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(撮影:今井 康一)
12歳以上のあなたが日本を脱出すべき理由 カリスマ投資家が懸念する「最悪のシナリオ」
http://toyokeizai.net/articles/-/61765
2015年02月27日 平松 さわみひらまつ :週刊東洋経済編集部 記者
20年間にわたり低成長にあえぐ日本。私たちはこれから、どうやって自分の資産を守っていけばよいのか。世界各国の情勢を独自に分析するカリスマ投資家、ジム・ロジャーズ氏に話を聞いた。
――アベノミクスは、日本にどんな効果をもたらしましたか。
日本の大きな問題は3つあると私は見ています。人口が減っていること、債務が天井知らずに増えていること、そして、安倍晋三首相がまだいることです。
安倍首相は、株式マーケットにはよいことをしてくれています。日本株に投資している私も、メリットを得られています。今後も日本株への投資は続けると思います。
でも、それが日本経済や日本国民にとってよいことかというと、それは別の話です。安倍首相が今やっていること、つまり紙幣の増刷によって自国通貨の価値を下げるということは、非常にお粗末だと私は思います。10年後、20年後になってみて、「あのとき、日本は終わっていたんだな」と気がつくでしょう。
――それでは、日本国民はどうすればいいのでしょう。
12歳以上だったら、即刻、日本から移住を考えた方がいいと思います。日本の株式マーケットを見ていると、いずれバブルが発生する懸念があると思います。日本の投資家の皆さんには、慎重な判断が必要になります。もしバブルが発生したら、日本を完全に崩壊させてしまう危険性すらあると思うのです。あくまでも、可能性としての話ですが。
――移住するとしたらどこへ?
自分自身がよく知っていて、投資をしてもよいと思える地域がいいでしょう。「本にこう書いてあるから」とか「ジム・ロジャーズが言っているから」というのは避けるべきです。
それでもあえて言うなら、おカネをすべて持って行けるなら北朝鮮でしょうね。1980年の中国、2010年のミャンマー、そして今の北朝鮮の状況は非常によく似ていて、北朝鮮は今後の展開が楽しみなところです。ほかにも、カザフスタン、アンゴラ、コロンビア――いくつか候補はあります。
――ロジャーズさんは現在、シンガポールに住んでいらっしゃいますね。
本当は中国のどこかの都市に住みたいと思ったのですが、大気汚染の問題などがあって断念しました。シンガポールは非常にきれいな都市ですし、英語も中国語もだいたい通じます。中国の都市よりも空気はきれいで、物事も非常にスムーズに、うまく動きます。
■日本に残りたければ農業だ
――どうしても日本に残りたい場合は、どうすれば?
それならば農業をやるのがいいでしょう。日本の農業者の平均年齢は66歳で、かつて栄えていた農村が消えつつあります。でも、食糧は人間の生活の基盤ですし、これから食糧価格が上がる可能性もあるなか、農業は成長産業になる余地を残しています。
観光業も発展の余地がありそうですね。ますます多くの外国人観光客が訪れるようになるでしょう。最近は物価もいくらか下がってきましたし、以前と比べて外国人を受け入れる雰囲気ができつつあります。あるいは高齢者のケアに関連したビジネスでしょう。日本は世界の中でもいち早く高齢化が進んでいるからです。
――そうした状況下で、子どもの教育についてはどう考えますか。ロジャーズさんはシンガポールで、娘さんに中国語を習わせているとか。
自分の母国語に加えて、別の外国語を1〜2つ習得すべきです。今、世界はいろいろなところで結び付いており、どこか一国だけで独立して、自分たちだけでやっていくことはできません。外国後は絶対、必要になります。
私自身が今後、一番重要になる言語と考えているのがマンダリン(中国語の共通語)なので、娘たちには中国語の教育を受けさせています。ただ、必ずしも中国語である必要はないかもしれません。
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