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日本国「債務超過」490兆円、資産の多くは売却困難 税還付のコストは20兆円!
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/637.html
投稿者 蟲 日時 2015 年 2 月 17 日 09:25:27: VXoEun45fU5tI
 


日本国「債務超過」490兆円、資産の多くは売却困難

2015年2月17日(火)  上野 泰也

 財務省は1月30日、平成25年度(2013年度)の「国の財務書類」を公表した。この統計は、「国全体の資産や負債などのストックの状況、費用や財源などのフローの状況といった財務状況を一覧で分かりやすく開示する観点から企業会計の考え方及び手法(発生主義、複式簿記)を参考として、平成15年度(2003年度)決算分から作成・公表されているものである。

 国の財政は一般会計と特別会計から成り立っており、全体像を把握するのが難しい面がある。「国の財務書類」は、そうした問題点を少しでも解消しようとする試みであり、財政に関する統計の1つとして徐々に定着しつつある。

 2013年度末の国の「資産合計」は652.7兆円(前年度末比+12.5兆円)、「負債合計」は1143.1兆円(同+25.9兆円)。この結果、「資産・負債差額」(要するに債務超過の金額)は490.4兆円になった<図>。前年度末からは13.4兆円ものマイナス幅拡大で、過去最大を7年連続で更新した。公表が開始された03年度と比べると倍増している。500兆円突破は時間の問題だろう。

■図:国の財務書類 資産・負債差額(債務超過額)

注:各年度の公表額をそのまま表示
(出所)財務省
 そして、日本の名目GDP(国内総生産)は12年度が474兆4749億円、2013年度が483兆1103億円である。国の債務超過額は2年連続で名目GDPを超えており、2013年度はギャップが拡大したということである。

公共用財産の売却は本当に可能か

 2013年度末の国の貸借対照表で資産の部を見ると、金額が大きいのは「有形固定資産」177.7兆円、「貸付金」137.9兆円、「有価証券」129.3兆円、「運用寄託金」104.8兆円など。

 負債の部を見ると、金額が最も大きいのは(当然のことながら)「公債」855.8兆円。ほかに目立つのは「公的年金預り金」112.2兆円、「政府短期証券」101.6兆円である。

 日本の財政状況について楽観的な見方をとる論者からは、国には資産が数多くあるのだからそれらを売却すればよいという声がしばしば聞かれる。だが、そうした主張は国の財政の現実の姿にマッチしていない。

 「有形固定資産」は、河川や道路といった国が管理している公共用財産、使用中の国の庁舎が中心である。こうした一般的な売買市場がない資産についても、「過去の用地費や事業費を累計することにより取得原価を推計した価額から減価償却相当額を控除する方法などで算出」して貸借対照表に計上しており、「現金による回収可能額を表すものではない」という。

 むろん、何らかの事情で河川の敷地のうち付加価値が高い部分を売却したり、国道を民間に払い下げたり、国の庁舎を民間企業に売却した上で賃借して使用し続けたり、といった特殊なケースが想定できないわけではない。だが、そうしたケースを一般化して大規模な公共用財産の売却が可能だと考えることには、明らかに無理がある。

 「貸付金」のうちほとんどは「財政融資資金貸付金」(118.0兆円)であり、財投債の発行などによってそのための資金が調達されているものである。政策目的を持って実行されているそうした貸付金の債権を、仮に何らかの事情で民間企業などに売却した場合でも、それによって国が手にした資金は財投債の償還などに回されるべきものであり、勝手にほかの目的に使用するといった「つまみ食い」は許されない。

 「有価証券」のうちほとんどは「外貨証券」(119.1兆円)であり、外国為替資金特別会計による「外国為替資金証券」(いわゆる為券)の発行(117.4兆円)によってファイナンスされている。「つまみ食い」ができないことは、上記の「貸付金」と同じである。

