★阿修羅♪ > 経世済民93 > 682.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
難しい“優秀な人材獲得”問題 リーズナブルに解雇できる仕組み必要 新卒一括採用は愚行(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/682.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 19 日 08:41:05: igsppGRN/E9PQ
 

難しい“優秀な人材獲得”問題 リーズナブルに解雇できる仕組み必要 新卒一括採用は愚行
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150219-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 2月19日(木)6時1分配信


 経済界の単なる申し合わせにすぎないが、2016年度の大学卒業予定者から採用活動の時期が繰り下げになり、採用広報活動は15年3月から、選考時期(=正式な「内定」を出していい時期)が同年8月からとなる。とはいえ、現在すでに大学3年生に対する企業側からのアプローチは行われており、この申し合わせは有名無実化しているだけでなく、むしろ採用活動の透明性を低下させる方向に働く可能性がある。経済合理的のないことを無理やりルール化したことの典型的な失敗例になりそうだ。

 少し遡るが、14年4月7日付日本経済新聞に『「新卒一括」採用は本当に効率的か』と題する社説が掲載されたことがある。媒体の性質上、主に企業側にとっての損得を論じているが、採用時期の繰り下がりで採用活動が一時に集中し、企業の競合が強まることを通じて企業が十分納得のいく選考活動ができなくなることを懸念しており、採用を新卒の一時期に集中させすぎていることの弊害を論じている。

「経済が右肩上がりで伸び、毎年、大量採用していた時期は一括採用方式が効率的だったが、『厳選採用』時代の今はその利点が薄れている」
「卒業論文、卒業研究で忙しく就職活動を始めるのが遅れた学生や、卒業後に留学した人を対象にした採用にも積極的に取り組むべきだ」(ともに同社説より)

 だが、率直に現実を見るのであれば、企業側としてより切実に追求すべきは、「遅れて来た就活生」への門戸拡張よりも、これまでよりも早い時期の優秀者確保だろうし、中途採用の充実ではないだろうか。

●いち早く優秀な候補者を確保する方策

 大学人にとっては残念なことだが、企業が欲しいのは優秀な素材であって、大学で身につけた知識ではない。筆者は大学生や若い社会人と接する機会が割合多いが、企業から見て「優秀な人」は、大学に入った段階ですでに優秀であり、人材の優劣の差は就職後の訓練で埋まるレベルをはるかに超えていることが多い。

 ここでいう「優秀」とは、それが学力である場合もあろうが、対人コミュニケーション能力だったり、体力だったり、商才だったりと多様だ。いずれの能力に関しても、個人差はあり、最優秀な人材の価値は非常に高い。企業が真に有能な人材を獲得しようとするなら、大学3年時、あるいはそれよりも前の大学1、2年時にも学生にアプローチして、確保を試みるべきだろう。契約に工夫が必要だが、例えば大学の学費と海外留学の費用を企業側が負担する一方で、卒業後に一定期間、一定条件でその企業に勤めるといった約束を学生と交わすことができれば、いち早く優秀な候補者を確保できる。

 もちろん、企業側は解約に対して経済的に適正なペナルティーを設定し、学生側はこれを払えば後から進路を変えることができるような契約がフェアだ。学生に「出資」して、その学生が主導し、企業が一定の株式を持つスタート・アップ(最近は「ベンチャー」とは呼ばないらしい)を立ち上げるような試みもあっていいだろう。

 企業が有能な人材を確保する時期は、その人物がどこかに就職してからでもいい。ただし、この場合、企業は若い社員であっても、優秀な人材に対してとびきり魅力的な経済的条件を提示することが必要になるだろう。

●新卒一括採用と日本企業の人事制度

 新卒一括採用は、年齢と年次に強くこだわる日本企業の人事制度と結びついている。しかし、年齢や経験年数で昇進や報酬を決めるという制度自体が、「人」に対してあまりに大雑把で人材を有効活用していないし、被用者側での納得性が乏しい。それこそ、前出の日経新聞がいうように今が「厳選採用」の時代なら、既存の社員に対する評価と報酬の設定も、もっと個別化して丁寧に行うべきだろう。

 新卒採用も中途採用も、採用活動を活発に行うには、すでに採用した人材をリーズナブルなコストで解雇できる仕組みが必要だ。解雇に関する規制緩和が進むと、それに対応して採用に関する柔軟性がより拡大するだろう。採用時期が画一的で失敗の許されない「厳選採用」を行うなら、採用は大学名などの外形的データに大きく左右される形式的なものになり、採用担当者にとってより無難なものになるだろうし、採用数に関しても抑制的にならざるを得ない。

 また、中途採用あるいは解雇の流動性を高めるためには、解雇に関する金銭補償ルールの確立のような措置だけでなく、例えば退職金や企業年金における長期勤続の優遇措置のような人材流動性を低下させる措置を抑制する必要がある。そのためには、退職金に関する税制優遇を縮小又は廃止すべきだし、企業年金における制度設計のルールの変更が必要だろう。

 新卒一括採用を変更するとなると、会社内外の制度や人事マネジメントの方法まで変化が必要になるが、それは優秀な人材を確保し、さらに人材を有効に活用しようとする企業にとって好ましい変化だろう。

 もっとも、ここで述べたような変化には、国の制度が変わらなければ十分に対応しきれない面もあるが、問題意識を持てば個々の企業単位でさっさと変えられるものが多い。率直にいって、日本企業は人材のリクルーティングにもっと力を入れるべきだ。人材採用は、人事部に任せきりでいいレベルの仕事ではない。

●就職活動の多様化・柔軟化によるメリット

 なお、現在の日本の就職事情に関しては、評論家でコラムニストの常見陽平氏の近著『「就活」と日本社会』(NHKブックス)に詳しい。常見氏が指摘するように、日本企業がすべて新卒一括採用だけを行っているわけではなく、既卒者にも門戸を開く会社もあり、採用形態は多様化している。日本企業の採用は、決して「新卒一括採用」の一言で決めつけられるものではない。

 とはいえ、学生の側には、「新卒での就職が標準であり、ここから逸脱すると不利なのだ」という刷り込みが少なからずあり、これは優秀な若者が起業を試みる際の心理的なものも含めて「機会コスト」を高めている。新卒でなくてもいい企業に就職できるし、人事上の扱いが不利にならないということなら、若者は起業にも学術研究にも、もっと大胆にチャレンジできる。
 
 社会全体から見ても、就職活動の多様化・柔軟化はメリットが大きい。
(文=山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表)

山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年2月19日 10:45:12 : b5JdkWvGxs
この優秀な人材の定義だとアインシュタインは優秀でなくなるんだよな

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民93掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民93掲示板  
次へ