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なぜ李克強首相は中国経済の急減速を「新常態」と正当化したのか(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/275.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 08 日 12:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

       全人代での習近平国家主席と李克強首相                 photo Getty Images


なぜ李克強首相は中国経済の急減速を「新常態」と正当化したのか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42400
2015年03月08日(日) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス


3月5日、中国の国会に該当する全人代(全国人民代表大会)が開幕した。2015年の成長目標は7%程度と発表され、李首相は今後の経済は“新常態”に入ったと宣言した。指導部は“新常態”という言葉を使って、景気の急減速を正当化する姿勢を示している。

また、同首相は中国経済が抱える構造問題を指摘し、景気の下振れ圧力が増大していることをアピールした。足許、中国経済は輸出や投資に代わる成長源泉を確保できていない。また、都市部への富の集中よる貧富格差拡大を解消することも容易ではない。中国経済は高成長時代を過ぎて、新しい成長過程を見いだせるかの正念場を迎えている。

■成長急減速下の“新常態”

“新常態”とは、景気拡大を最優先に掲げた時代への決別だ。経済構造の改革を進めることによって、成長率低下の下でも共産党政権を維持することを可能にするパラダイムと言ってよいだろう。都市部への富の集中等が批判されてきた中国の国内事情を考えれば、何とかして一般民衆の支持を得るためのスローガンが必要になる。

内需拡大や経済の質の向上が達成されれば、それなりに“新常態”を正当化することは可能だろう。それが共産党指導部の考えであるはずだ。しかし、今のところ、中国のGDP(国内総生産)の大半は輸出と投資に依存している。安定した成長の要である個人消費はGDPの4割以下でしかない。

しかも、消費のほとんどは都市部に依存している。特に、不動産価格が下落する中、金融の重要要素である信用リスクの動向は懸念材料だ。拡大する下方リスクを眼前にして、痛みを伴う改革を実行することは容易ではない。“新常態”の本質を追求することは容易ではないのである。

“新常態”は景気の下方リスク、低成長率の容認と解釈することもできる。今後、“新常態”を追求するためには、不良債権処理などの“痛み”は避けられない。問題は、中国には社会の不安定化リスクがあるため、経済運営は相対的に安全な対症療法に陥りやすい。

■金融緩和の効果は限定的

対症療法の典型が金融の緩和だ。インフレからディスインフレへという足元の経済状況を考えると、2月末の利下げは避けて通れなかったプロセスといえる。昨年11月に続いて利下げを行うことは、全人代に対するメッセージとも考えられる。

利下げ等の金融緩和は株価上昇など、一時的に将来への期待を高める。それは不良債権を温存する時間稼ぎにはなるが、構造改革にはつながらない。金融緩和によって景気回復が確認された時に、中長期的な発展を睨んだ策を打てるかが重要だ。

利下げの最大の目的は、企業の調達コストを引き下げることで景気を刺激することだ。特に、不動産価格の下げ止まりを念頭に置いたのだろう。また、人民元の減価を通した輸出のサポートも期待できる。

ただ、中国が抱える不動産バブルなどの構造問題を考えると、金融緩和策にはそれほど大きな効果を期待することは難しい。中国経済の専門家の間では、今年中に、財政刺激策の実施に追い込まれる可能性が高いとの見方もある。それほど、中国経済の現状は深刻さを増している。今や中国経済の急減速は、世界経済が抱えるリスク要因に一つになっている。

 

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コメント
 
01. 2015年3月08日 18:30:49 : jXbiWWJBCA

中国「ばらまき外交」の限界 経済悪化が深刻なベネズエラを教訓に - 岡崎研究所

フィナンシャルタイムズ紙は1月25日付社説で、長年にわたる誤った経済政策運営によりベネズエラの経済・社会は深刻な代償を払っているが、同国の最大の債権国である中国も、法外で甘い条件での貸し付けが大きな問題を生むことを学んでいる、と指摘しています。

