http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/752.html
Tweet |
繰り広げられる世界の「通貨安競争」 原油価格下落でデフレ寸前
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150221-00000004-zuuonline-nb
ZUU online 2015/2/21 15:29
年明けから先進主要国の中央銀行の政策が次々と政策金利の利下げによる金融緩和へとシフトし始めているが、オーストラリア準備銀行(RBA)もご他聞に漏れず2月3日にその政策金利を2.50%から2.25%に引き下げることを決定し即日実施した。2月の利下げを予想していなかった市場では、当然のことながらこれを受けて豪ドルは対米ドルで5年半ぶりの豪ドル安となった。
RBAは中央銀行としては珍しく公然と為替水準の期待値まで総裁が口にするほどというある意味ではかなり異例の発言を続けてきているが、そのスティーブンス総裁は12月時点で1米ドル=0.75豪ドル付近が望ましいと具体的な期待為替水準を市場に示唆しており、今回の安値の0.7625ドルは極めてそれに近いところまで下落したことになる。
昨年12月までおよそ半年間、RBA理事会後の声明文に入っていた「金利の安定期が望ましい」という文言から大方の市場参加者は、利下げへの道筋はまず声明の文言を変更することからスタートし、来月以降に具体的な利下げを想定していた。それだけに今回突然の利下げで豪ドルが特に急落する展開となったことは間違いない。
スイス中銀ショック以来、どこの国の中央銀行も市場との対話より自国の利益を守るため、サプライズによるインパクトを気にしないかように突如として政策転換を発表している。
シドニーの2014年における年間の一戸建て住宅は実に14.6%上昇しており、平均的な価格は80万豪ドル。政策金利の下落でさらにこの価格上昇に拍車がかかることも懸念されはじめている。
◼︎既に32カ国が利下げを表明した典型的通貨安競争の展開
欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)実施を見越して、既に32カ国が利下げに踏み切っているが1月に先行実施した主要国だけみてもカナダ・インド・ルーマニア・エジプト・ペルー・トルコ・パキスタン・デンマーク(連続3回)・ シンガポールと続いており、すでに利下げ競争の様相を呈していることが分る。
ただ、通貨は相対的な価格を形成するもので、利下げで直ちに自国通貨安に誘導できるかどうかはわからないところも大きな問題となる。つまり効果の思わしくない国はさらなる緩和へ踏み切らざるを得ない状況となり、一層競争が激化する可能性もある。
◼︎世界同時金融緩和でも株価暴騰が起こらない不思議
本来であればこれだけの世界的な金融緩和が起これば株式市場の暴騰や不動産の高騰などがもっと顕著に起こっても良さそうなものだが、ユーロ圏ではギリシャ問題で日々株と為替が乱高下する状況となっており、ウクライナ情勢も予断を許さない。さらに原油価格は一旦下げ止まったかのようにみえても大きく戻す展開にはなっていないなどのリスク要因が渦巻いていることから一気にリスクオンにはならない状況が継続している。
◼︎原油価格下落が殆どの国にディスインフレ状態をもたらす状況に
政策金利の低下以上に大きな影響を与えているのが原油価格の下落であり、ほとんどの資源輸入国では輸入物価が大幅に下落することによりデフレ寸前のところまで来ているのが現状だ。中央銀行は無闇にデフレという言葉を使わないため物価上昇率が低下するディスインフレと表現している国が多いが、せっかくの低金利政策にも係わらず主要国は殆どがデフレに直面する事態となっている。
この金融緩和競争がどのような最終局面を迎えることになるのかまだはっきりとした予想はできないが、現状でただひとつ分かっていることは、全ての国が緩和政策で勝ち組になることはないとうことだ。もちろんそうしたリスクを負う国の一つに日本も含まれている。
(ZUU online)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。