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月額利用料980円、新品スマホ無料提供…ブックオフ格安スマホ、真の狙いとは?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/126.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 3 月 02 日 10:28:15: igsppGRN/E9PQ
 

月額利用料980円、新品スマホ無料提供…ブックオフ格安スマホ、真の狙いとは?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150302-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 3月2日(月)6時0分配信


 昨年、さまざまな企業がMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスへの新規参入を果たしたが、今年もDMMが「DMM mobile」を、東芝が法人向けの「TIEモバイル」を立ち上げるなど、流れは続いている。

 そんな中でも特に注目されたのが、1月27日に中古本販売チェーン・ブックオフを展開するブックオフコーポレーションが発表した携帯電話事業の新ブランド「スマOFF」。ブックオフは中古携帯電話の買い取り・販売を3年ほど前から行ってきたが、このたびブックオフ・オリジナルプランとして格安スマートフォン(スマホ)事業に参入したのだ。

 スマホとSIMカードのセット販売で、端末には日本初上陸のエイサー製SIMロックフリースマホ・Liquid Z200を採用。こちらをセット価格1万800円、月額利用料980円で提供し、1日70MB、1カ月約2.1GBまで利用可能なサービスとしている。ちなみにLiquid Z200は3G対応スマホでLTE非対応だが、このSIMカードを他のLTE対応スマホに差し替えれば下り最大150Mbpsでの利用も可能だという。

 これだけでは後発企業として脚光を集められないが、ブックオフならではのサービスで独自性を打ち出してきたのだ。それは、消費者が使用していた(中古販売可能な状態の)フィーチャーフォン(ガラケー)やスマホをブックオフに売却した場合、新品SIMとフリースマホ端末・Liquid Z200を無料プレゼントするというものだ。ただし、端末無料契約の場合、2年間の継続利用が必要で、2年未満での解約時は違約金が発生する。実にブックオフ“らしい”戦略である。

●ブックオフは中古携帯売買の活性化が目的

 そこで携帯事業を担うブックオフ事業開発部に、「スマOFF」について話を聞いた。

「ブックオフグループでは2011年12月より携帯電話の買い取りサービスを開始しておりますが、現在、国内の携帯電話のリユース率はまだ3%程度となっております。そこで、SIMフリー端末のユーザー数を増やすことが中古携帯電話の認知度向上となり、中古携帯電話の未来を広げることにつながると考え、『スマOFF』を開始しました。これまでご契約いただいたお客様の層としましては、30〜40代の男性がメインです。携帯電話の買い取り成立で新品端末が無料になるというサービスに関しては、大変ご好評をいただいております。端末のスペックに関しては、満足しているというお声もあれば、LTE対応でないことがネックであるなどのお声もいただいており、賛否両論ございます。また料金に関しても月額980円という低価格が決め手となったとおっしゃっていただける場合もあれば、端末無料契約の場合の2年縛りはないほうがよいというお声や、料金を上げてもいいからデータ容量を増やしてほしいといったお声もいただいております。いずれも今後のサービス運営の参考にさせていただきたいと考えております」(ブックオフ事業開発部)

 次に、「スマOFF」や現在の格安スマホ業界について、ITジャーナリストの三上洋氏は次のように分析する。

「それまで違う畑で事業を行っていた企業が格安スマホ市場に参入するうま味は、単純に言えば通信事業はユーザー数の一定のシェアが取れれば毎月安定した収益が見込める点でしょう。しかし、ブックオフの参入には、また別の意図があると推察しています。ブックオフがこれまでの事業の柱としていたのは本やCDの中古売買ですが、残念ながら本やCDといった物理的なメディアの需要は徐々に減っているのが現状です。すぐに事業規模が縮小するということはないと思いますが、企業としての将来を考えた際には、新しい柱を作る必要があるのでしょう。その一環として白羽の矢が立っているのが中古携帯電話の売買であり、その中古市場を活況化させるための施策として『スマOFF』を始めたのではないでしょうか」

 つまり、ブックオフは通信事業への転換を目的として格安スマホに参入したわけではなく、これまで培ってきた中古売買事業において、携帯電話というジャンルを今以上に開拓するための一手と位置づけていると考えられる。

 いずれにしてもブックオフが格安スマホに参入したのは、市場としてまだまだ伸び代があると同社が判断しているからだろう。

●50代以上のガラケー移行層を取り込んだ格安スマホ

 そもそも格安スマホは、昨年4月、イオンがスマホとSIMカードをセット販売したのを皮切りとしてブームに火が付いたわけだが、そのイオンスマホは昨年だけで約4万台を販売している。そして驚くことに購入者の年齢構成は、約5割が50代以上だという。これはNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの大手3社などの既存携帯電話事業者(キャリア)の年齢構成と比べ、非常に高い数字である。

 このイオンスマホの傾向について、三上氏は次のように読み解く。

「50代以上には、まだガラケーを使い続けている人が多く、大手キャリア3社はそういった層をいかにスマホに移行させるかを近年の課題としていたはずです。ただ、高齢層がガラケーの移行先として選んだのは大手3社ではなく、格安スマホだったということでしょう。もちろん大手3社のスマホに替える人もいるでしょうが、格安スマホのほうが50代以上のユーザーのスマホ移行需要にマッチしているといえます。やはり大手3社のプランはまだ割高のイメージが強く敬遠されがちで、月々1000〜3000円程度で利用できる格安スマホは魅力的です。通話のほかは、孫とのメッセージのやり取りや写真、動画を受け取るといった程度にしか携帯電話を使わない高齢層の心を動かしやすい低価格だったのでしょう」

 このように50代以上の高齢層需要が高い格安スマホだが、SIMフリー版のiPhone 6が登場したことや、若い世代ほど通話機能の必要性を感じていないなどが理由で、最近は10〜30代の若者層にも受け入れられ始めているという。

 総務省発表のデータによると、昨年6月時点で独立系MVNO回線の契約数は約792万件で、約1億6000万契約の携帯端末市場の中ではまだ5%程度のシェアだ。しかし、13年末の時点では約669万件であり、わずか半年ほどで18%増という伸び率は見逃せない。

「確かに14年の契約数の伸び率は、それ以前の数年間と比べ、爆発的だったといえるでしょう。昨年6月に約5%程度のシェアだったとしても、格安スマホ事業に参入した各社がユーザーの細かなニーズに合わせたさまざまなプランを打ち出していけば、さらに市場は盛り上がり、今年中にシェア10%に到達することもあり得るでしょう」(同)

 そうなると今以上に、大手キャリアも格安スマホの存在を無視できなくなるだろう。

「ただ、MVNOは基本的には大手3社の二次販売的な事業であることに変わりありませんので、大手3社が設定している通信料金の価格以下には下げられないという収益構造になっています。ですから格安スマホ市場はまだ伸びていくと思いますが、大幅な値下げ競争などは期待できないでしょう」(同)

 さらなる低価格化を期待するのは酷だとしても、十人十色のユーザーの用途に合わせたプランが多数登場してくれば、格安スマホ市場は今後も右肩上がりしていきそうである。

昌谷大介/A4studio


 

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