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あおられる海外投資&移住の罠 セミナーや出版社がうたう“輝かしい未来”に要注意
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150303-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 3月3日(火)6時0分配信
「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/2月21日号)は『本気で考える 海外移住&資産運用』という特集を組んでいる。「『ここではない、どこかへ』――。生活の場を、そして資産運用の場を海外へ移す。その決断を後で悔やまないために、知っておくべきことは数多くある」という内容だ。
『Part1 海外移住編』では、シンガポールにマレーシア、セブ島(フィリピン)、カナダといった国々を紹介している。悲観的な日本の将来とは対照的な輝かしい未来が待っていそうだ。しかし、気になる動きもある。その一つが海外不動産投資だ。記事『東南アジアに熱視線 海外不動産投資は新興国の「成長」を買う』では、セブ島を中心としたフィリピンへの投資ブームに警鐘を鳴らしている。
あるセミナーでは、ブームに乗ってフィリピンを執拗に勧めるという。
「『今はとにかくフィリピン、フィリピン。今が買いの時です』。過激なあおりにも聞こえるが、フィリピンブームは確かに起きているようだ。(略)フィリピンが注目される一番の理由はその人口構造にある。人口は昨年1億人を突破。しかも若年層主体の構成であるため、今後の経済発展が期待でき、不動産需要の増加も見込めるというわけだ」(同記事より)
フィリピンブームの前はジョホールバルを中心としたマレーシアブームだった。「プレビルト(青田買い)」物件への投資が多く、こうした物件の引き渡しが来年から再来年にかけて行われるのだが、無事に引き渡しまで至ったとしても、賃貸や売却ができるかは疑問だという。
「業界関係者は『不動産は立地に大きく左右されるのに、不動産にあまり詳しくない金融界出身の業者が期待だけをあおった面がある。賃貸や売却ができずに出口を見失っている投資家はすでにいる』と指摘する」(同記事より)
同誌は現地取材も敢行している。
「現地を見たところ、開発は部分的には進んでいる。だが、ジョホールバルはマレーシア第2の都市とはいえ周辺地域の人口が少なく、計画で見込むほどの人口流入があるかは不透明。不動産投資への過熱感が一巡する中、人口増を当て込んだ住宅開発が続けられている点は懸念要因だ」(同記事より)
確かに、一部の不動産業者や出版社などは、ここ数年、海外不動産への投資をあおってきた。この動きに懸念の声が多かったのも事実だ。日本の“東京オリンピック不動産バブル”より前に、海外不動産投資バブルがはじけてしまうのか。
●円安ドル高の傾向は続く?
もうひとつ、投資先として注意したいのが「米ドル」だ。『Part2 資産運用編』では、「最も魅力的な投資先」「外貨投資の入り口」とうたっている米ドル。「今年は政策金利の引き上げが見込まれる。(略)最強通貨であるドルの金利が上がれば、世界中から資金が米国に集まり、為替の流れはドル高と予想する市場参加者も多い」(同記事より)といい、しばらく円安時代が続くとの見方を示している。
この傾向は、他誌でも同様だ。「日経マネー」(日経BP社/4月号)の特集記事『この2年が勝負! 円安時代の外国株投資』でも、「為替の円安余地がまだ大きい。年明けはやや円高・ドル安方向への調整局面を迎えているが、年内〜2016年にかけては1ドル=125円や130円に達する局面があるというのが大方の専門家の見方だ。ならば外国株に投資しておけば、株価上昇と為替差益をダブルで狙えることになる」(同記事より)と外国株投資をすすめる。
しかし、「週刊現代」(講談社/3月7日号)の特集『ミスター円・榊原英資が断言 「この円安はそろそろ終わる」』では、元財務官・榊原英資氏が大勢の見解とは逆の意見を述べている。
「私は円安が進行する局面はもう終わっていると考えています。円安トレンドがすでに反転していると見ている理由は簡単です。現在の円安の主たる要因は日銀による異次元の量的金融緩和、そして今年のうちに予定されている米国FRB(連邦準備制度)による引き締め、いわゆる出口戦略ですが、この2点に関してはマーケットがすでに織り込んでいる」(同記事より)
しばらくは115〜120円を行ったり来たりし、120円を大きく超えてくることは考えにくいと述べる。「週刊現代」は逆張り戦略をしているようだ。
「週刊ポスト」(小学館/3月6日号)の記事『「週刊現代」から大手証券アナリストまで 株価予想はなぜ外れてばっかり?』では、2013年以降の「週刊現代」がいかに日経平均株価予測を外しているかを明らかにしている。今度の為替予想はどうなるだろうか。
松井克明/CFP
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