 すなわち、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は緊急資金援助を求め中国とサウジアラビアを訪問したが、明らかに何の成果もなかった。投資家たちは、ベネズエラのベンチマーク国債を「デフォルトの危険あり」のレベルまで落とした。ベネズエラでは、何千人もの人々がカラカスのスーパーの前に列をなし、インフレは約70%に至り、長年の経済政策の運営ミスの痛い代償を払っている。

 ベネズエラ最大の債権国である中国にとって、これは重大なことである。この状況は、中国が続けてきた、ほとんど条件もなく、透明性のないままに、多くの場合は資源を対価に多額のローンを提供するという形の対政府資金援助の実情を中国に付きている。

 ベネズエラ政府は、中国からの貸し付けは返済が石油で行われるので負債には当たらないとして、議会の承認を得ていない。その結果、この借金は国家予算に含まれず、いかなる運営制度や石油収益分配法のコントロールも受けていない。しかし、国営石油会社PDVSAが石油を対価とした負債の返済を予定通りできなくなった際、中央銀行からの借入に迫られた。これがハードカーレンシーの不足に輪をかけ、インフレを悪化させ、食料の輸入を妨げることになった。

 ベネズエラ情勢の急激な悪化は、中国が国際社会により深く関与するにあたり、大きな教訓となる。つまり、非伝統的な政策を信じるカリスマ性のある指導者に甘い条件で貸し付けを行うと破壊的事態を生む、ということである。

 中国は新興国に対し気前よく大金を貸しており、ここでベネズエラでの経験から貸出条件を厳しくすると国際的な開発環境に大きな影響を与える可能性がある。しかし、中国が「底なしの貸し出し外交」(open-wallet diplomacy)に制約を加え始めたのはベネズエラだけではない。ジンバブエは、昨年100億ドルの救済パッケージを断られ、約束された20億ドル貸付には具体的な石炭鉱山のプロジェクトおよび将来の採掘による税収が担保とされた。中国は、世界銀行やIMF、アジア開発銀行といった多国間機関が貸し付けに厳しい条件をつけるにはそれなりの理由がある、ということを学んでいる、と指摘しています。

出典:‘China’s international lending has its limits’(Financial Times, January 25, 2015)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/ae3a606a-a2fa-11e4-ac1c-00144feab7de.html#axzz3QjVJ3kI9

* * *

 石油大国ベネズエラの経済は破産寸前で、借金を増やすベネズエラ側にも大きな問題があるが、独裁的指導者に甘い条件で資源と交換に大金を貸し付ける中国のやり方に限界があることを中国も思い知ってきている、という分析です。ベネズエラの例は、中国による、独裁体制に対する野放図な「ばら撒き外交」の限界をよく示していると言えます。

 2013年1月に死去したチャベス前大統領は、脱アメリカを図り、ロシアや中国との関係を深め、石油等の資源を対価に、資金ばかりでなく両国から武器も調達していました。ベネズエラの財政は石油価格が1バレル117ドル以上でないと成り立たないとされていましたが、今や石油価格は1バレル50ドル台にまで下がっています。そして、中国への輸出量(1日50万バレル)の半分が借金の返済に充てられ、他に財政を補う道がないとなれば、破産は時間の問題ということになります。ベネズエラは、伝統的資金調達の枠組みから自らを占め出し中国に依存したわけですから、今さら国際金融市場に戻ることができるのかという疑問があります。

 中国にすれば、政情不安定な中東以外からの資源確保、それもアメリカの裏庭に食い込むという政策から、ベネズエラやアルゼンチン、ブラジルへ大風呂敷を広げてきました。中国は国際金融制度の恩恵を受けてきましたが、透明性、法や規制、その下での平等を原則とする既存の制度は、中国には使い勝手が悪いといえます。しかし、中国のやり方は大きな問題を抱えていることが明らかになりました。これまでIMFや世銀の融資条件が不適切で状況を悪化させた場合、国際機関の責任が問われてきました。中国はすでに各国への融資条件を見直していますが、ベネズエラが国家破産をし、経済がますます悪化し、さらなる社会不安が広がれば、中国の責任と見なされることになります。

