マーサージャパン「2014年度グローバル年金指数ランキング」

日本は南アや中国より下位、世界年金ランキングで　支給開始を70歳へ引き上げ不可避か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150308-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 3月8日(日)6時0分配信

　年金支給額の伸びを物価や賃金などの上昇より低く抑える「マクロ経済スライド」が、4月から適用される。本来であれば昨年の賃金上昇分2.3％が支給額に上乗せされるべきだが、スライド調整率0.9％分が差し引かれ、デフレ時のもらいすぎ分（0.5％）も削られる。よって、年金支給額の伸びは0.9％となり、物価上昇率を考えれば手取りは目減り（実質的引き下げ）することになる。多くのマスメディアでは昨年から「高齢者いじめ」のようにたびたび報じられてきたが、果たしてそれほど単純な問題なのだろうか。

　まず、マクロ経済スライドとはそもそも何か。衆議院議員・河野太郎氏のブログにある説明がわかりやすいので、以下に引用させてもらう。

「あなたが会長をしている自治会が、公民館で炊き出しをやることになりました。大きな釜でご飯を炊いて、おむすびを握ります。そして自治会のメンバーを全員、年齢順に並んでもらって大きなおむすびを二つずつ配っていきます。しばらくして、あなたはふと心配になりました。釜の中のご飯が思ったよりもずいぶん早くなくなっていきます。このままでは行列の最後までおむすびを配ることはできません。あなたは配るおむすびを一つずつにしようかと思いましたが、行列の最初のほうの人たちがおむすびを二つもらっていたのをみんなが見ています。そこであなたは配るおむすびの大きさを少しずつ小さくしていこうと思いました。おむすびを握っている自治会の役員さんたちに、おむすびを少しずつ小さくしてくださいと頼みました。これでお釜のご飯はなんとか行列の最後までもつでしょうか。このおむすびを小さくするのが『マクロ経済スライド』というやつです」（2014年11月5日付河野太郎ブログ『ごまめの歯ぎしり』）

　マクロ経済スライドは04年、年金財政を維持するために小泉純一郎政権下で決まった政策だ。もっと早くから発動されることになっていたものの、デフレ経済では発動されないことになっていたので、仕組みはあっても発動されず、今年が初めてということになる。

　そもそも政府は、何年も前からおむすびが大きすぎることに気づいていたのに、おむすびを小さくしてこなかった。そのため、お釜の中のご飯はすっかり減ってしまった。高齢者の反感を恐れた国会議員（特に政権与党だった自民党）の不作為が原因なのである。しかし、遅まきながらでも「おむすびを小さくする」ことをやらなければ、行列の後ろのほうまでおむすびを配ることはできないだろう。おむすびを小さくしなければ、「若者いじめ」になるし、すでに現時点でも十分現役世代いじめになっていると誰もが思っている。

●低い所得代替率

　日本の年金制度の欠陥は、外国の年金制度と比べると一層際立ってくる。組織・人事分野専門のコンサルティング会社マーサージャパンは昨年、「2014年度グローバル年金指数ランキング」を発表した。同ランキングは世界各国の年金制度を指数化して比較したもので、日本の年金制度は25カ国中23位と惨憺たる状況だ。

　図中の年金指数は「十分性」「持続性」「健全性」の3つのポイントで算出される。十分性はもらえる年金額は十分かどうか、持続性は人口推移や平均寿命のバランスとの関係で持続可能なものか、健全性は年金制度をうまく運用するための見直し機能や透明性が担保されているか、ということを意味する。ちなみに、このランキングには、中国やインドネシアのように国民皆年金ではない国も含まれている。例えば、中国の場合、加入義務のある被保険者は、都市部の被用者および自営業者である。よって、この結果を基に日本が中国やインドネシアよりも単純に下位にあるとはいえない。

　しかし、仮にそうした国々を除いて、欧米先進諸国だけと比較してもなお、日本の年金制度は貧困であり、このランキングは参考資料として十分に意味がある。デンマークは、十分に積み立てられた年金とその給付水準が評価されて1位になっており、高福祉高負担で知られる北欧諸国が上位にランクされる傾向となっている。

　14年度の結果を踏まえ、マーサージャパン年金コンサルティング部門シニア・アクチュアリーの塩田強氏は次のように語る。

「日本の場合、さまざまな項目の中で、総合評価への影響が大きい所得代替率の低さが、総合評価で下位となる要因の1つです。厚生労働省の『平成26年度財政検証』では、現状の制度を変更しない場合、少子高齢化の進展に伴う所得代替率の低下が不可避であることを示唆する結果となっており、将来的に総合評価が改善することは難しいかもしれません」