 さらに、市場でドルなどの外貨を売却する場合、外形的には外貨売り円買い介入と同じになってしまい、為替相場を円高方向に大きく動かしてしまいかねないという大きな問題点がある。

 「運用寄託金」は公的年金の積立金などの運用であり、「公的年金預り金」(112.2兆円)と表裏一体のものである。資産を切り離して勝手に処分することはできない。

 では、490.4兆円という2013年度末の国の債務超過額を、どう受け止めるべきか。

 行政サービスの提供を目的としている国の会計に、資本金という概念はなじまない。払込資本が存在しておらず、ある年度に利益が得られた場合でも資本が増えるわけではない(「国の財務書類」では損益計算書は作成されていない)。この点が企業会計とは根本的に異なっている。

企業会計と同様に考えられない理由

 また、国の場合、債務超過額が膨らみ、それが格付けなどを通じて市場における信用力の低下に結びつく場合でも、徴税権という「切り札」がある点が企業と決定的に異なっている。これを行使することによって単年度の収支を好転させ、債務超過額の膨張に歯止めをかけることが理論的には可能である。

 ただし、規模の大きな増税やその他の財政緊縮措置に対しては、多くの有権者を含む国民からの反発が避けられないだろう。民意が離反する場合には、選挙を通じた政権の交代などを通じて徴税権の行使が行き詰まる恐れがある。

 総選挙で急進左派連合が勝利したギリシャの政治状況は、日本の将来を考える上でも示唆に富む。市場のコンディションが通常の状態の場合、そのあたりもにらみながら各国の国債の売買が行われ、信用スプレッドが伸縮するのである。

 ところが、長期国債の大規模な買い入れを中心とする日銀の「量的・質的金融緩和」によって、日本の債券市場では健全な価格形成機能がほとんど消えてしまっており、財政政策に対するチェック機能(警告シグナルを発信する機能)はもはや皆無に近い状態である。

 さらに、ECB(欧州中央銀行)が米英型の量的緩和導入を決定する中、ユーロ圏でもそうした機能がかなり強く圧迫されている。その欧州からマネーが流入し、日本の国債利回りを下押ししている。

 したがって、日本の債務超過額が名目GDPを上回ってなお拡大していることに対する世の中の関心は足元では乏しく、市場でも現在はまったくと言ってよいほどケアされていない。

 だが、これから長い年月が経ってから日本の財政がたどった歩みを歴史家が振り返る時に、「ポイント・オブ・ノー・リターンはあの頃だった」と評されることがあるかもしれない。

このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー

景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20150213/277449/?ST=print


税還付のコストは20兆円!

確定申告が映し出す複雑怪奇な米税制

2015年2月17日(火)  太田 智之

 3月16日の締め切りを前に、日本では確定申告が佳境を迎えているが、実はここ米国でも春は確定申告のシーズンだ。毎年、少しでも税金を取り戻そうと、多くの国民が伝票の束と格闘する姿は春の風物詩の1つとなっている。

年間の還付金総額は36兆円

 米国の場合、一定額以上の所得があった者に申告の義務が生じるため、主に自営業者や高額所得者などに限定される日本とは異なり、非常に多くの人が確定申告を行う。毎年の申告件数は1億5000万件と日本のおよそ7倍だ(図1)。人口が日本の2.7倍であることを考えると、日本に比べていかに多くの人が確定申告をしているかがわかる。

図1 確定申告の申請件数

(資料)国税庁、米内国歳入庁
 義務とはいえ、これだけ多くの人が確定申告を熱心に行うのは、それなりのメリット、つまり税還付が見込まれるからだ。

 日本の国税庁にあたる米内国歳入庁(IRS)によると、年間の還付額はおよそ3000億ドル、日本円にして36兆円に達する(図2)。還付申請が認められたケースが申告件数全体の7割強にあたる1億1000万件なので、1件当たり2700ドル、およそ32万円が手元に戻ってくる計算である。

