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3年で約9倍…ディーゼル車、なぜブーム?ガソリン車よりはるかに優れている点とは
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150221-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 2月21日(土)6時0分配信
かつて石原慎太郎東京都知事(当時)による、ペットボトルに入ったすすを振りかざすというパフォーマンスも大いに効果があったのか、すっかり環境に対する悪役イメージが定着。一時は日本の道路から完全に駆逐されるかの状態にあったのが、ディーゼル乗用車だ。ところが、ここにきて、その存在感が再び高まっている。
2011年のディーゼル乗用車の日本の年間新車市場は9000台弱。ところが、翌12年にはそれが一挙に約4万台へと急拡大。さらに、それから2年後の14年には約7万9000台へと、今でもその上昇カーブは止まらないのだ。
14年の軽自動車を含む乗用車販売台数が約556万台だったことからすれば、「まだ微々たるもの」という見方もできるだろう。しかし、ほんの数年前まではほぼゼロに等しかったのだから、こうした動きはもはやひとつの社会現象と表現してもオーバーではないはずだ。
そして、そんなディーゼル車ブームを盛り上げるのに、ひとり気を吐いているのがマツダだ。何しろ、昨年のディーゼル車新車販売のうち、実に過半の約4万8500台をマツダ車が占める。一方で、世界一の生産台数を誇るトヨタの国内ディーゼル車販売台数は、驚くことにゼロなのだ。
メルセデス・ベンツやBMWなども日本でディーゼル車を販売をしてはいるが、それらはいずれも趣味性の強い高額なモデルばかり。ディーゼル車を“庶民価格”で提供しているのは、事実上マツダ1社に限られる。
●ディーゼル車人気の要因
1970年代後半から90年代にかけ、日本でもディーゼル車がそれなりの人気を博した。当時の人気の要因は、オイルショックによるガソリン代高騰や、燃費に優れないRV車の台頭などであった。いずれも燃料代が安いというポイントばかりがメリットとしてクローズアップされていた。
一方、昨今のディーゼル車人気の要因は、明らかにそんな過去のものとは異なっている。確かに、税額の違いから燃料である軽油の単価そのものがガソリンよりも安く、さらに機構上効率がガソリンエンジンよりも高いため燃費もより優れるという特長は、以前から変わってはいない。
しかし、車両価格そのものはガソリン車よりも高価で、必ずしもエコノミーとは言えない。にもかかわらず昨今人気を博すことになっている大きな要因は、ずばり「ガソリン車よりも“走り”に優れているから」という点にある。
マツダが生産する自動車の中では最もコンパクトであり、それゆえ購入者の価格に対するこだわりも強いはずのデミオでさえ、過半がディーゼルモデルで売れている。価格面ではガソリンモデルより1割以上割高にもかかわらず好評な理由は、ひとたびアクセルペダルを踏み込んでみれば誰もが即座に納得できるだろう。
スタート直後の低回転域から、見えざる巨大な手によって後ろからドンと押されるような迫力の加速感は、残念ながらガソリンモデルでは得られない。そもそも低回転トルクが強いディーゼルエンジンにターボチャージャーを加え、さらに排気量もディーゼルのほうが200cc増し。ディーゼルモデルのほうが走りに優れるのは当然でもあるのだ。
昨今のマツダのディーゼル車は、デミオ以外の車種でもすべからくその動力性能がガソリンモデルの上をいく。ガソリン車よりも高価になってしまうハンディキャップを逆手に取り、ディーゼル車をかつてのような燃料代のみを訴求するものではなく、「走りに優れた、よりプレミアムな存在」としてしつらえている点が、昨今の成功の大きな要因になっているわけだ。
●欧州ではガソリン車シフト加速
こうして、ディーゼル車が日本で新しい活路を見いだす一方で、そもそも比率が高い欧州市場の中にあって7割以上がディーゼルといわれてきたフランスで、逆に最近ガソリン車シフトの動きが見られるのは興味深い。
そうした動きが顕著なのは、低コストが重要な鍵となるコンパクトモデル群。これは昨今の排ガス規制の強化とリンクした動きである。排ガス浄化のために新たな装置が必要になると、価格の上昇と燃費の低下が避けられない。ならば、こうした部分にさほどの費用が掛からないガソリンエンジンのほうが、これからの時代に分があるはずという判断が下されているようだ。
具体的には、最新のプジョー308に初搭載された、PSA(プジョーシトロエン)グループのターボ付き1.2リッター3気筒エンジンが当たる。ガソリンエンジンを自らで開発するのは久々なのに、低回転域はまるでディーゼルのようにトルクが太く、高回転域ではライバルのフォルクスワーゲン(VW)のダウンサイズされたガソリンユニットよりもはるかにパワフルであることに驚かされる。
これまでガソリン一辺倒にすぎた日本と、逆にディーゼルがメインというイメージの強かったヨーロッパのエンジンの流行が、まさに今クロスするような動きを見せている。その時々にふさわしい自動車用パワーユニットというのは、世の中の動きやエネルギー事情など、さまざまな条件によって大きく変わってしまうもの。
ガソリンエンジンにディーゼルエンジン、ハイブリッドに電気自動車……と、この先も世界各地で多彩な“心臓”が生き残っていくことは確実。いかにトヨタが燃料電池車の特許を公開しようとも、政府がいかにインフラ整備に補助金を出そうとも、ここ10年や15年で一気に水素社会がやってくることなどあり得ないのである。
(文=河村康彦/モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員)
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