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タカタは、なぜ「悪人呼ばわり」されるのか 米当局とのミゾは深まるばかり(東洋経済)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/817.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 25 日 11:27:05: igsppGRN/E9PQ
 

       米当局の罰金発表に対してタカタは不満をあらわにした


タカタは、なぜ「悪人呼ばわり」されるのか 米当局とのミゾは深まるばかり
http://toyokeizai.net/articles/-/61433
2015年02月25日 山田 雄大:東洋経済 編集局記者


タカタと米当局の関係は、もはや修復不能なほどにこじれてしまったようだ。

米運輸省・道路交通安全局(NHTSA)は2月20日、エアバッグ問題でリコールが拡大しているタカタに対して、1日1万4000ドルの罰金を課すと発表した。「調査に対するタカタの非協力的な態度は受け入れられない」「タカタのような悪人に安全文化を変えるには法改正が必要」など、NHTSAの声明文には辛辣な言葉が並ぶ。

これに対してタカタは、同日に出した声明文で「非常に驚き、失望している」とした上で、「これまで250万ページにも及ぶ書類を提出し、NHTSAとコミュニケーションをとってきた」と真っ向から反論。これまでの対応を批判されたことに、露骨に不満を示した格好だ。

■両者のミゾが鮮明化

タカタ製エアバッグが異常な破裂をする問題で、自動車メーカーは複数回のリコールを行ってきた。当初は同社製エアバッグを多く搭載するホンダ車のみだったが、2013年以降はそれが約10社の自動車メーカーに広がり、累計1000万台以上のリコールとなっている。関係性が疑われるものも含めると、これまでに6件の死亡事故も発生している。

 米国でリコール行政を司るNHTSAは昨年11月、原因がわからない新たな欠陥品に対して、米国の一部地域で行っていた調査リコール(正式なリコールとは別の調査を目的とした無償回収・交換)を、全米規模へ拡大するようタカタに要求した。だが、タカタは、「データに基づけば、(調査リコールを実施している)多湿地域での部品交換を優先することが最善だと考える」と説明。当局の要請に応じなかったことで、両者のミゾが鮮明になった。

結局、ホンダをはじめとする自動車メーカーが調査リコールの全米拡大に応じ、日本などいくつかの国でも自主的なリコールを開始した。1000万台規模の調査リコールに対し、タカタは調査と交換部品の生産に全面協力するとしてきた。ただ、米当局が罰金を科したということは、それでは対応が不十分だと言いたいのだろう。

もっとも、タカタが当局から科される1日1万4000ドルという金額自体は問題ではない。1年間それが続いても約6億円程度。すでに2014年度第3四半期までに506億円のリコール関連の特損を計上しており、数億円の追加は”誤差の範囲”だ。

しかし、米当局との関係悪化はタカタの今後に深刻な影を落としかねない。トヨタ自動車は2009年に発生した「意図せぬ急加速問題」に関して、米当局や集団訴訟などに合計24億ドルもの制裁金・和解金を支払った。当局との関係が悪化し、「タカタ=悪人」というイメージが定着するようだと、訴訟や罰金のリスクも高まるおそれがある。

■リコール特損で財務が毀損

リコール費用についてもまだ膨らむ可能性はある。昨年12月以降に各自動車メーカーが表明した全米での調査リコールや全米や世界各地への拡大分について、タカタは決算で費用計上していない。原因が究明されておらず、現状は自動車メーカーが負担している。ただ、タカタの瑕疵が明らかになれば、当然、メーカーから請求されることになる。

数年前までは好財務を誇ったタカタも、一時は2000億円近くあった株主資本が、度重なるリコール特損によって直近では1487億円まで減っている。現在の自己資本比率は3割台だが、リコール費用の拡大や訴訟関連費用のリスクを勘案すれば、財務の健全性をどこまで保てるか不透明だ。

もっとも今のところ、ビジネスにリコール問題の影響は現れていない。2014年度第3四半期の売上高は15.6%増、為替影響を除いても9.5%増と全世界の自動車販売台数の伸び率を上回っている。この背景には、自動車の安全規制が強化される中でタカタのシェア、1台当たりの単価などが上昇していることがある。

2015年3月期の通期予想でもリコール費用の影響で最終損益は310億円の赤字となる公算だが、売上高は前期比11.3%増の6200億円、営業利益は6.6%増の280億円と増収増益の見通し。これは自動車部品という事業の性質上、現行車種はもちろん、開発中の車種でもタカタ製部品を急に他社製に切り替えることは難しいからだ。

すでにエアバッグのインフレータ(ガス発生装置)では、すでにタカタを外す動きが顕在化している。ホンダは昨年12月、ダイセルやオートリブ(スウェーデン)に交換用インフレータの生産を要請。こうした受注増加もあってか、ダイセルは2月20日、米国で2拠点目となる新工場の建設を発表した、量産開始は2015年度末の見通しだ。早々の置き換えは難しくても、タカタが築き上げたインフレーターのシェアは確実に低下していくはずだ。

■取引先からも不満の声

シェアの落ち込みがエアバッグの一構成部品であるインフレーターにとどまれば、タカタが受けるダメージは限定的だ。しかし、米当局によって「安全を軽視している」というレッテルを貼られることで、エアバッグ全体やシートベルトといったビジネスへの悪影響も懸念される。

顧客である自動車メーカーからもタカタへの不満が漏れ聞かれる。大手の首脳は、「タカタの動きが遅い。(問題について)きちんと説明していない」と苦言を呈する。NHTSAの強硬姿勢には、自らへの批判をかわす防衛的な側面があることは否定できない。だが、タカタの消極姿勢が、当局のみならずさまざまな関係者を苛立たせていることも確かだ。

タカタの会社概要 は「四季報オンライン」で
http://shikiho.jp/tk/stock/info/7312
 

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