 こうした還付金は、受け取る側にとって臨時収入の意味合いが強く、使い道について裁量の余地が大きいことから、小売りや娯楽、旅行など消費に携わる各企業は、毎年その行方に熱い視線を注いでいる。

図2 還付金総額と平均還付額

(資料)米内国歳入庁
 ただ一方で、還付金を手に入れるための準備は一苦労である。

一筋縄ではいかない還付金申請

 米内国歳入庁の担当者によると、確定申告の準備のために国民が費やす時間は、毎年60億時間以上に及ぶという。また会計士や税理士など専門家に支払う費用も、日本円にして20兆円を超えるとしており、36兆円の還付金を得るために、その半分以上に相当する金額を支払っている格好だ。

 なぜこんなに時間とお金がかかるのかといえば、それは米国の複雑な税制に起因する。事実、所得税の納税手続きに関する説明資料だけで300ページ近い分量があるほか、教育や住宅取得などに関する様々な優遇措置も、確定申告のための作業量を多く、かつ煩雑にしている。

 例えば、教育に関する優遇措置だが、それだけで15個も存在する。そのうちどれが適用されるかは、別途90ページに及ぶ解説資料を読む必要があり、とても一般の人が片手間でできる作業とはいえない。

 また、優遇策の中には、富裕層の代名詞であるプライベートジェットや別荘、ヨットの保有に適用されるものがあり、なぜ優遇する必要があるのか、存在意義自体に疑問を感じるものも見受けられる。

 かつて、著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が、「自分の実効税率は秘書よりも低い」と公言したが、背景にはこうした富裕層に対する優遇措置、いわゆる税の「抜け穴」があったわけだ。

増え続ける優遇税制

 では、こうした複雑な税制を変えることはできるのか。そもそも税とは、公平・中立に加えて、簡素でなければならないとされている(いわゆる税の三原則)。つまり、税の仕組みは誰もが理解できる簡単なものでなければならないということだ。

 もちろん、これはあくまで原則論であって、景気対策や産業振興といった政策目的を達成するための手段として、優遇措置を導入することは広く容認されている。

 問題は、いったん導入された優遇措置を廃止するのが非常に難しい点である。

 本来、それらは政策目的が一通り達成された時点で、役割を終えなければならない。しかし、これまでのところそうしたケースは非常に稀だ。恩恵を享受した人の多くが、いったん手に入れた特権を手放すことに抵抗するからだ。プライベートジェットなどの保有に対する軽減措置が富裕層の既得権益と化しているのは、まさに好例といえる。

 また、優遇措置の増加は手続きを煩雑にする半面、新たな節税機会を提供するため、納税者に受け入れられやすい点も簡素化を阻む要因となっている。図3は個人所得税に関する優遇措置の数をみたものだが、一昔前に比べて多くの優遇策が実施されているのがわかる。それだけ新たな対策が随時追加されたことを示している。

図3 個人所得税における租税特別措置(優遇税制)の数

(資料)米議会合同税務委員会
 オバマ大統領は、先日の予算教書で、中低所得層対策の一環として、共働き世帯に対する新たな優遇措置の創設を提案した。歳出増には難色を示す共和党だが、減税については一定の理解を示す議員は多い。まして「格差是正」が新たな政治課題として浮上する中、税制を通じた所得再分配機能の強化を求める意見は今後も強まることが予想される。

 複雑になりすぎた税制を簡素化すべきとの意見は根強いが、実現に向けたハードルは以前にも増して高くなっているといえそうだ。

このコラムについて
Money Globe- from NY

変わりゆく米国の姿を、ニューヨークから見た経済の現状と、ワシントンの政策・政治動向の両面をおさえながら描き出していく
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20150212/277387  

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コメント
 
01. 2015年2月17日 09:34:33 : nJF6kGWndY

>規模の大きな増税やその他の財政緊縮措置に対しては、多くの有権者を含む国民からの反発が避けられないだろう。民意が離反する場合には、選挙を通じた政権の交代などを通じて徴税権の行使が行き詰まる

