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G20の財務相たちは徹夜の議論に徒労感がアリアリ〔PHOTO〕gettyimages
ギリシャ・デフォルト 日本の株はどう動くのか 売りか買いか、それが問題だ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42202
2015年02月26日(木) 週刊現代 :現代ビジネス
■まずは急激な円高に
「ギリシャのデフォルト(債務不履行)によって、これまでとは次元が違う状況に陥ります。日本株も大暴落するリスクがあるのです」
こう語るのは、クレディ・スイス証券チーフ・エコノミストの白川浩道氏だ。
再びギリシャ危機が迫っている。
EUが中心となって、総額2400億ユーロ(約32兆6400億円)もの支援を行ってきたが、この支援は2月末で期限切れとなる。それにもかかわらず、1月25日の総選挙を経て発足した急進左派のチプラス政権は、ギリシャに課せられている緊縮財政や国有企業の民営化などを拒絶し、もとに戻すとしている。
2月10日にEUを代表するドイツとギリシャの緊急外相会談がベルリンで行われたが、ギリシャのコジアス外相は、こんなことまで言い出す始末。
「ドイツはナチス時代の損害賠償をわが国に払うべきで、わが国の債務はそれで相殺する」
当然、ドイツのシュタインマイヤー外相は眉をひそめて、「1960年に解決済み」と一蹴した。
だが翌11日にブリュッセルで急遽開かれたユーロ圏財務相会合でも、ギリシャのバルファキス財務相がネクタイも着けず、マフィアのボスのような格好で登場。新たに100億ユーロ(約1兆3600億円)もの短期資金を、平然と要求し、参加者たちを唖然とさせたのだった。
ギリシャを巡って、ヨーロッパではもう何でもありのドロ仕合が続いている。そのため2月6日には、世界2大格付け会社のムーディーズとS&Pが揃って、ギリシャの格付けをさらに下げると発表。危機はさらに深まった。
ギリシャがデフォルトし、現在28ヵ国が加盟しているユーロから離脱する初めての国となる—そのような事態が起こったら、日本にどんな影響が出るのか。
白川氏が続ける。
「現在のユーロ圏経済は、アメリカの7割くらいの規模があります。そこからギリシャが離脱すれば、次はイタリア、スペイン、ポルトガルの危機が起こる。まさに『ユーロのロシア化』です。
その結果、ユーロが大量に売られ、その反動で円が買われるため、急激に円高が進みます。現在の1ドル120円レベルから、100円前後まで上がっていく可能性があります。しかし、すでに目一杯、金融緩和している日本には、対応する手段がないのです」
続いて、円高に引きずられるように、株安がやってくる。
「為替の下落以上に、株価の下落の度合いが激しくなることが考えられます。日経平均株価は2月12日現在、1万7000円台ですが、一気に5000円くらい下がることを予期しておかねばなりません」(白川氏)
ギリシャという世界のGDPの0・4%にも満たないヨーロッパの小国の「時限爆弾」は、安倍政権の目玉政策であるアベノミクスをもフッ飛ばす威力を持っているのである。
それでは実際に、ギリシャのデフォルトによって暴落するのは、どのような銘柄なのか。信州大学教授の真壁昭夫氏が解説する。
「最初に下げてくるのは、輸出関連株です。つまり、これまで円安のメリットを享受してきた企業の株が売られるのです。具体的には、自動車や機械部品などの銘柄です。これらの株がまず、15%くらい一気に下がるでしょう。
次に下落するのが、資源を扱っている商社や、精密機械などの銘柄だと思います」
トヨタ、日産、ホンダの3大自動車メーカー、デンソーを始めとする自動車部品メーカー、村田製作所を始めとする電子部品大手7社、それに三菱商事、三井物産、伊藤忠、住友商事、丸紅の5大商社などの株が暴落するというわけだ。
経済ジャーナリストの磯山友幸氏は、他にも「危ない銘柄」が目白押しだという。
「ギリシャ危機というのは、要はユーロ圏の金融危機なわけです。そのため、ユーロ圏の金融関連株が暴落し、その影響を受けて、三菱UFJ、三井住友、みずほの3大メガバンクを始めとする日本の金融関連株が、真っ先に下落すると見ています。
続いて、いわゆる『ヨーロッパ銘柄』とも言えるような業界の株が下がるでしょう。日本郵船、商船三井、川崎汽船の3大海運業者や、H.I.S.などの観光業、それにJALとANAの航空業界などです」
■中国関連株が大ピンチ
前出の白川氏は、ギリシャ危機に付随して、もう一つのリスクを考えておかねばならないと指摘する。
「それは、新たな中国リスクです。ユーロ圏の悪影響を中国が受けて、その中国の悪影響を、日本が受けるという構図です」
世界第2位の経済大国で日本の2倍以上のGDPを誇る中国だが、その最大の貿易相手は、EUなのである。
中国関連株と言えば、東京証券取引所には、中国進出に特に熱心な50銘柄からなる「日経中国関連株50」という指数がある。前述の3大自動車メーカー、5大商社を始め、食品、繊維、化学、石油、ゴム、鉄鋼、非鉄・金属、機械、電気機器、精密機器、小売業、海運のトップ企業がズラリ、名を連ねている。
実際、2月9日と10日にトルコで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議では、「ギリシャを中国に救ってもらおう」という議論も交わされたという。ドイツ外務省幹部が明かす。
「非公式な場では、二つの奇策が出ました。一つは、ギリシャが100万人の中国人移民を、一人あたり10万ユーロ(約1360万円)で受け入れるという案です。これで1000億ユーロ(約13兆6000億円)が捻出できます。
もう一つは、ギリシャが誇る世界遺産のパルテノン神殿を中国に、同額程度で買ってもらうというもの。最近、最も目立つのが中国人観光客だからです。中国の朱光耀財政次官は、こうした意見に目を白黒させながら耳を傾けていました」
遠いヨーロッパの小国が、アベノミクスを潰す日が、果たして来るのか?
「週刊現代」2015年2月21日号より
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