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ほぼ全員が定時退社する会社、ランクアップの社員全員集合。社員の9割が女性、ワーキングマザーも社員の3割超を占めている
ほぼ全員定時退社で年商約60億円稼ぐ会社の秘密
http://diamond.jp/articles/-/67937
2015年3月6日 岩崎裕美子 [株式会社ランクアップ 代表取締役] ダイヤモンド・オンライン
「残業しないで売上を上げるってすごいですね」と、よく言われます。
私が代表を務める株式会社ランクアップは、「ほぼみんな定時退社なのに9年連続で売上を上げている」ことが話題になり、最近では日経ビジネスや朝日新聞をはじめ多くのメディアで取り上げられるようになりました。
みなさんのまわりにも、残業しないように工夫しているのに、なかなか残業が減らなくて困っているという会社はありませんか?
実は、うちの会社も同じでした。
早く帰るように社員には何回も言うのですが、なかなか定時ぴったりに帰れなかったんです。
それがなんと!2011年に導入した「17時に帰っていいよ」という制度のおかげで、17時に帰れる会社に変わったのです。
うちの会社の就業時間は、朝8時半から17時半ですが、仕事が終わったら17時に帰っていいことにしました。
社員からしたら、17時に帰っても17時半に帰っても、給料は一緒なので、早く帰らないと損した気分になるんですよね。おかげで、17時ぴったりに帰る社員が続出しました(笑)。
でも、経営者からすると、まったく残業しなくなってしまったら売上が落ちるんじゃないか?と思いませんか?しかも私たちの会社は、創業してからずっと、売上に困ったことが1度もなく、売上を上げ続けていたので、私も実のところ、残業しなくなって「売上が落ちたらどうしよう」と不安でした。
ところが、そんな心配をよそに、残業は減ったのに、売上は上がりました!
なんと制度を始める前の売上は22億円でしたが、始めた年度は売上が31億円と、なんと対前年140%も売上が増えたのです。
それからも、もちろん売り上げは上がり続けています。
そんな私たちは、東京の銀座に本社を構える、創業10年の会社です。従業員40名で、昨年度の売上は約60億円。化粧品を製造販売しています。
1番のヒット製品は、「ホットクレンジングゲル」というメイク落とし。発売してから累計販売本数430万本を突破し、現在では30秒に1本売れているクレンジングとして、多くのお客様に支持していただいています。
■前職は広告代理店で深夜残業当たり前 31歳で取締役になれたけど…
さて、そもそも17時に帰れる制度にしたのは、私が前職で勤めていた広告代理店での経験からです。
私は23歳からずっと広告代理店で営業職としてバリバリ働いていました。私の担当は新しいクライアントを見つけるための新規営業でしたから、毎日、電話と外回りの営業で本当に大変でした。しかし、どうしたら売上を上げることができるのか?必死で考え提案し続けたおかげで、少しずつ成績が上がり功績が認められるようになりました。それからというもの30歳という若さでなんと取締役営業本部長に抜擢され、私は会社のために、さらに頑張って仕事をするようになったのです。
広告代理店という仕事は、昼間は営業、夜は企画書作りと、本当に忙しく終電まで働くのが当たり前の業界です。遅くまで働くのは辛かったけれど、信頼のおける部下たちや、クライアントとの仕事は楽しくてたまらなく、寝る間も惜しんで働きました。
その広告代理店は、社長以外は全員女性という珍しい会社で、みんなで毎日のように残業の出前食を食べながら夜遅くまで頑張って、成果を出していました。
ですが…、30歳くらいになると、「仕事は楽しいけれど、将来、結婚も出産もしたい。でも、この会社では無理なので辞めます」と言って次々と退職してしまうのです。社員はみんなバリバリ稼ぐ有能な女性社員。もちろん、なんとしても引き留めたいところです。しかし、私には引き留めることができませんでした。
なぜなら、彼女たちの言っていることは正しいから。終電まで働かなくてはならないこの会社では、結婚も出産も難しいのです。万が一、結婚はできたとしても、出産し、子育てしながら働くことは絶対に無理でしょう。とにかくこの会社では、夜遅くまで働けなければ、戦力外になってしまうのです。
しかしそれでは、せっかく社員が育っても、疲弊して2〜3年で退職してしまうので、会社の未来はありません。そこで私は、離職する社員を減らしたい一心で、考え続けました。そして悩み抜いた結果、残業を減らすには、まず営業スタイルを変えることだ!と気がついたのです。
■35歳を超えて気づいた 「このままじゃ子どもを産めない!」
今までのように、ひたすらアポをとってお願い営業をするのではなく、自社の強みをインターネットや書籍など使って周知し、クライアント自身から問い合わせをもらうというスタイルに変えることを考え社長に提案しました。しかし何回提案しても、社長からは「売上が落ちたらどうするんだ」の一点ばり。新しいことへ挑戦することはありませんでした。そのころの私は35歳を超えていました。
せっかく10年以上も営業として頑張り続け、取締役営業本部長まで登りつめたけれど、この私ですら、いつか出産して、残業ができなくなったら戦力外になることはわかっていました。
私はこの仕事が大好きでたまらなかったから、ずっと働いていたいけど、このままこの会社にいたら、私は人生で子どもを持つことができない…と思うようにもなりました。
転職を考えたこともあります。でも、私にとって仕事は、もう人生のすべてと言っていいほどで、やりがいがなければ意味がないのです。でも、やりがいを求めてバリバリ働こうと思ったら、どこの会社も残業が多いんです。早く帰れる仕事は、当時は事務職か、派遣しかありませんでした。
せっかく営業の仕事を10年以上頑張って、成果を出せるようになり、これからもっと新しいことに挑戦したい!と意欲はたくさんあるのに、一人子どもを産むという選択をするだけで、会社では戦力外になり、やりがいのある仕事を失ってしまうなんて……。人生が変わりすぎてしまいます。だから当時の私には、今までのキャリアを捨てて、出産を選ぶことは、なかなか決断できなかったんです。
その後、私はだんだん、「残業できないと会社って経営できないの?」と思うようになりました。この会社は、残業する人を評価していましたが、本来は残業する人よりも、集中して効率良く働く人材が評価されるべきです。それに、長時間労働さえなければ、ママになったって、やりがいのある仕事はできるはずです。
この時の辛い思いから、私は、「いつか自分で会社を作って、長時間働かなくてもよくて、女性がいつでも結婚できて、安心して何人でも出産できる会社にするんだ!」と決意したのです。
■いまや社員の3割超はワーママに 夢が叶うまでは“いばらの道”だった!
その後、私は37歳で現在の会社を起業し、10年後の今、その夢が叶いました。
従業員40名のうち38名が女性という弊社では、なんと13名がワーキングマザー、6名が育児休暇中、妊婦が2名というように、これから出産する従業員を含めると、出産率は50%を超えています。復職した社員は、もちろん出産前と同様にバリバリ活躍してくれています。
今では、いつも誰かが妊娠し、出産し、育児休暇をとる私の理想の会社となりました。
本当に気軽に結婚して、出産する会社になったんです!!!
しかし……ここまでの道のりは決して楽ではありませんでした。
続く。
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