つまりギリシャ化だ

日本のように自国建て国債が大部分の場合、よほどインフレが進まない限り、

政治的には、もらるハザードのQEによる金融税によって、主に高額預金者や高額労働者が、国の赤字を背負うことが合理的となる



02. 2015年2月17日 21:25:21 : HpZAS462jQ
前提条件を変えれば数字はどうとでも操作できる。財務省はその方面のプロだが経済評論家はその下で何とかメシを食っているだけの周辺居住者。

原発の施設は実際不良債権であるが、それを資産に計上して電力会社は債務超過を逃れている。もちろんその逆もある。


03. 2015年2月19日 21:20:32 : nJF6kGWndY

>確定申告が映し出す複雑怪奇な米税制

強力な米国といえども、実体は、そう堅調ではない

非効率なことをやっていれば、先は厳しいだろう


http://jp.wsj.com/articles/
米経済、供給面に陰り
GREG IP
原文(英語)
2015 年 2 月 19 日 16:06 JST

左から:労働力人口に入っていない成人比率の対1999年比増減(赤)、失業率(赤)と求人率(青)、非農業部門の民間所得(赤)および生産性(青)の平均年間伸び率
 過去6年間の大半において、米経済は需要に問題を抱えていた。信用が縮小し、景気は悲観され、債務削減に追われ、個人も企業も政府も支出意欲を失っていたためだ。
 その需要もようやくまた元気になったようだ。企業は2000年以降最速のペースで雇用しており、消費者信頼感はリセッション(景気後退)以前の水準にある。そして政府の緊縮措置は終わった。
 だが、需要が回復するにつれ、供給、つまり米経済が利用できる全ての労働力と資本そして技術を駆使して製品とサービスを生み出す能力に問題を抱えている兆候が強まっている。経済が長期的にどれくらいの早さで成長するかは、供給で決まる。そして供給は、労働者の数とその生産性におおむね左右される。
 経済の供給面を主に左右する労働力と生産性が、かなり損なわれている証拠が積み上がりつつある。いまのところ、このことが米経済を邪魔してはいないが、やがてそうなるだろう。供給面に問題のある経済は、生活水準の向上に苦しむだろう。
 供給面の不具合は米連邦準備制度理事会(FRB)にとって問題になる。供給の減少は需要が経済の生産力を軽く超え、インフレをあおりやすいということを意味するからだ。そしてオバマ米大統領にとっては、さらに大きな頭痛の種だ。長期的成長の減速により、国家債務の支払いと公的保証の資金繰りが一段と難しくなるためだ。しかもオバマ大統領の政策は、まだ課題にしっかり取り組んではいない。
 では、労働力と生産性という2つの要素について考えてみよう。就労しているか求職中の人の割合を示す労働参加率は、急速に低下してきた。2007年から14年の間に、労働参加率は66%から62.9%まで下がった。当初、この落ち込みはリセッションの厳しさや景気回復の弱さのせいにされた。何カ月も職を離れた労働者は求職をあきらめ、もはや労働力の一部として数えられなくなった、という説明だ。ここでは、労働者に対する需要が持ち直せば、労働参加率も回復するとみられている。
 だが、過去1年間については、こうした説明はあまり説得力がないように思われる。過去1年間の労働参加率は横ばいで、上がっていない。仕事を求めているが労働力に数えられていない人で説明できるのは、わずか0.5ポイント分の低下にすぎない。米議会予算局(CBO)は、労働参加率の半分以上は人口動態で説明できるとしている。リーマン・ブラザースが破綻した08年に、最初のベビーブーム世代が社会保障の給付資格を得た。それ以降、社会保障の対象となる定年退職者は毎年270万人ずつ増えている。それ以前の10年間は毎年180万人だった。