 中国は、ベネズエラのような痛い経験などを経て、国際金融制度のルールにはそれなりに意味があることを理解し始め、さらには既存のルールを学ぼうとさえしているようにも見えます。日米には、アジアインフラ投資銀行はアジア開発銀行(ADB)を脅かす、という懸念があります。透明性やルールを無視した中国のこれまでのやり方や、影響力増大にそうした機関を利用しようとする意図を考えれば、日米の懸念には理由があります。他方、ADBのインフラ資金が不十分であることも事実です。中国は、ADBからノウハウを学ぼうとしており、ADBもそれに応じ協力しているようです。中国が国際金融制度を通じて何をしようとしているか、警戒を解くべきではありませんが、今は、米国も日本も、苦労して築いてきた国際金融制度に中国を上手く取り込み、その豊富な資金を活用することを目指す、良い機会なのではないでしょうか。

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タグ:
ベネズエラ中国経済
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http://blogos.com/article/107186/

 

中国:2月の輸出は48.3%増加−エコノミスト予想上回る伸び
2015/03/08 13:54 JST 

  (ブルームバーグ):中国の2月の輸出 は最大の貿易相手国である米国の景気回復の中で、市場予想を上回る増加となった。
税関総署が8日発表した2月の輸出は前年同月比48.3%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリストの予想中央値は14%増だった。輸入は20.5%減少し、 貿易黒字は606億2000万ドルに達した。
中国の李克強首相は5日、2015年の同国の成長率目標を7%前後とし、この15年余りで最も低い水準に設定した。
マッコーリー・セキュリティーズの中国経済担当責任者、胡偉俊氏(香港在勤)は貿易統計発表前にリポートで、「中国の外需の重要なけん引役である米国経済がしっかりしていれば、中国の輸出も持続するだろう」と指摘していた。
原題:China Exports Surge 48.3%, Beating Economists’ Estimates (抜粋)
記事に関するブルームバーグ・ニュース・スタッフへの問い合わせ先:北京 Xiaoqing Pi xpi1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Malcolm Scott mscott23@bloomberg.net John Liu
更新日時: 2015/03/08 13:54 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NKVIFV6TTDS001.html


02. 2015年3月08日 22:03:11 : EAkIk2fULU
投資が行き渡るにつれ投資先が減ってくる、資本主義の仕組みをちゃんと理解して
いれば減速するのは当たり前で、いずれは中国も英国のようになる。

正当化うんぬんの前に、現代ビジネスは自分が資本主義をわかっていませんと
言っているようなもんだが、恥ずかしくないのか。


03. 2015年3月09日 13:52:05 : IJjjrLkBu1
  市場の思惑に任せるのではなく「統制経済」なのだから、緩窮極めることが可能なのであり、日本の経済運営をひとつの試金石として、常に正常化を目指そうとしており、それが外から見れば「景気が悪くなった」と見えるのだろう。
  日本のようにイデオロギー的には統制部分が強いが財政的には野放図とも言える運営で、土地ころがしや地上げ、公共事業と言う名の乱開発など、バブルが破裂するまで放置し、その間に私財を作った者を放任したのは見本となるだろう。
  本来は「巨悪」と名指せるような政財官の汚職構造にはメスが入れられるべきであったが、司法人事まで官僚機構によって絡め取られ、国民は過重労働や、左翼だ、右翼だ、のイデオロギー論争の渦中に入れられ、賃金上昇も右肩上がりであったため、企業が本来労働者に配分する分をどれだけ内部留保としているか、とか、肝心の払った血税の行方については、関心も持たなかったのである。
   景気が良くなればそれで良い訳では無く、その利益をどう配分するかを見極めずにいて、もっともっと、では、必ずバブルになる。日本はその先輩格である。

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