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農業ブームは幻想?撤退企業数は過去最高 黒字はごく一部、地域との関係失敗も
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150219-00010006-bjournal-bus_all
Business Journal 2月19日(木)6時1分配信
近年、農業への関心が高まっている。2005年に7904社だった農業生産法人数は、13年には1万3561社にまで増加しており、その事業形態も多様化している。例えば、大手コンビニエンスストアチェーンのローソンは、全国の農地で収穫した野菜で商品開発・流通を行っており、塚田農場などの飲食店を展開するエー・ピーカンパニーは、宮崎県日南市で農業法人APファームを設立し、自社農場にこだわったメニュー開発をコンセプトとしている。ほかにもパナソニック、シャープといった電機メーカーの参入も相次いでいる。また、個人レベルでも、国からの補助金など支援制度の充実を受けて、地方へ移住して農業を始める動きに注目が集まっている。
●分かれる各都道府県の優劣
1月18日、東京ビッグサイトにて「JOIN移住・交流&地域おこしフェア」が開催された。当イベントは農業で仕事をするための移住・地域おこしのために協力を考えている参加者と、その受け入れ先として各地方自治体をマッチングさせることを目的としている。会場内には数千人を超える参加者が顔を見せ、テレビ局など10社を超えるメディア関係者も集まっており、農業への関心の高まりを感じさせた。
東京都、神奈川県、大阪府といった大都市を除いて、ほぼ全道府県の自治体が出展しており、長野県、新潟県、福井県、兵庫県などはそれぞれ3〜5程度のブースを展開させていた。来場者に話を聞くと、「漠然と農業に興味があるという程度で参加しましたが、具体的な施策、条件が聞けて自分にもできそうだと感じました」(20代女性)など、好意的な意見が目立った。
秋田県は、体験型の研修も企画しており「参加するだけで5万円プレゼント」という触れ込みで来場者に声をかけていた。地域活性化運動は、全国規模で行われていることもあり、獲得競争も過熱していた。長野県など、PRに長けた県の盛況ぶりは特徴的だった一方、茨城県など人だかりが少ない県も散見された。過疎化が進む地方では、差別化できるポイントを積極的にアピールしなければ移住者を獲得できないことは必至で、今後は各自治体間でさらなる競争が生まれそうだ。
●参入だけでなく、撤退も多い農業ビジネス
法人に目を向けると、農業への参入数も多いが、撤退していく企業の数も過去最高水準になっている。数多くの地域活性化のプロジェクトを成立させてきた農業コンサルタントは、いかに2次、3次事業へと展開していけるかが鍵と話す。
「法人数が増加している背景には、農業生産法人のハードルが若干下げられたことに加え、地域と連携して農業に従事する人を役員として迎え入れ、別法人を立ち上げるなど、ビジネスモデルが多様化していることが挙げられます。メインとなる事業に加えて、別法人名で農業ビジネスを行っている企業が増えていますが、農業だけで利益を出せているのはごく一部です。参入数が増加している一方で、撤退している数も増えています。利益を出せる条件としては、まず地域住民に理解を得て、信頼関係を結ぶことです。地域住民との関係性で失敗するケースも少なくありません。そして、スーパーや道の駅といった流通販路をしっかりと持っていることが重要です。加えて観光も視野に入れて、淡路島のたまねぎ、京都のなすといった地場産商品の農業体験が可能な旅行ツアーを組むなど、生産・流通以外への展開をしている企業が成功しています」
大手農機メーカーで長年地域農業を支えてきた社員は、法人数の増加も考慮する必要があるが、まだまだ個人農家の存在が大きいと話す。
「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の問題なども含め、農業が変革期を迎えていることは紛れもない事実です。業界内の状況は、売り上げの昨年対比で微減といった企業が多く、これは消費増税の影響が大きかったと分析しています。現場から上がってくる意見では、やはり若年層の農業への関心は確実に高まっていますし、これは各行政機関やメディア戦略の恩恵といえるでしょう。日本の農業を世界に輸出するといった企業も増えてきていますが、単体ではまだまだハードルが高いのが現状です。ただ、複数社が協力して日本ブランドのコメを中国に輸出するといった動きも出てきており、ビジネスモデルは徐々に変化していくでしょう。とはいっても、長年積み上げてきた日本の農業スタイルは急には変わりませんし、今後の変化のためには個人農家の存在が鍵を握るでしょう」
現在の注目の高さを一過性のものにしてしまわないためにも、農業に関わる法人、行政、メディア関係者の連携以外に、個人農家に対しての配慮を深める必要がありそうだ。
栗田シメイ/ライター
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