 経済が強まれば、一部の労働者が労働力として復帰するだろう。だが、労働力への参入者が増えても退職者がそれを上回るので、労働参加率は19年までに62%に下がるとCBOはみている。CBOの推計では、今後数十年間の労働力の伸びは年率わずか0.5%だ。1950年から2014年までの伸びは同1.5%だった。
 また、景気回復に伴い、企業が待機中の労働者を採用する保証はどこにもない。昨年12月、求人の3.6%が埋まらなかった。01年以降で最高の欠員率だった。失業者がはるかに少なかった07年よりも高いこの欠員率は、雇うことができる労働者が求められる仕事と一致していないことを示している。これは供給面でのもう一つの障害だ。パンテオン・マクロエコノミクスのイアン・シェファードソン氏は「雇用側の必要に見合うという意味で、労働力として数百万人が残っているとか、正規雇用を希望するパートタイム労働者が数百万人いるなどと、雇用者はみていない」と指摘した。
 もちろん、有能な労働者がそんなに少ないはずはないし、雇用側は適任者が見つかるよう賃金を引き上げるだろう。だから、賃金の伸びはそれほど弱くはならないだろう。一方、労働力の伸びが弱い原因の少なくとも一部は供給面の要素にある。ここで生産性が問題になる。
 労働者の実質賃金は長期的に、彼らが時間あたりに生産する量、つまり生産性に追随するはずだ。07年に最後の景気拡大期が終わって以来、生産性の伸びは年率わずか1.3%と、70年代以降では最も弱い水準で推移している。昨年は生産性が全く伸びなかった(実際、賃金の伸びは生産性の動きで説明できるよりも弱かった)。
 労働参加率の低下と同様、生産性の伸びの落ち込みも当初はリセッションのせいにされた。資金調達に不安を感じたり、売り上げ見通しを悲観したりした企業が、新しいコンピューター機器やソフトウエアなど効率性を高める投資を抑えた、という説明だ。
 だが、この説明も不十分だ。サンフランシスコ地区連銀のジョン・フェルナンド氏の分析によると、新技術による効率性向上効果は、直近のリセッションよりもはるかに前の04年から下がり始めている。生産性は予測が難しいことで知られているが、大幅に回復する見込みはなさそうだ。
 供給の縮小は政策担当者に大きな障害となる。通常、こうした場合にはインフレが跳ね上がらないようFRBに早期利上げの圧力をかけるものだが、インフレ率が2%を大きく下回っているため、FRBは利上げを待つことができる。需要が供給を上回る状態にすることが、インフレ率を2%の目標に戻すことに役立つかもしれない。
 オバマ大統領(とその後継者)にとっては、選択肢はもっと難しいものだ。最新の政府予算見通しでは、18年時点の米経済が昨年の予算で見込んだよりも3%小さくなっている。経済が小さければ、歳入も少なくなる。オバマ大統領が、国内総生産(GDP)比での債務削減はほとんど進展しないとしている一因はここにある。大統領は労働力の供給を高めるために、移民受け入れ拡大や母親が働きやすくなる出産休暇の拡大など、いくつものアイデアを示した。だが、大統領の政策の一部は逆方向に働いている。医療保険制度改革法やその他の施策と税控除により、賃上げ効果が薄れ、就労意欲が低下している。
 大統領も共和党議員の多くも、就労期間の長期化を促すためのメディケア(高齢者向け医療保険制度)や社会保障制度の対象となる定年の引き上げを、もはや支持していないようだ。供給面の縮小による悪影響が現れるにつれ、こうしたアイデアは、もっとたくさん議論される必要が生じるだろう。


米国でサブプライムローンが復活―ノンバンクの台頭を背景に
ALAN ZIBEL AND ANNAMARIA ANDRIOTIS
原文(英語)
2015 年 2 月 19 日 16:10 JST

