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オタクの購買力は社会を動かす?『刀剣乱舞』大ブーム、美術館や刀鍛冶も便乗
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150303-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 3月3日(火)6時0分配信
DMM.comが提供するブラウザゲーム『刀剣乱舞』が人気だ。ゲーム内容は同社が2013年にサービス提供開始し、大ブームを巻き起こした『艦隊これくしょん』とよく似ており、『艦隊これくしょん』が旧日本軍の戦艦等を女性キャラクターとして擬人化しているのに対し、『刀剣乱舞』では歴史に名を刻んだ名刀を男性キャラクターとして擬人化している。
キャラクターが男性ということもあり、女性のプレイヤーが多いようだが、刀剣に興味がある人など、男性プレイヤーも少なくないという。
『刀剣乱舞』が盛り上がるにつれ、各所でその人気にあやかろうとする動きが出始めている。
●リアル刀剣の展示に注目
作中で登場する刀は、有名な武士の愛刀や名工の作品など、なんらかのかたちで歴史に名を残したものが多い。それらのいくつかは、残念ながら戦時中に供出されたり震災などで消失したが、現代まで受け継がれているものもある。
現存する刀剣は、美術館や地方自治体が所有しているものから個人所蔵までさまざまだが、美術館などで常設展示しているほか、美術館以外の所有でも定期的に公開しているなど、実際に閲覧可能な場合は多くある。
その中で、愛知県名古屋市の徳川美術館は、『刀剣乱舞』の人気にいち早く対応した。ファンからの要望を受けて、脇差「鯰尾藤四郎」を特別公開したのだ。さらに併設の売店では関連グッズを販売するなど、『刀剣乱舞』ファンの受け入れ態勢は万全で、この動きを報じた新聞もあった。
●模擬刀や周辺市場にもブームの余波
また、刀の収集に意欲を傾ける人も増えているという。居合刀や鑑賞用の模造刀などの模擬刀市場も活気づいている。
ほかにも、名刀を鍛えた刀鍛冶は愛好家の間からは刀剣の「実家」と呼ばれるが、その名工の子孫が刀鍛冶を続けているケースもあり、そこで作られている包丁や爪切り、ペーパーナイフなどの作品にも注目が集まっている。さらに機を見るに敏なところは、その刀鍛冶において包丁へ名入れ代わりに名刀の名を刻んだり、名刀を小型化した商品を売り出すなど、『刀剣乱舞』人気にあやかったとみられる動きもある。
ゲームや漫画の熱心なファンの間では、作品の舞台になった場所を実際に訪れることを「聖地巡礼」と呼ぶが、これまで、聖地巡礼によって観光客が増大した地域はいくつもある。
『刀剣乱舞』についても、聖地巡礼の動きは盛り上がりの兆しを見せており、その勢いが非常に強い。しかし、刀剣の「聖地」は美術館などが多いため、他の聖地巡礼とはいささか趣が異なる。インターネット上では、「静かに鑑賞すべき美術館で奇声を上げて騒ぐべきではない」「写真撮影は基本的に禁止されている」などと、常識ともいえることを図解して大上段に注意を促す人も出てきている。果たしてそれは問題が起きないように先回りしてお節介を焼いているのか、実際にあった事例に対する苦言なのかは不明だが、なんとも滑稽だ。
また、ツイッター上で「学術的な施設なのだから、萌えで行くべきではない」と発言した人に対し、実際に美術館や博物館で働いているとみられる人々が、「余計なことを言ってくれるな」などと次々に異論を寄せる事態もあった。もちろん、マナー違反は慎むべきだが、鑑賞の目的に関しては個人の自由であり、運営側にしてみれば入館料さえ払ってくれれば何も文句はないということだろう。
『刀剣乱舞』に限ったことではないが、すでに“オタク”の行動力や購買力を当て込んだ市場は多くある。当のオタクも、当て込まれているのは重々承知で、聖地巡礼に出向くのだ。マナー違反を行う人物だけを排除して、うまくお互いにWin-Winな状態になってくれることを祈りたい。
編集部
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