　所得代替率とは、年金給付額が現役世代の平均収入の何割であるかを示す指標だ。経済協力開発機構（OECD）は、各国の年金による所得代替率を公表しており、日本の「義務加入年金の所得代替率」は35.6％となっている。これはOECD諸国の平均54.0％と比較して、かなり低い水準だ。民主党政権下の年金記録回復委員会で委員を務めた社会保険労務士・廣瀬幸一氏は次のように語る。

「自民党政権は医療や介護には注力していますが、仕組みが難しく国民には良い話とならない年金問題には熱心でなく、厚労省年金局まかせなので、年金改革はしないでしょう。公的年金が不十分なのですから、個人年金に入っている人を税金面で優遇するとか、控除額を大きくするとか、政策的に何らかのサポートをすれば良いと思います」

●年金支給開始年齢、さらに引き上げ不可避か

　国立社会保障・人口問題研究所の試算によれば、25年後の40年、65歳以上の人口は3900万人へと増えるが、一方、労働人口は5800万人に減少するとされている。つまり、2人以下の労働者が1人の年金受給者を支える状況に突入するわけだ。

　例えば福祉先進国の多いヨーロッパだが、イギリスでは公的年金の受給開始年齢を65歳から68歳に引き上げることを決定しており、ドイツでも67歳への引き上げを決定している。イギリスもドイツも平均寿命が日本よりも2年程度短いことを考えれば、当然のことながら、日本は支給開始年齢を70歳以上にしなければならない。現在、やっと65歳に段階的に引き上げているところなので、年金財政が破たんするのも無理はない。ただ、年金だけで生活している高齢者がいるのも事実で、そうした高齢者は年金を削られたら暮らしていけない。

　年金制度を維持する施策としては、元気な高齢者が労働可能な制度・環境整備や、富裕層への年金支給額削減・支給開始年齢の延伸などが挙げられる。幸い、日本の高齢者は総じて勤労意欲が高く、65歳以降も働き続けたいと考えている人が多いといわれる。政府は「雇用環境が改善されて実質定年が延長されるのを待たなければ、年金支給開始年齢を延伸することはできない」との姿勢だが、企業の自主的な取り組みを待っていては、いつまでたっても年金財政の健全化は達成できない。今すぐにでも実質定年を70歳程度まで引き上げるべきである。