米国でサブプライム向け融資が再び増加―濃い緑はローン全体に占めるサブプライムの割合
 米国では、信用力の低い消費者向けローン(住宅ローンを除く)が金融危機発生以来の高水準に達している。自動車ローンの急増や、ノンバンク(非銀行系金融会社)の台頭が背景にある。
 米個人信用情報機関エキファックスがウォール・ストリート・ジャーナルの委託でまとめたデータによると、2014年1月〜11月は自動車ローンやクレジットカードローン、個人ローンのほぼ4割がサブプライム(信用力の低い)の顧客向けだった。合わせて5000万件以上の消費者ローンとカードローンで、総額は1890億ドル(約22兆5000億円)に達した。これは、住宅ローン以外の個人融資に占めるサブプライムの割合が41%に達した07年以来の高水準だ。エキファックスはサブプライムの借り手について、フェア・アイザック・コーポレーション(FICO)が考案した信用スコア(満点は850点)で640点未満の人々と定義している。
 ノンバンクは金融危機で最大の打撃を受けた顧客に関心を示している。これは、米経済が比較的健全なことと、超低金利で利益が圧迫されている時期にもっとリスクを取りたいという各社の希望を反映している。
 また、米国民がさらなる借り入れに意欲的であることも示唆している。ニューヨーク地区連銀が17日発表した統計によると、14年10-12月期の家計債務残高は前年同期比で3060億ドル(2.7%)増加した。
 一方、多数の新たなノンバンクがサブプライムの借り手に特化した個人ローンなどの貸し付けを行っている。ノンバンクは大手銀行に比べると規制当局の監視がはるかに緩い。その多くは、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストが後ろ盾だったり、低金利環境で高いリターンを狙うヘッジファンドや民間投資家に資金提供を受けていたりする。

一方、住宅ローンに占めるサブプライムの割合は急減
 ローンの借り手と貸し手を結ぶオンラインサービス「レンディングツリー」は昨年、FICOの信用スコアが500点〜619点のサブプライムの借り手向けに、約6700件の個人ローンの組成を手助けした。前年比では761%増だという。同社は急増の理由について、ノンバンクがサブプライム市場に参入したためだとしている。
 レンディングツリーの最高マーケティング責任者、ガブリエル・ダルポルト氏は「長年にわたって信用は極めて逼迫(ひっぱく)していたが、今は緩和の時代に移りつつある」と述べた。
 FICOの信用スコアは300点から850点の範囲で評価され、大半の個人ローンの判断に用いられる。FICOによると、スコアが650点未満の借り手の平均債務残高は14年10月時点で約4万8000ドルだった。12年10月は約5万5000ドル、08年10月は約6万1000ドルだった。
 一つ例外なのは、08年の金融危機の震源となった住宅ローンだ。業界のデータによると、住宅ローンの貸し手は依然として信用力の高い借り手に重点を置いている。業界誌インサイド・モーゲージ・ファイナンスによれば、09年以降は毎年約40億ドルのサブプライム住宅ローンが提供されているが、これはピークだった05年の6250億ドルを大幅に下回っている。
 サブプライム向けローンの拡大は、米経済に広範な影響を及ぼす可能性がある。借り入れが容易なため、米国の自動車販売はすでに上向いている。自動車情報サイト運営の米エドマンズ・ドット・コムによれば、昨年の乗用車・トラック販売台数は前年比5.9%増の1650万台で、09年に比べると59%増となっている。
 一部の観測筋は、サブプライムローンが利用しやすくなっていることについて、借り手にも経済にもプラスだと述べている。
 しかし懸念を抱く向きもある。シカゴ大学のアミール・サフィ教授は「パーティーが続いている間は良いが、まさに経済的な悪影響にさらしたくない人々をさらすことになる」と述べた。同教授によると、サブプライムの借り手は信用スコアの高い顧客より返済金利がはるかに高く、経済的苦境に陥ると返済が滞る傾向がある。


