、そうした理解が欧州の金融政策の議論を形成すべきなのだ。

日銀の展望レポート「3年間はデフレ続く」
日銀は世界に先駆けてゼロ金利政策や量的緩和政策を実施してきた〔AFPBB News〕

 2001年、日銀は景気後退からの脱却を後押しする方法を見つけるのに苦労していた。

 目標とする短期金利をすでにゼロ近辺まで引き下げていた日銀は、マネーサプライを増やし、長期金利を引き下げるために、公開市場オペ――具体的に言えば、長期国債の購入と日銀に預けられる市中銀行の準備金の増額――に頼った。

 だが、日銀のQEの試みは規模が不十分で時期も遅すぎ、景気回復は実現しなかった。当時プリンストン大学の経済学部長だったベン・バーナンキ氏はこの失敗に留意し、日銀はもっと積極的な金融政策を追求すべきだと断言した。

FRB議長、景気後退の可能性に初めて言及
FRB議長として大胆な量的緩和策を導入したベン・バーナンキ氏〔AFPBB News〕

 2008年に米国の投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、世界金融危機を引き起こすと、以来、米連邦準備理事会(FRB)議長に就いていたバーナンキ氏は自身の助言を聞き入れ、停滞する米国経済を復活させるために大胆なQEプログラムを導入した。

 英国も大規模なQEを推進し、米国と同じように、現在、比較的力強い経済成長を遂げている(ジュネーブのセミナーに参加した英国人が本来もっと分かっているべきだったのは、このためだ)。

 対照的に日本はマネーサプライを大幅に拡大することをためらい、その結果、リーマン危機以前は1ドル100円超だった円相場が76円まで上昇、国内総生産(GDP)成長率が一段と落ち込むことになった。2009年には、日本の金融システムが健全だったにもかかわらず、日本経済は潜在GDPを8%下回っていた。

 要するに、日本経済は、リーマンショックの影響を直接受けた米国、英国経済よりもはるかに苦しんだのだ。

 筆者を含む少数のエコノミストはこの矛盾を認識し、デフレおよび極端な通貨上昇と戦うためには金融緩和が極めて重要だと熱弁した。だが、我々の主張は一貫して退けられた。聞き覚えがある話ではないか?

状況を一変させたアベノミクス

 安倍首相が状況を一変させた。安倍氏は金融政策を政治課題の基盤に据えて、2012年12月に首相に就任(再登板)した。就任から間もなく、QEがスタートした。ほぼ即座に円が下落し、輸出が増加し、株式市場が高騰した。20年近い景気後退の末に、日本経済は再び成長していた。それはアベノミクスのおかげだった。

 もちろん、すべてが完全に順調に進んだわけではない。前政権が定めた3%の消費税率引き上げで、日本の進展は中断した。また、力強い長期的成長を達成するためには、日本はまだ長い道のりを歩まなければならず、アベノミクスの次の段階――供給サイドの改革――では、政府が官僚と特別利益団体からの抵抗を乗り越えなければならない。

 とはいえ、QEの有効性は明白だった。実際、あまりに明白だったため、日銀が昨年10月、追加ラウンドを発表したほどだ。その2カ月後に行われた解散総選挙での自民党の圧勝から判断すると、日本の有権者はこのアプローチに満足している。

 さて、今度は欧州が金融政策の威力の恩恵を受ける番だ。だが、ECBの計画が奏功するためには、QEは力強いものでなければならない。そして、それには幅広い支持が求められる。結局のところ、ユーロ圏の金融政策は、ドイツの影響力が強いECBの政策理事会内の共同意思決定の産物だからだ。

 米国、英国、日本でのQEの成功を考えると、そうした支持を取り付けるのは比較的容易だと思えるかもしれない。だが、ジュネーブでの筆者の体験は、稀な出来事ではない。

すべての経済にとって有害な考え

 多くの政策立案者はまだ、金融政策はそれほど強力ではないと考えている。昨年ソウルで開催された「世界知識フォーラム」では、日銀前総裁の白川方明氏、ECB前総裁のジャン・クロード・トリシェ氏、韓国銀行前総裁の金仲秀氏を含む数人の有力中央銀行家も、非伝統的な金融政策のポテンシャルを一蹴した。

 金融政策は重要ではないという考えは、経済学者のクリスティーナおよびデビッド・ローマー夫妻が指摘したような「FRB史上最も危険な思想」であるだけではない。どんな経済にとっても極めて有害だ。欧州はただでさえ、深刻なリスクを抱えている。不必要にリスクを増やしてはならない。

© Project Syndicate, 2015.
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43129


02. 2015年3月09日 10:27:38 : nJF6kGWndY

>オオカミ少年といわれるかも

一応、自覚はあるらしい


03. 2015年3月10日 08:03:30 : UWlanYXlYQ
01. 2015年3月09日 08:29:36 : jXbiWWJBCA
なぜ金融政策は過小評価されるのか?
2015年03月09日(Mon) 浜田 宏一 >

評価されるだけおかし。


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