　マクロ経済スライドという給付抑制策だけで年金財政問題は解決しないし、若者や現役世代へのツケが延々と回っていくのである。
（文＝横山渉／ジャーナリスト）

コメント
01. 2015年3月08日 11:04:58 : Rd1dV3cBIA ＞幸い、日本の高齢者は総じて勤労意欲が高く、65歳以降も働き続けたいと考えている人が多いといわれる。 なるほど、働きつづけたいと思う人が多くいるのか。　では、働きつづけたいと思う人とはどんな人なのだろう。 それは、黄泉帰り（世間は地獄の亡者に天下りと言う）糞完了や政治屋に代表される楽勝でカネが入る連中が筆頭で、電通、盗電などの大企業幹部等も含まれるだろう。ナベツネや中曽根、慎太郎、経団連の会長等のなんと醜いことよ。正しく絵に描いたような老害だ。 コイツ等の共通意識は、権力を手放したくないただ一点それだけに執着している。コイツ等の「権力＝カネ」の図式は恐ろしいほど強固なものだ。 次に、今の団塊前後の世代の人たちが入る。彼等は下手を打たない限り、高度経済成長期から今までずっと年功序列で出世できた。ある意味、時代が味方した世代であり、その会社で続けて働けば、多少給料が下がっても少なくとも周りから辛く当られることがない世代である。 ここまでは、高齢勤労に対し肯定的な考えをもつ人たちだろう。では否定的だけど働きたいというのはどういった人たちか。 それは、働くのを止めると生活が出来なくなる人たちであり、今の中年後期の人に多いのではないか。もちろん今は真っ当に生活が出来ているが、自分達が年金生活を始める頃には支給額がガクンと減らされており、その年金では喰っていけないと思う世代の人たちがこのグループに入る。 しかし20〜35歳ぐらいの若者たちは、別に年金は要らないから徴収するなと思っているはずだ。彼等が年金を受給する頃には、支払った総額より貰う総額が少ないことを誰もが知っている。 もちろんこの原因も、政府や糞完了が好き勝手して散財していることも気づいており、どうせ自分等が投票に行っても自分達より数が多い老人が自公を推すので、世の中は変わらないと半ば諦めて投票にも行かない。惜しいことである。 ここまでで書いたように、働かなくても十分に暮らせるだけの年金をもらえるのなら、権力に意地汚い連中と仕事場で自分の居場所がある人以外は、心から働きたいとは思っていないはずである。 もしあなたが、派遣労働者という惨めな状況になった場合、本当に高齢で働きたいか？　自分の子供みたいな正社員にアゴで使われたいか？　そんな人はまずいないはずである。生活が出来ないから高齢でも働くのであって、そうでなければ今、非正規社員と言われている人たちは、誰も働きたくないだろう。 歳を重ねたら後に続く者を育て、育ったら道を譲り見守るのが本来の人間らしい生き方ではないのだろうか。それをいつまでも後続に譲らず、権力にしがみつこうとするからおかしくなるのではないのだろうか。 全ては長い年月を経て、腐りに腐った政府と中央官庁の要人が元凶だが、声を上げないという国民性にも責任はあるだろう。逆にそれを腐りに腐った政府と中央官庁が利用してきたとも言えなくはない。 小生の考えで恐縮だが、年金生活で事足りていれば働き続けるよりも後続の育成や地域社会のために貢献したほうがいいと思う。
02. 2015年3月08日 11:58:07 : Rd1dV3cBIA ＞今すぐにでも実質定年を70歳程度まで引き上げるべきである。 ＞マクロ経済スライドという給付抑制策だけで年金財政問題は解決しないし、若者や現役世代へのツケが延々と回っていくのである。 まず特別会計が、何の財源として消費されているかを提示することから始めるべきだ。特別会計の中にはベー国への貢金や、政治屋や黄泉帰り糞完了への迂回献金等がたっぷり含まれている。 これらの資金を年金や社会保障に当てれば何の問題もないはずだ。 裏で汚い操作をしている連中は、みんな牢獄にぶち込むべき。 しかし警察や裁判所までもが、この連中と同じところにいるため国民の生活が全く良くならない。 また消費税を上げて得た財源は、頭空っぽの安倍が全部海外旅行のテラ錢として浪費してしまった。黒田に命じ円安にして円の価値を2/3にまで低下させ、国富を散財している。コイツが日本を貧しくする癌の親玉だ。 何とかしてコイツ等を一掃しないと、いつまで経っても冒頭に挙げた命題が国民の上から無くならない。 コイツ等を一掃出来れば、日本のまじめな勤労者たちは老後に何の心配もない。 必要なのは70歳まで定年を引き上げることではなく、裏でコス汚いことをやっている連中を牢獄にぶち込むことである。
03. 2015年3月08日 14:45:19 : E6QxrN2RhA おむすびを盗み食いした奴は誰だよ。 おむすびが足りないのに海外にばら撒いているのは誰だ。
