★阿修羅♪ > 経世済民94 > 186.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
世代間の公平性:英国という老人国家 若い低所得者のカネを使って高齢の金持ちに補助金を出すのをやめるべき 
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/186.html
投稿者 eco 日時 2015 年 3 月 05 日 08:36:18: .WIEmPirTezGQ
 


2015年03月05日(Thu) The Economist
(英エコノミスト誌 2015年2月28日号)

世代間の公平性:英国という老人国家

英国は若い低所得者のカネを使って高齢の金持ちに補助金を出すのをやめるべきだ。

 保守党率いる英国政府は、ロンドン大空襲の精神を呼び起こし、緊縮政策に関しては英国民は一蓮托生だと語った。
 しかし、英国の戦時中の試練の影響が残る時代に生まれた世代は、緊縮を概ね免れている。
 英国の基礎年金額は、経済状況にかかわらず寛大な増額を保証する計算式の下で、2010年以降、16%増加した(実質ベースで5%の増額)。
厚遇される年金生活者
 また、年金受給者は、無料のテレビ料視聴契約や無料のバス乗車券、冬季の燃料費補助を享受している。政府は年金受給者の貯蓄にまで補助金を出しており、65歳以上の人のみを対象に、利率4%――政府の借り入れコストの5倍以上の水準――の債券を売っている。
 そして、もし保守党が5月の総選挙で政権与党の座を維持したら、高齢者はさらに手厚い援助を期待できるだろう。保守党のデビッド・キャメロン首相は2月23日、「この人たちが戦争を戦い、数々の不況を切り抜け、この国を今日のような素晴らしい国にした」ことを理由に、高齢者への補助金を守ることを約束した。
 この主張は経済的に無分別で、道徳的に弁護しようがない。平均的な英国家計では、連立政権による増税と支出削減の結果として、過去5年間で世帯収入が約500ポンド減った。
 年金受給者2人から成る平均的な世帯では、収入はたった23ポンドしか減っていない。だが、そうした世帯の構成員は、保守党が喧伝するような「寒さに震え、それでも文句を言わない退役軍人」とはほど遠く、むしろ1960年代という楽な時代に成年を迎えた人たちである場合が多い。
 手厚い年金と数十年にわたる住宅価格の高騰に支えられ、最も裕福な上位20%の年金受給者世帯は、英国の全世帯平均の軽く2倍を超える平均収入を謳歌している。そんな幸運な老人たちにとっては、冬季の燃料費補助金は、暖房をつける誘引というよりは、いいワインを飲む誘いだ。

英国のデビッド・キャメロン首相〔AFPBB News〕
 そして、今後さらに多くの住宅所有者が定年を迎えるにつれ、裕福な年金生活者の数は増えていく。
 本当のところ、キャメロン首相の取り組みは、高齢者の尊厳を守ろうとする願望よりも、年金受給者――英国人の中で保守党に投票する可能性が最も高い層――を買収することが大きな動機になっているのだ。
 高齢者の扱いを、若い英国人のそれと対比してみるといい。若者が払う税金は、甘やかされた高齢者のために使われている。公的年金とは異なり、生産年齢の人たちの補助金は圧縮されてきた。以前は親に対して一律に給付されていた児童手当は、今では所得制限がかけられている。
 保守党は、失業手当――25歳以下の人にとっては、すでに給付が21%減額されている――のために若者を働かせる一方、住宅手当を与えないことで、若者にこれまで以上の緊縮を約束している。
 若者から高齢者への資金移転は2つの理由で正当化できる。多くの高齢者は働くことができず、また、技術の進歩は、若者が最終的に祖父母より良い生活ができる可能性が高いことを意味しているからだ。しかし、今日のスキルが低い英国人は彼らの祖父母とは異なり、収入が逐次圧迫されてきた。若年失業率は14%と高い。
 そして相続する不動産がない人たちにとっては、法外な家賃と住宅価格――何十年にもわたる計画の失敗の結果――は英国人が熱望する住宅所有の夢を打ち砕いた。
厳しいが公平
 英国の次期政権は、キャメロン首相が提案しているようにこの不均衡を悪化させるのではなく、それを是正しなければならない。
 次期政権は無料バス乗車券や他の年金受給者の助成金を廃止すべきだ。それだけで30億ポンドの節約となる。また、公的年金を資力調査の対象とすることによって、貧しい年金受給者への給付金を増やし、最も裕福な年金受給者への給付額を徐々に減らすべきだ。

いまや英国の若者の多くはマイホームなど望めない(写真はロンドン市内)〔AFPBB News〕
 多くの老人は不当な扱いに気分を害するだろう。普遍的な公的年金は長年、福祉国家の礎と見なされてきたからだ。
 だが、資金は不足しており、今日の低所得者から富裕層への再分配の規模を擁護することは難しい。
 さらに、年金制度の改革は、より大切な礎石を守る助けになる。
 公的年金への支出を2割削減すると、150億ポンドの節約になる。150億ポンドという金額は、国民保健サービス(NHS)が高齢化する英国民の急増する要求を満たすために間もなく必要となる追加資金のほぼ半分に当たるのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43095 
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年3月05日 10:42:15 : eSN0DhaT2E
日本の基礎年金の少なさの問題を、「世代間の公平性」と言うテーマにすり替えてはいけない。
「若い低所得者のカネを使って高齢の金持ちに補助金を出すのをやめるべき」と言うのは確かだがそれは日本でも同じ。
バスなどの高齢者無料化や値引き。
金持ちの高齢者まで若者に負担させて、ヒマをもてあましてバスでブラブラしてるのもいる。
本当に困っている高齢者にだけ補助すべき。
JRの「大人の休日倶楽部」も疑問。
その分は若い人や本当に困っている人に補助すべき。
それと日本の場合はもっとケタの違う額でおかしなカネの流れがある。
「若い低所得者や生活苦で老体に鞭打って年金代わりに働く人のカネを使って、無駄なハコモノやインフラの維持に巣くうシロアリに補助金を出すのをやめるべき」。
閉鎖した「私のしごと館」と同程度しか意味がないような公的施設の新設や維持に莫大なお金がつぎ込まれ、これは実質、若者が「私のしごと館」を維持するために働いているのと同じ。
それは今とほぼ同じ人口でしかも今より輸出競争力があった、そして経済的にもっと豊かだった30年くらい前に、自分が通った事のある高速道路や街中に行って比較すればわかる。
大体、道路や高架の本数や交差する高架の数量が1.5〜2倍、公共施設やビルも2倍とかになっている。
高齢化、空洞化、地震津波大国にこんなハコモノやインフラで経済を回すのははミスマッチ。
道路がシニアカーや車椅子や自転車向きになっているものが少なくて追いついてない、と言うのは本当に生活に必要な金額も貰えてない高齢者が増えているのと同じで、経済循環システムが高齢化や空洞化や地震津波リスク化に追いついていない、と言う事の現れ。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民94掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民94掲示板  
次へ