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日銀の金融政策決定会合について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52685478.html
2015年02月18日 在野のアナリスト
東北電力の東通原発で、敷地内に活断層があるとの報告が、原規委でもほぼ妥当とされました。それでも再稼動の審査をするというのですから、恐ろしい話です。東北では震災の余震とみられる地震もありましたが、日本では原発が稼動している間、何ごともなく平穏にすぎて欲しい、と願いながらでないと、原発を動かしてはいけないのかもしれません。
日銀が金融政策決定会合を開き、政策の現状維持を決定しました。黒田総裁は会見で、輸出と生産に「持ち直し」とし、消費については「駆け込み需要の反動の影響」という文言をやめ、「底堅く推移しているが、一部で改善に鈍さ」という表現に改めました。まず輸出についてですが、12、1月と米個人消費が弱含んでいます。どうも、米国では冬を前にして買い溜めが起きているのではないか? との観測があります。今年も米北東部には寒波が襲っていますが、氷点下に達するほど厳しいものです。冬の前の買い溜め、これが9-11月の消費を大きく押し上げ、それが日本の輸出にも寄与した可能性があります。年明けかが米製造業のマクロ指標が弱含んでいるように、消費の先食いによる反動減の影響が残っているなら、決して輸出が堅調に推移する、ということもないのでしょう。そうなると、日本の生産も今後落ちていくとみられます。
しかし毎月勤労統計(確報)をみると、昨年の賃金は前年比0.8%増、実質では2.5%減です。しかも製造業の雇用は0.3%減。これでは消費が伸びるどころではありません。生産も増えているなら、製造業の雇用も増えているはずです。その辺りは家計調査でもはっきりと現れていて、総世帯の消費支出は前年比、実質で3.2%減です。2014年を通じてみると1-3月期1.5%増、4-6月期5.7%減、7-9月期5.3%減、10-12月期3.3%減なので、改善してきているとはいえますが、反動の影響が消えたわけではない、と示しています。日銀の判断を変える材料になる、とは言い難いものです。
中国は春節に入り、日本にも旅行客が殺到していますが、日本の消費はほぼ外国人旅行客によって改善している、といえるほどです。日本は安倍政権になって、とても恥ずかしい国になってしまった、と言えるのでしょう。国民が高くて買わないものを、外国人が買い漁るのですから。それも円の価値が下がった結果、日本が安売りしている、とみられているためです。
黒田総裁は円安で輸出が増える、としますが、それに反して企業は海外M&Aに躍起です。製造業は雇用が減り、総労働時間も減っている。これで輸出が増えるなら、かなりの効率化を達成しないとムリ。黒田氏の判断は、どうにも承服できません。もっとも訝しいのは、追加緩和について「マイナスの効果はない」とする点です。為替にも、債券市場にも悪影響が出ている。これは間違いありません。自身のイイワケに終始した、そうとしか思えない会見だったといえます。
昨年の消費支出で、もっとも大きく減ったのが教育です。元々金額は大きくありませんが、実質で前年比8%も減っています。子供にしわ寄せ、という悪いパターンであり、教育格差はますます広がる方向なのでしょう。黒田日銀が、遮二無二インフレを目指す結果、実質の数字は減少がほとんどですが、問題は名目の数字でも、減少がめだってきたことです。家計がますます苦しくなり、日本は経済的にも、どこに活断層がうまっているか分からない。いつ激震が襲ってもおかしくない、そんな状況なのでしょうね。
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