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ディズニーR、金儲け主義露呈?客の満足度無視の値上げ?10.1時間滞在しないと…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150219-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 2月19日(木)6時1分配信
1月29日、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは4月1日から、東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーの料金を改定すると発表した。
1日券である1デーパスポートは大人6400円から6900円に500円の値上げだ。2デーパスポートは大人1万1000円から1万2400円に、アフター6パスポートは3900円から4200円に値上げされる。年間パスポートは大人5万3000円から5万9000円となる(いずれも税込み)。このほかシニアパスポート、スターライトパスポートなど全券種が値上げとなる。シニアパスポートの適用対象は60歳以上から65歳以上に引き上げる。駐車場料金も土日祝は1000円値上げする。
駐車場料金の改定、チケット全券種に関する料金改定は、消費税改定時を除けば2011年4月以来4年ぶりだ。
入場料値上げで得た利益を新しいアトラクションの建設、新しいショーの開発、と積極的な設備投資を行うことで新たな顧客を開拓する方針だが、14年4月の消費増税に合わせて、1デーパスポートは200円値上げしたばかりだ。
くしくも、大阪のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイも、1日券の1デイ・スタジオ・パスを1月30日から220円値上げし7200円(12歳以上65歳未満の税込み料金)にするなど、3券種の価格を改定した。
●滞在時間と料金の相関関係
こうした値上げに対して、インターネットを中心に疑問の声が出ているが、テーマパーク研究の第一人者である桜美林大学ビジネスマネジメント学群専任教授の山口有次氏も次のように指摘する。
「オリエンタルランドは『目指すべきはキャパシティ(適度な収容能力)の最大化で、値上げありきではない』というのが基本戦略で、毎年のように値上げをするユー・エス・ジェイとは性格を異にしています。アトラクションや雰囲気が適度なにぎわい(キャパシティの最大化)を生み、長時間いてもテーマパーク内の居心地がいいのです。すると、『滞在時間が長くなればなるほど、商品や飲食物の購買率が上がる』。こうして、売り上げが増えるという戦略が優先されていました。この滞在時間に見合うかたちで、1デーパスポートの料金は設定されていたはずです。ところが、14年4月に1デーパスポートは6400円になったばかりで、滞在時間や売り上げとのバランスがやや崩れているように思えてなりません」
3月にも増補改訂版が発売される予定の山口氏の著書『ディズニーランドの空間科学』(学文社)には、興味深いデータ分析がある。1つは「東京ディズニーランドの平均滞在時間とパスポート料金」の相関分析(回帰分析)であり、もう1つは、「東京ディズニーランドのアトラクション数と平均滞在時間」の相関分析(回帰分析)だ。
「平均滞在時間とパスポート料金」からは、パスポート料金が高くなればなるほど、平均滞在時間も増えているという関係が見えてくるのだ。
「掲載されているのは08年度のデータですが、最新の13年度データまで入れても、相関係数0.939の強い相関関係が認められます。それぞれの時点におけるパスポート料金はゲスト(顧客)がパーク内で楽しんでいる時間と概ねバランスが取れている関係なのです。最新(13年度)の数字を見ると、パスポート料金が6200円の際には、8.9時間の平均滞在時間でした。この関係に単純に当てはめると、6400円では9.5時間の平均滞在時間となり、6900円では10.1時間の平均滞在時間にならないといけないことになります」(同)
つまり、過去のデータから計算すると、東京ディズニーリゾートのゲストは、パスポート料金が6900円に上がった場合、10.1時間を過ごせば満足できるといえる。
●アトラクション数と滞在時間の相関関係
平均滞在時間を延ばすために必要なのは、アトラクションや雰囲気の適度なにぎわい(キャパシティの最大化)だ。魅力的なアトラクションがあれば、時間が過ぎるのも忘れてしまうということを意味する。
そこで分析されたのが「東京ディズニーランドのアトラクション数と平均滞在時間」の相関関係だが、こちらも非常に強い相関関係を示している。アトラクション数が増えれば増えるほど平均滞在時間が延びていくという。
つまり、アトラクションを増やすなどのキャパシティの最大化を追求すると、平均滞在時間が延びて、パスポート料金の値上げも可能になり物販の売り上げも伸びる、というのがこれまでのオリエンタルランドの売り上げ方程式だったわけだ。ところが今回は、「パスポート料金の値上げ→売り上げの最大化」だけが最優先に考えられて、「キャパシティの最大化」が置き去りにされているのではないかという懸念があるのだ。
ここ数年、アトラクションの新設などはなく、プロジェクションマッピングによるナイトエンターテイメント「ワンス・アポン・ア・タイム」(14年5月)が導入され、ディズニー映画『アナと雪の女王』をテーマにした新スペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」がこの1〜2月の閑散期の目玉イベントになっている程度である。7月には『リロ&スティッチ』の新アトラクション「スティッチ・エンカウンター」がオープンするが、新料金の6900円で算出された10.1時間という時間を過ごすほどの魅力拡大となるのだろうか。
そこで山口氏はキャパシティを最大化でき、平均滞在時間を無理なく増大させることができる「パークホッパー」の導入を提案する。パークホッパーとは、すでに米国のディズニー・テーマパークで採用されている取り組みで、1デーパスポートのほかに割増料金(米国では40ドル〜)を払うことで、1日でディズニーランドとディズニーシーの両方に入場できるというものだ。
「1日に2つのパークに何度でも入場可能になるもので、日中と夜で別々のパークを楽しむことができるなどゲストの楽しみ方の自由度が高まります。パスポート料金も比較的高く設定できますし、ゲストの滞在時間も飛躍的に伸びることが予想されます。特に遠方からのゲストにとっては、とても便利なうれしいサービスになるはずです。閑散期に枚数限定で販売すれば、問題もないのではないでしょうか」(同)
現在、オリエンタルランドが行っている同種のサービスは「マルチデーパスポート・スペシャル」(2デーパスポート・スペシャル 1万2800円〜)なのだが、「ディズニーホテル宿泊者限定」と、極めて限られたものだ。しかし、すでにこうしたサービスが一部であるのだから、適用を拡大するのも無理な話ではあるまい。いずれは両パークに行くことのできる1デーパスポート1万円の時代が到来するのかもしれない。
松井克明/CFP
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