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軽自動車、乱売戦争泥沼化で「自社登録」の水増し横行 新車販売や中古市場に打撃の懸念(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/716.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 20 日 08:36:05: igsppGRN/E9PQ
 

軽自動車、乱売戦争泥沼化で「自社登録」の水増し横行 新車販売や中古市場に打撃の懸念
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150220-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 2月20日(金)6時1分配信


 スズキとダイハツ工業による軽自動車シェア争いが激化している中で、収益の悪化が鮮明になっている。泥沼の戦いは今後も続くのか。

 スズキの2014年4-12月期(第3四半期累計)の国内販売台数は、軽自動車「ハスラー」などの販売が好調だったことから前年同期比11.7%増の56万7000台と高い伸び率となった。しかし、日本を経由した第3国取引を除いた日本セグメントの売上高は前年同期比326億円の減収となり、営業利益も減益となった。

 国内自動車メーカーの多くが過去最高益となる中で、ダイハツ工業の同期累計営業利益は、同46.8%減の510億円と大幅減益となった。国内の営業利益が前年同期と比べて308億円の減益となったのが響いた。

 スズキ、ダイハツの業績が悪化しているのは、軽自動車市場のシェア争いによって「無理な販売を繰り返している」ことが背景にある。そもそも14年の新車市場は、1〜3月にかけて消費増税前に駆け込み需要が発生、4月以降、反動で低迷すると見られていた。しかし、スズキは「ハスラー」の販売が好調で、4月以降も大量の受注残を抱えたことから販売も順調に推移、軽自動車シェアトップに躍り出た。

 このスズキとダイハツのシェア争いの歴史は長い。スズキは1973年から06年までの34年間、軽自動車シェアトップの座を守ってきた。しかし、トヨタ自動車の全面的なバックアップを受け販売攻勢を掛けてきたダイハツが、07年にシェアトップを奪取。それから7年間、スズキは2位の座に甘んじてきた。それが昨年4月以降、スズキがトップとなり、単月ベースでは最終的に11月までの8カ月連続、その地位を守った。

 トップの座を奪われたダイハツは、ただ静観していたわけではない。軽自動車としては異例となる1年間に6車種の新型車を投入、販売巻き返しを狙った。それでも結果的には14年暦年の軽自動車市場は、スズキが8年ぶりにシェアトップの座を奪還した。14年のスズキとダイハツの販売台数の差は約2800台の僅差であり、競争の激しさを物語っている。

●「自社登録」で「不健全な状態」

 そしてこの販売競争の激化によって、軽自動車市場は「不健全な状態」(日産自動車幹部)に陥っている。というのも軽自動車は「実弾さえあればシェアをとるのは難しくない」(軽自動車販売店関係者)との負の側面があるからだ。それは軽自動車が「自社登録」と呼ばれる販売台数稼ぎをやりやすい制度になっているためだ。

 自動車は、完成車メーカーが生産し、これを系列販売会社に卸して販売会社が消費者に販売する。完成車メーカーは販売台数を増やすため、一定以上の台数を販売した販売会社に販売奨励金(インセンティブ)を支給する。自動車販売会社は、インセンティブ目当てに販売台数を稼ぐため、販売店名義で新車を登録するケースがあり、これが自社登録と呼ばれているものだ。

 自社登録には、インセンティブ目当て以外にも、自動車メーカーから販売会社の幹部に出向した社員などが、自動車メーカーに睨まれないため自ら手を染めるケースもあれば、一定のシェアを確保したい自動車メーカーの指導で実施するケースなど、理由はさまざまだ。

 自社登録する場合でも、通常の業務手続きが必要となる。しかし、軽自動車の場合、車庫証明が不要など手続きが簡素なため、自社登録しやすい。車庫証明は申請から数日かかるが、軽自動車は書類さえ揃っていれば当日にナンバーを取得できるためだ。このため、スズキとダイハツは毎月下旬になると、シェアと相手の出方を睨みながら自社登録の手法を用いて販売台数を稼いでいるといわれている。

