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株高は暮らしとは無関係(C)日刊ゲンダイ
株価「2000年水準」でも…こんなに悪化したサラリーマン生活
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/157747
2015年3月5日 日刊ゲンダイ
日経平均が約15年ぶりの高値となる1万8300円を突破してから、兜町の熱狂は続いている。「2万円の大台突破は近い」との声が上がる一方、「生活実感とかけ離れた見せかけの株高」という冷めた見方も出てきた。
15年前の2000年はITバブルが崩壊し、景気に停滞ムードが漂っていた。4月に小渕恵三首相(当時)が脳梗塞で倒れて緊急入院し、その後、森喜朗内閣が発足。西鉄バスジャック事件(5月)や、世田谷一家殺害事件(12月)が世間を震撼させ、スーパーの長崎屋、百貨店のそごうが倒産した。
サザンオールスターズの「TSUNAMI」が大ヒットし、流行語大賞は慎吾ママの「おっはー」だった。
「現在に比べると、社会全体に高揚感があった気がします。活気もあったでしょう」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)
■年収10%減、小遣い33%減…
サラリーマン生活は今よりずっとマシだった。平均年収は461万円で、現状(14年)の414万円より47万円高い。小遣いは約2万円も多く、昼飯代や飲み代もたくさん使えた(別表参照)。
「収入が減っているのに、光熱費や通信費は上昇です。庶民生活は悪化の一途をたどっている」(市場関係者)
住民税や健康保険料など「非消費支出」は00年に比べ、1カ月当たり7878円も増加。年間で約9万5000円の負担増だ。サラリーマン世帯は生活防衛に走るしかなく、食費を削り、酒代を減らした。
企業で働く正社員は343万人少なくなり、逆に非正規雇用は691万人も増えた。GDP(名目)は509兆円から488兆円に減少。「高齢化社会の影響で国力は確実に落ちている」(市場関係者)のに、借金は15年間で522兆円から1029兆円と倍近くにハネ上がっている。
アベノミクスで“00年水準”に戻ったのは株価だけ。残酷なサラリーマン生活は続いている。
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