04. 一主婦 2015年3月08日 17:08:59 : rfKiZAFzfsBYA : 8lwcLsPSAE >>02. Rd1dV3cBIA さん 本当に私もそう思います。 一番の根っこの問題を改善しないで、枝葉だけいじったり論じても問題解決しませんよね。その問題を根っこから改善しようと約束してくれたのが２００９年の民主党でした。ですから私も政権交代時は本気で賛同し投票しました。ところが、自分の出世だけが命の菅直人が突然その方向性を１８０度変えてしまいました。 消費税増税・ＴＰＰ賛成、そのあとを継いだ野田は更にその実現に邁進しました。もう、まるで自民党に成り代わりました。今現在の民主党政治の方向も自民党と一緒の方向の政治です。もう、これでは、民主党は野党とは言えません。政権交代をしても、今までの与党と同じ方向での政策を進められるのでは政権交代の意味がなくなります。野党は、与党とは違う方向での政策の器であることが求められていると思います。その様な器を国民が欲しています。国民の要望に合わせた政策での政権交代が必要なのです。 民主党さん、国民の要望を実現させる為の政党に変る気は有りませんか？ ２００９年時の民主党に戻ってくださいませんか？ そうして頂けたなら私たち国民は、喜んで投票いたします。あの当事の支持者は今の民主党では鼻をつまんでしか投票できないか、鼻をつまんでも投票できないのです。国民の要望を汲んであの当事の民主党に戻ってくださる事を念願しています。 小沢氏の力量も必要ですからぜひあの当事のメンバーも合流させてください。亀井氏も、福島さんも大事業を成し遂げるためには必要な方々です。内部での足の引っ張り合いをしていては、アチラ側との戦いになりません。何しろ相手は大きすぎる相手なのですから。現在の民主党に残っている政権担当能力の乏しいメンバーだけでは、例え万が一政権交代が出来ても、先の菅直人・野田状態になることは目に見えています。 自分の総理の椅子が国民の託した大事業よりも大切に成ってしまったから菅直人の１８０度の裏切り政治になったのです。党内で一致団結していれば、小沢氏の冤罪も、もっと早く決着し、その後小沢氏の復帰で、今頃は、あの大事業の半分くらいは前進していたと思います。仲間内での足の引っ張り合いがあの政権交代の失敗の一因だったと思います。鳩山氏の基地問題でも、仲間の大臣が足を引っ張ったという事が原因になったと聞いています。相手が大きいだけに仲間内の足の引っ張り合いは失敗の元になります。この事も、民主党には大反省して頂きたいです。 原発輸出まい進、再稼動賛成。特定秘密保護法推進、辺野古埋め立て推進、集団的自衛権基本賛成、オスプレイ導入推進などなど、これでは、２００９年時の民主党とはまるで違う政治方向と政党です。野党とは、与党と１８０度に近い方向性を示す政策の器で有るべきと思います。与党とまるで瓜二つの野党での政権交代ほど意味の無い政権交代は無いと思います。 >>03. E6QxrN2RhA さん あなたにも、大賛同です。 お金が無い無い、国の借金が１０００兆円超と煽っていながら、どうしてあれほどの大金を海外にばら撒けるのか？本当に不思議に思います。 消費税の導入当事の要旨は「福祉や社会保障に宛てられる」という謳い文句で始められたと記憶しています。消費税が３〜５〜８％に上げられても、上げればあげるほど社会保障や福祉が削られている事実が有ります。福祉や社会保障の財源は全くの嘘ですね。実際は、大富豪の減税分と輸出戻り税に消費税が当てられているという事実は本当に腹立たしく思います。 消費税が、福祉や社会保障に宛てられるなどは真っ赤な嘘。ましてや、孫子への借金返済もまるで嘘。赤字国債の返還の為に消費税が使われるは、消費税導入時のうたい文句からしてもズレますから、これも真っ赤な嘘。嘘ばかりつかれて、私たち国民は大人しすぎますね。海外にばら撒ける大金が有るのに、そんな嘘だらけの謳い文句で消費税増税を許してしまう私たちって・・・ホント惨めなくらいのお馬鹿さんですよね。 先ずは、特別会計の廃止からですね。それをしないで、増税は意味が有りませんよね。穴の開いた財布に幾らお金を入れても、お財布にはお金が残りませんからね。 あの２００９年の民主党マニフェストこそ真に意味ある政権交代と政策だと思います。再度の政権交代を望むには、あのマニフェストに戻る必要が有ると思います。 今の民主党の自民予備軍としての政策では、国民の多くが賛同して政権交代に漕ぎ着けるほどの政策ではありません。鼻つまみで政権交代ができるほど、政権交代のエネルギーは小い筈はありません。多くの有権者の賛同を得て政権交代を成し遂げるには、先の政権交代での裏切りと失政。そして１８０度政策転換の真摯な反省と謝罪と、党の方向修正が必要と思います。 それと合わせて、有能な政治家をその裏切り失政の為に党外に放り出した事の反省も必要です。そして元の有力メンバーの合流と一致協力が無くては、あの素晴らしいマニフェスト実現は到底無理です。今の民主党残留組は、言わば権力側に寝返るような雑魚メンバーばかりですから、その大事業実現は到底無理だと思います。 民主党の再生と政権交代実現の為には、先の政権交代での裏切り、失政の反省なしでは不可能に思われます。そして、現在の民主党執行部のメンバーの反省と交代が必要と思います。一番大切な事は、２００９年時の民主党に戻る事が大切な事だと思います。民主党は変わり果てすぎました。その代わり果てた己の反省も出来ず、謝罪もせず、その変わり果てた姿を認められずに、さ迷っている民主党を元支持者として腹立たしく思います。 この、安倍政権の暴走時の危機的な時に、有権者の思いを汲んで政策の変更もせず、自民党と瓜二つの政策と政治方向で自己満足し、有権者に鼻つまみ投票を強要できる厚かましさに唖然とするばかりです。政治と政党は国民の要望を実現する為にあります。その党の議員や党のためにあるのではないのです。国民の声を反映した器になっていただきたいです。鼻つまみ投票を強いる党では政権交代のエネルギーも意味もないのです。 民主党の反省と方向転換（２００９年時に回帰）が、政権交代の為の鍵だと思います。
05. 2015年3月09日 18:53:32 : RQpv2rjbfs おにぎりが貰えるまで歩くから、貰えないってことはないんだなーー山下清

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