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雑感。年金運用と税収
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52686538.html
2015年03月02日 在野のアナリスト
GPIFが発表した10-12月期決算が、市場では話題となっています。9月末に比べ、12月末で株式の新規買いが1.8兆円規模に膨らんだためです。このペースでは今年の前半で、運用比率の変更に伴う買い分を消化してしまう。そうなると、その後は逆張りベースの従来の運用に戻る。今年の株式市場は、年後半に大きな山場を迎える、とされる所以ともなっています。
国内債券は6.4兆円減、海外株式、債券は順調に持分を増やしています。ただ問題は、国内株式が一番先に、運用比率に達してしまうことです。ある程度の幅はありますから、まだ余裕はありますが、日本株が一番先に到達して買い手がその分減れば、日本が真っ先に売り叩かれかねません。ただでなくとも、先物だけを買い上げる今は、外国人投資家が上昇局面の最終段階に来ているような、そんな手法をとっているかにみえます。共済年金も運用比率を見直しましたが、この好環境が夏ごろには終焉する、という観測に先立って今は誰しも動いているようでもあります。
年金は6.6兆円の黒字ですが、税収も高い伸びとなっています。4月から1月までで前年同期に比べ12.3%増。所得税が伸びていること、及び消費税増税の影響もあっての伸びですが、その間に黒田バズーカ第二弾があったこと、及び昨年度以上の円安になっていることも寄与しています。さらに企業が株式配当に力を入れていることも挙げられます。ROE経営とされるように、自社株買いや配当を増やし、株主満足度を高めている。高額所得者は資産を運用に回すことで、フルに寄与しています。ただし現状は株式、債券、不動産などがバブル商状に陥っていて注意も必要です。
名目ベースでも所得は目減りしていることは、各種指標でも明らかですが、給与から天引きされる所得税ではなく、雑所得が増えている限り、それは国内を広く潤しません。一部では増税したのに税収増を達成した、という論調もありますが、日銀がバブル助長により資産を膨張しているといった、従来にない形であって、景気は一貫して低迷を続けています。問題は、今はフルスロットルで好環境を演出していますが、将来も今と同じ条件になることはまずないこと。つまり今がピークで、今後は悪化する一方になることがほぼ確実である点です。
年金の買いが終わったら? 日銀が量的緩和を終了したら? 円安が逆回転したら? 外国人投資家が売り始めたら? 実はそうした諸々の懸念が先々、現実化しそうでもあるのです。米国がドル高を牽制しはじめ、日銀も追加緩和ができないばかりか、それだけ企業業績がよいなら、緩和を縮小しろという圧力がかかるかもしれない。それが起きそうなタイミングが、年後半に集中する可能性が高まっているのです。外国人投資家は、黒田バズーカから買い増した現物株を売るために、先物を今買い上げているとすれば、4月以降には売り始めてくるでしょう。
安倍政権が前のめりになり始めた安全保障問題も、政治リスクを意識させます。外国人投資家はそれを始めた時点で、日本への投資は増やしませんし、逆に減らすでしょう。年金の運用益も税収も、フルスロットルの恩恵なら、息切れも近いとなります。新規の買い材料が見当たらないと、それだけでも売り材料になります。数ヵ月後の状態、約1.5ヶ月で外国人投資家が大量に買った先物を、どう処分して行くか? その行方次第では、逆回転の序章が早くも始まってしまうのでしょうね。
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