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日本の格差:身分の保証された人vs貧しい人
2015年02月19日(Thu) The Economist
(英エコノミスト誌 2015年2月14日号)
問題は超金持ちではない。
仏経済学者の格差論、アマゾン売れ筋ランキングの1位に
『21世紀の資本』が世界的なベストセラーとなり、一躍有名になったフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏〔AFPBB News〕
トマ・ピケティ氏のベストセラー『21世紀の資本』には、富がいよいよ一部に集中するようになったもう1つの先進国として日本が登場する。
日本は間違いなく、この本がよく売れているもう1つの先進国だ。ピケティ氏は先日東京を訪れ、熱烈な歓迎を受けた。
だが、日本は同氏の理論が最も当てはまらない場所かもしれない。
日本の富の格差は決して大きくない
1991年の日本の資産バブル崩壊は、この国の富裕層が米国や多くの欧州諸国ほど多くの財産を築かなかった理由の1つだ。日本の富裕層上位10%が保有する富の割合は、ノルウェーやスウェーデンなど平等主義で有名な国よりも低い。実際、クレディ・スイス・リサーチ・インスティチュートが調査した46の経済国・地域の中で下から2番目の低さで、唯一ベルギーより高いだけだ。
また、一番の富裕層に流れる所得の割合は、かなり安定している。米国と比べると、経営者報酬の水準ははるかに真っ当だ。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙のためにピケティ氏の協力者たちが用意した分析によると、キャピタルゲインを除くと、日本で上位1%が手にする国民所得の割合は、2008年につけた9.5%のピークから2012年の9%に低下した。
だが、別のタイプの不平等が拡大している。最も重要なのは、『21世紀の資本』が言うような超金持ちとその他の格差ではなく、終身契約の特権階級の労働者と、労働人口に占める割合が高まっている、より不安定な雇用の労働者の格差だ。終身雇用の従業員の平均年収は500万円前後で、それほど身分が保証されていない労働者のそれは200万円だ。
多くの人は、日本に本当に必要なのは、今よりずっと大きな不平等、ただし別の種類の不平等だと主張する。日本の雇用制度はまだ、成果よりも年次と地位に対して報酬を払う。これは日本人が「悪平等」と呼ぶものだ。
もし働く人が達成した成果に対して報酬を支払われたら、経済はより速く成長するとモルガン・スタンレーのロバート・フェルドマン氏は主張する。
また、慢性的に低い日本の事業創造の水準は、胸が躍るような新製品や新サービスを作ることで大富豪になる起業家によって生み出される類の富の格差が心配になるほど小さいことを意味している。
そうした事情にもかかわらず、『21世紀の資本』はこれまでに日本で13万部以上売れた。700ページのこの大冊を万人向けに解説した書籍もよく売れている。ピケティ氏のタイミングも理想的だった。というのも、安倍晋三首相の経済再生計画「アベノミクス」に対する疑念の高まりにうまく乗ったからだ。
ピケティ氏は日本を訪問中に、安倍氏の計画は資産価格を押し上げることで持てる者と持たざる者の差を広げる可能性があると警告した。だが、皮肉なことに、安倍氏が目下抱いている主な経済的関心事は、大企業をせっついて労働者の賃金を引き上げさせることなのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42953
ジンバブエ経済:価値のないお金
2015年02月20日(Fri) The Economist
(英エコノミスト誌 2015年2月14日号)
新しい硬貨の導入が、どの通貨を使うべきかという議論を呼んでいる。
超インフレのジンバブエ、公務員給与を「米ドル」で支給
2008年当時、猛烈なハイパーインフレが進み、パンを1つ買うために何十枚ものジンバブエドル札が必要だった〔AFPBB News〕
2008〜09年にインフレ率が800億%に向けて高進した時、ジンバブエはジンバブエドルを捨てて米ドルを使うようになった。
以来、米国の硬貨を入手できない店主は、お釣りの代わりにペンや菓子、チューインガムを客に渡さなければならなかった。
だが、1カ月余り前、中央銀行がジンバブエ国内だけで使われる米セント建ての「ボンドコイン*1」を発行し始めた。これが、ジンバブエには再び独自の通貨が必要なのかどうかという議論に火をつけた。
米ドルの採用で経済が落ち着いたが・・・
米ドルに切り替える利点は多かった。一夜にして、気まぐれな政府関係者に金銭的な規律が課された。インフレはぴたりと止まり、成長を押し上げ、マクロ経済の安定に対する幅広い期待が生まれた。ひとたび正常な商取引が再開すると、輸入業者は取引コストの減少にあずかり、外国人投資家は為替レートのボラティリティーについて心配する必要がなくなった。
ところが今、主に失政のせいで経済が再び悪化しており、今回は現地通貨が存在しないことが経済の病を悪化させている。
信用できない統計のために、状況がどれほど悪いのか評価するのは難しい。政府関係者は今年の成長率が6%から下方修正されて、3%になると話している。野党議員のエディー・クロス氏は、昨年の国内総生産(GDP)が「少なくとも10%、もしかしたら14%減少し、2008年の崩壊時と同じ減少率になった」と主張している。
断片的な情報は、暗い先行きを示している。ある投資家は、ビールの販売が急減していると言う。首都ハラレの繁華街の商店主らは、不満だらけだ。「腐敗した役人が、我々が税金として払うお金を奪っていく」と、ある携帯電話業者は語る。
年間5億ドルに上る在外ジンバブエ人からの送金と、政府の赤字と外国からの援助の拡大によって、メルトダウンが阻止されている。米国政府はジンバブエの特定の政府関係者および企業との商取引を全面的に禁止しているが、この国の医療費の4分の1を支払っている。
*1=債券に裏付けられている硬貨。1セント、5セント、10セント、25セント硬貨があり、それぞれ米国通貨の価値と連動している
ジンバブエ国民は自国政府からは、ごくわずかなものしか受け取っていない。医師、教師、警察官は頻繁に、未払い賃金を巡ってストを行っている。
鉱業が数年にわたって経済に拍車をかけてきたが、もうそうではない。外国人が所有する資産が部分的に接収された政府の現地化政策で、投資家は逃げていった。タイミングは悲惨だった。コモディティー(商品)価格は下落しており、地表に近い宝石と鉱物の鉱脈はほぼ掘り尽くされてしまった。坑道とドリルに多額の資金を使える洗練された外国企業だけが、地下深くに眠る資源にたどり着ける。
ギリシャがうらやましい?
一方、ジンバブエは米ドルとともに米国の金融政策も採用した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げの話題は、ジンバブエ経済が必要としている政策とは反対だ。あるジンバブエのエコノミストは、「ドイツとの通貨同盟に、少なくとも最低限の協調と共感がある」ギリシャ人がうらやましいと語る。
では、通貨のドル化は覆されることがあるのか? 地元の人も外国人もよくそう問うが、その可能性は低そうだ。ジンバブエ人は、ジンバブエドルがあった頃の生活の惨めさを忘れていない。当時は店が空っぽで、ガソリンには配給制度が敷かれていた。
当局者が将来、以前よりうまく通貨を管理すると考える理由はほとんどない。国民の信頼がなければ、どんな政府も紙に価値を持たせることはできない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42968
ギリシャもジンバブエ化する可能性はあるし
日本も将来は、どうなるかはわからない
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/156.html
ギリシャ離脱が招く市場混乱、ECB「防壁」も無効か ギリシャのユーロ圏離脱、2012年時点と比べると影響は限定的
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