 14年の販売台数が固まる「昨年12月は、(自社登録が)かなりひどかった」と業界関係者は語る。同月のスズキの販売台数は前年同月比51.8%増の7万1830台、ダイハツが同39.6%増の7万4304台となった。両社の対決のあおりを食うように、スズキとダイハツを除く軽自動車ブランド各社の販売台数は前年を下回り、スズキとダイハツの2社だけで市場シェアの73.1%を占めたほどだ。

●無理な販売による反動

 自社登録を多用した無理な販売競争には、当然ながら負の側面がある。登録手続きやインセンティブなど、多額なコストが必要となる点だ。スズキとダイハツの日本事業の収益が悪化しているのは、無理な値引きによる乱売競争となっているのに加え、自社登録によるコスト負担の増加も原因と見られている。

 さらに、自社登録した車両の処理が今後、両社の首を絞めることになると危惧する声もある。自社登録した軽自動車は、「未使用車」として中古車販売店などに卸される。しかし、市場には軽自動車の「未使用車」があふれており、買い手がつかない状態だ。自動車メーカーの系列販売会社は、自社登録車を処理するため、中古車オークションなどを利用するが、全国の中古車オークション会場には、軽自動車の未使用車の出品が大量に出回り、価格も下がっている。そして中古車相場の下落は、新車需要の喪失や下取り価格下落によって新車が売りにくくなるという、自らに跳ね返ってくる可能性がある。

 実際、昨年12月までの無理な販売による反動を示すように、今年1月の軽自動車販売でスズキは前年同月比27.6%減、ダイハツが同17.4%減と大幅マイナスに陥っている。

 両社による販売競争が今後さらに過熱するのか、それとも沈静化に向かうのか、市場の乱れを懸念する業界各社が今後の先行きを注視している。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)


 

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コメント
 
01. 2015年2月20日 23:15:24 : fSXHlBHg1k
かつて1970年代後半に、50ccバイクのH&Y戦争と言うのがあった。ホンダとヤマハの熾烈を極めるバイク販売戦争で、価格が自転車並みに暴落した。このままでは共倒れになってしまうと、当時のスズキ社長の鈴木修氏が沈静化に尽力されたそうだ。ホンダとヤマハの両社首脳は、非公式に会って会談。「もうやめよう。」で一致した。それ以降、ホンダは乗用車に力を注ぎ、高級車レジェンドを開発する。

今度の軽自動車販売戦争の当事者は、スズキとダイハツだ。まるで当時のH&Y戦争の再現だが、この戦争で軽自動車の乱売が行なわれ、今や軽自動車のシェアは4割に達している。これに喰われているのがリッターカークラスで、日産マイクラ(マーチ)、三菱ミラージュと言った、世界的な人気車種が日本国内では売れていない状態になっている。

軽自動車は事実上、日本国内専用車種みたいなものだから、市場が限られているし、利益率も低い。利益が低いということは、次期車種の開発費用も限られるということだ。この利益を削るほど乱売が行なわれているというのは異常である。業界共倒れと言う事態もありうる。

聞くところによると日本の軽自動車には、今や自動ブレーキが続々採用されているそうじゃないか。そんなことより、後方からの衝突に強いボディを採用すべきじゃないのか。この後方衝突に耐えられるのは、三菱アイ・ミーブだけである。同車種のCピラーの太さは絶賛に値する。話はそれてしまったが、自動ブレーキはコストがかかるから、軽自動車事業はますます利益を圧迫される。

日本国内で軽自動車のシェアが高まると、今後は軽自動車に対する課税が強化されるだろう。本来なら他の車種にかけられている各種税金を引き下げるべきなのだが、田中角栄以来の自動車・重税政策は継続されている。唯一の抜け道が軽自動車だったが、これを自民党が見逃すわけがないのだ。軽自動車制度は、このまま行くと、いずれ「軽自動車制度の見直し」の名のもとに、事実上の骨抜きをされてしまうかも知れない。

スズキとダイハツの乱売戦争だが、これを止める者がいないのはなぜか。これは当方の推測だが、経済産業省が自動車業界の再編を狙っていて、共倒れになるのを待っているのかも知れない。通産省時代、ホンダの軽自動車参入阻止に失敗した実例がある。(本田宗一郎氏が、通産省に本当に怒鳴り込んだとか。)


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