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韓国企業、軒並み不振 前期決算出そろう
ウォン高が圧迫 現代自、米国で競合激化
韓国の主要企業の業績が振るわない。このほど出そろった2014年12月期決算では、輸出を主力とする造船や化学など重厚長大の製造業から、小売りやサービス業など内需型産業まで、幅広い業種で落ち込みが鮮明になった。ウォン高や中国景気の減速で輸出環境が悪化したほか、個人消費の低迷が直撃した。サムスン電子と現代自動車の2強もそろって減益となり、韓国経済はけん引役不在の様相を色濃くしている。
「販売は好調で売上高は増え、コストダウンにも取り組んだのだが……」。韓国自動車最大手の現代自動車は14年12月期の連結営業利益が前の期比9%減の7兆5500億ウォン(約8千億円)と2期連続の減益だった。同社幹部からはウォン高への恨み節がこぼれる。
12年に1ドル=1126ウォンだった年間平均為替レートは14年には1053ウォンに上昇した。一方で円は1ドル=79.8円だったのが、105.9円に下落した。
現代自の販売台数は480万台(現地販売ベース、傘下の起亜自動車含まず)。「ジェネシス」などの新車効果や中国第3工場の増設などで4%伸びた。だが、ウォン高で海外事業の採算が悪化した。主戦場の米国などで日本車と競合が激化し、販売奨励金を増やしたことも響いた。
韓国企業は海外市場でシェアを死守しようと、収益は二の次で値下げに動いている。韓国銀行(中央銀行)によると、現地の販売価格を示す輸出物価指数(契約通貨ベース)は14年に前年比1.9ポイント下落の97.3ポイント(10年=100)と09年以来の低い水準だ。対ドルでウォン高になれば指数も伸びるのが普通だが、円安が進んだ13年以降はウォンと物価指数が逆方向に動いている。
LG化学やロッテケミカルの石油化学大手2社は2割以上の連結営業減益になった。中国勢による増産攻勢で石油製品の価格下落が響いた。LG化学は日本メーカーと競合する液晶パネル素材が円安・ウォン高で競争力が落ちたことも影響。原油安による在庫評価損も響き、SK証券など証券大手は同社の目標株価を一斉に引き下げた。
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中国向けも低迷 サムスン、地元勢に苦戦
中国向け輸出の低迷も韓国企業の業績の足を引っ張った。船舶用エンジンなどを手掛ける斗山エンジンは連結営業損益が396億ウォンの赤字(前の期は7億ウォンの黒字)に転落した。「中国政府が国営造船所に自国メーカーのエンジンを優先利用するよう通達を出し、輸出の鈍化が続いている」(同社の関係者)ところに韓国造船大手からの受注減が追い打ちをかけた。
産業通商資源省によると、14年の対中輸出は前年比0.4%減の1453億ドルと前年の8.6%増から失速した。輸出全体に占める中国の割合は25.4%と0.7ポイント低下。ドルベースでは全体の実績が上回る中、対中輸出の落ち込みが際立つ。
中国景気減速の要因である不動産市況の低迷もあり、建設機械など一般機械が厳しい。韓国貿易協会によると、昨年1〜11月の実績で一般機械は7.1%減と13年の2.0%増からマイナスに転じた。同協会の担当者は「中国企業の技術力が向上し、韓国企業の優位性が薄まった」と話す。
中国勢の低価格攻勢で造船大手も苦しい。現代重工業は14年12月期の連結営業損益が3兆2495億ウォンの赤字(前の期は8020億ウォンの黒字)となり1973年の会社設立以来、最大の赤字を記録した。サムスン重工業の連結営業利益も80%の大幅減益だ。リーマン・ショック以降の安値受注が収益を圧迫している。
13年まで過去最高の業績を記録してきたサムスン電子も連結営業利益が3割減った。中国市場ではスマートフォン(スマホ)の販売が小米(シャオミ)などの地元勢にシェアを奪われており、利益が伸び悩んだ。
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冷える消費心理 百貨店や化粧品、中国人客に照準
「消費低迷の影響を大きく受けた」――。百貨店やスーパーなどを展開するロッテショッピングは連結営業利益が20%減の1兆1883億ウォンにとどまった。金佑●(日へんに景、キム・ウギョン)常務は韓国の消費心理の冷え込みに強い危機感を募らせる。
韓国では折からの景気減速に加え、昨年4月に旅客船「セウォル号」の沈没事故が発生。富裕層も華美な消費を控えるなど、社会全体で消費心理が冷え込んだ。その影響が小売りなど内需型企業の決算に表れだした。
ロッテでは在庫品を低価格で販売するアウトレットモールは好調だが、百貨店や大型スーパーが振るわない。大型スーパーは中小小売店保護を目的の営業規制も響き、国内の既存店売上高は3.6%減少、成長が期待される中国など海外事業の営業損失もかさんだ。スーパーのイーマートの連結営業利益も21%減の5830億ウォンに沈んだ。
唯一、活況なのが急増する中国人観光客の消費だ。韓国の化粧品最大手アモーレパシフィックは「雪花秀(ソルファス)」や「ラネズ」など高級ブランドの免税店での売り上げが3倍に増え、連結営業利益も52%増の5638億ウォンととなった。同2位のLG生活健康も営業増益を確保した。
営業利益が8%減だった現代百貨店は免税店事業に活路を見いだし、2月にソウル市に設ける市内免税店の入札への参加方針を示した。中国人客取り込みが消費関連企業の業績を左右しそうだ。
ソウル=加藤宏一
[日経新聞2月26日朝刊P.9]
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