http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/825.html
Tweet |
[スクランブル]逆利回り革命 高値演出
海外勢、増配余力に注目
日経平均株価が約15年ぶりの高値を付けた。企業収益の改善を見越した買いとともに、年初から着実に広がっているのが配当に着目した買いだ。株式の配当利回りが長期金利を上回る「逆利回り革命」の状態が継続し、日本株で長期に運用する海外投資家の資金も向かう。3月期企業はこれから期末配当を引き上げる企業が増える見通しで、増配余地が大きい企業を探す動きが相場を下支えしそうだ。
「今朝はグローバルマクロ系のヘッジファンドからの注文が目立った」(BNPパリバ証券の岡沢恭弥氏)。今月に入ってせきを切ったように続くメガ銀行株への買い。景気回復の恩恵を受けやすい銘柄なうえに、高い配当利回りも投資家をひき付けている。
4%高と急伸した三菱UFJフィナンシャル・グループの配当利回りは2.3%と東証1部平均(1.67%)を上回る。他の2メガ銀行は3%前後だ。「マクロ系ファンドはもう長期金利は下がらないとみて、債券から高利回り株に資金を移している」(岡沢氏)
□ □
15年前と大きく変わったのが株式と長期金利の利回り差だ。2000年5月当時、東証1部銘柄の配当利回りは0.66%と長期金利(1.6%)より1ポイントほど低かった。現在は長期金利を逆に1ポイント強上回る「逆利回り革命」の状態だ。
株は値上がり益が見込めるため、配当利回りは長期金利より低くてもいいと考えるのが「利回り革命」。逆に株はリスク資産だから、配当利回りは長期金利より高くあるべきというのが「逆利回り革命」だ。これが長期化したことが株高の底流にある。
上場企業の15年3月期の配当は2年連続で過去最高を更新する見通し。配当性向は29%と1ポイント高まる。利益の伸び以上に配当を増やしており、株高でも配当利回りが高止まりする結果になっている。
□ □
配当を増やし続ける企業には海外の有力投資家の買い増しが目立つ。15年3月期まで2年連続で増配見通しのTHKには、今年に入り英運用会社のベイリー・ギフォードがじりじりと株式の買い増しを続ける。
企業は決算発表に向けて、配当を上積みする傾向がある。昨年2月半ば時点では増配を予想していた3月期企業は4社に1社だったが、最終的には約半数の企業が増配した。足元の増配予想企業の割合は約3割にとどまる。「期末に向けて配当を増額する企業に関心を向けている」(ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦氏)
これを先回りする買いもみられる。業績好調で負債比率が低い時価総額1000億円以上の企業のうち、利益の蓄積である利益剰余金が前期の配当総額の何倍の大きさかを調べた。40倍を超える29社を抽出して平均株価を計算すると、昨年3月末比で18日までに35%上昇し、上昇率は日経平均を11ポイント上回る。
配当収入が5年間非課税になる少額投資非課税制度(NISA)の導入で、個人投資家の配当への関心も高まっている。期末に向けて配当を引き上げる企業を探す動きが活発になりそうだ。
(藤原隆人)
[日経新聞2月20日朝刊P.1]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。