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2月27日、ばら積み船運賃の国際市況を示すバルチック海運指数が上昇し始めている。イメージ写真(2015年 ロイター/Pascal Rossignol )
世界貿易の「体温」バルチック指数が反転、先行き不安も
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LV0KA20150227
2015年 02月 27日 16:32 JST
[東京 27日 ロイター] - ばら積み船運賃の国際市況を示すバルチック海運指数が上昇し始めている。昨年11月からほぼ一本調子で下落し、過去最低水準まで落ち込んでいたが、切り返してきた。このまま国際貿易が回復してくれば、いまの株高を裏付ける材料となるが、世界経済の見通しにはまだ不安があり、予断を許さない。
<過去最低水準から反転>
世界貿易の「体温」を示すといわれるバルチック(・ドライ)海運指数.BADIが2月18日の509ポイントを底に反転している。1985年1月の統計開始以来の過去最低水準まで落ち込んでいたが、26日には533ポイントまで約4.7%上昇した。
中国の春節が終わり、同国の資源輸入が動き出したことが、石炭や鉄鉱石、穀物など乾貨物(ドライカーゴ)を運ぶばら積み船の運賃反転のきっかけとなった可能性もある。ただ、一度動き出すとしばらく同方向に続き続ける特徴を持つ指数だけに、世界貿易回復の兆しではないか、と注目を集めている。
オランダ経済政策分析局が出している世界貿易量の統計では、14年12月は前年同月比4.3%と11月の2.7%から大きく伸び率を高めた。米国の輸入がやや不自然に大きくなっていることが要因だが、バルチック指数の反転が「本物」であるとするなら、世界貿易も徐々に改善していくことが期待される。
<世界経済の持ち直し示す指標も>
実際、世界ベースの経済統計でも改善を示すデータが増えている。経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数(CLI)は昨年12月に100.5と前月の100.4から小幅ながら改善。JPモルガンの1月世界全業種生産指数は52.8となり、1年2カ月ぶりの低水準だった昨年12月の52.4から小幅上昇した。
三菱東京UFJ銀行シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は「世界的な金融緩和がそれなりに効果を表している。原油安も資源輸入国にとっては特需だ。米経済がしっかりしており、世界経済は強くはないにしても、徐々に回復してくる可能性がある」と述べる。
今月10日、国際通貨基金(IMF)の首席エコノミスト、オリバー・ブランシャール氏は、先月公表した今年の世界経済見通しについて、原油安のプラス効果などを踏まえると、やや悲観的過ぎたとの認識を示している。IMFは2015年成長率予想を3.8%から3.5%に引き下げていた。
<反発力弱い商品市況>
ただ、いったん底打ちしたとはいえ、このまま改善を続けるかはまだ不透明だ。原油など19商品の先物相場で構成されるトムソン・ロイター/コアコモディティーCRB指数.TRJCRBも1月29日を底に昨年6月からの下落に歯止めをかけたが、足元は再び弱含んでおり、反発力は弱い。
世界経済の動向を示しやすいとされる銅先物CMCU3も5年ぶりの安値からリバウンドしてきているものの、昨年7月の高値水準からの下落幅を20%弱戻したにすぎず、まだ自律反発の範囲内だ。「中国需要の先行きに依然として不安が強いようだ」(国内投信)という。
中国は、3月5日から全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を開くが、成長率目標を引き下げる見通しだ。2014年の国内総生産(GDP)伸び率は前年比7.4%で、1990年以来24年ぶりの低い成長にとどまったが、今年はさらに7%程度に下方修正するとの予想が市場では多い。
国際商品動向について、ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏は「底打ち感はあるが、反発力の強さは感じない。やはり世界的な需要は弱いとの懸念が裏にあるようだ」との見方を示す。
世界的な金融緩和と低金利は、低成長の裏返しでもある。景気が順調に回復し、株高を正当化してくれればいいが、株高だけが突出し、期待通りに景気が回復しない場合、調整の幅は大きくならざるを得ない。
(伊賀大記 編集:佐々木美和)
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