FOMC、リバースレポ・オペの規模拡大を議論=議事録
MICHAEL S. DERBY
2015 年 2 月 19 日 09:59 JST

FOMC、リバースレポ・オペの規模拡大を議論 Bloomberg News
 【ニューヨーク】米連邦準備制度理事会(FRB)は1月27日・28日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の下限設定に役立てたいと考えているリバースレポ・プログラムの将来像について活発に議論した。
  18日公表された同FOMCの議事録によると、FRB高官らはこのプログラムの1日当たり取引量の上限を引き上げることに関心を示した。リバースレポ・オ ペは現在、試験運用段階にあり、2013年9月に初めて実施された。この取引では、FRBは保有する米国債を参加資格のある投資銀行や資産運用会社に渡す 代わりに現金を受け取る。
 リバースレポはFRBによる事実上の借り入れだが、 FRBがこの取引で提供する金利は短期金利の下限となることが想定されている。一方、FRBは準備預金に付与する金利を短期金利の上限設定に利用する計画 だ。この両方の政策手段の目的は、同時に駆使することで利上げの一助とすることにある。FRBは年内に政策金利を現行のゼロ近辺から引き上げると広く予想 されている。
 FRBはまだリバースレポ・オペの経験が浅いため、このプログラムが 実際の金融市場でどう機能するかを理解しようと何度もオペの条件を修正してきた。混乱時にリバースレポ・オペが金融市場を不安定化させるのではないかとい う懸念の高まりから、FRBは昨年9月、1日当たり取引量の上限を3000億ドル(約35兆6000億円)に定めた。しかし、上限をこの水準に設定したこ とで、需要がこれを上回った場合に短期金利の下限を形成できなくなる恐れが生じた。
 FRBはこうした問題への対応策として、期間が数日に及ぶ「ターム物」リバースレポ・オペを何種類も追加し、1日当たりの取引規模を拡大した。議事録では、FRB高官らが借入額の上限を今後引き上げる余地があると考えていることが明らかになった。
  議事録によると、「出席者の大半は、利上げする際の政策実施を支援する上で、かなり大きな額の(オーバーナイト物リバースレポの)上限が適切だとの見方を 示し、当面は総額の上限を適用しないことを提案した出席者も少数いた」。また、「多くの出席者は、FOMCが状況からみて正常化を開始することが適切だと 判断したときに(オーバーナイト物リバースレポ)オペの(取引量の)上限を一時的に引き上げたとしても、(金融安定性への)リスクは限定的なものにとどま る公算が大きいと考えた」という。
 数人のFRB高官は、リバースレポでの借入額の 上限を最初は高く設定し、金利が上がり始めた時点ですぐに引き下げた方がFRBにとって好都合かもしれないと述べた。このオペが一時的なものであることを 市場に痛感させるためだという。FRBはリバースレポについて、準備預金への金利付与を補完する手段とみていることをすでに明らかにしており、ある時点で 段階的に廃止する方針を示唆している。
 リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は、四半期末をまたぐ「ターム物」リバースレポ・オペを導入するとのFOMCの決定に反対票を投じた。FRBはこのプログラムの機能の仕方についてすでに十分な情報を有している、というのが反対の理由だ。


http://jp.wsj.com/articles/SB11096553489394754382504580470671163045664 
FOMC、インフレのトリム平均値に言及=議事録
MICHAEL S. DERBY
2015 年 2 月 19 日 11:03 JST

ダラス連銀のトリム平均PCE価格指数(赤)とクリーブランド連銀のCPI中央値(青)
 1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、低インフレについて議論する中、相対的に低水準とはなっていないあるインフレ指標についての言及が見られた。
  米連邦準備制度理事会(FRB)が18日公表したFOMC議事録(1月27日・28日)によると、「インフレの下押し圧力がこのところ強まっているのは、 家計支出項目の狭い範囲に集中した一部の物価動向の表れであり、このことは、インフレのトリム平均値が裏付けている、と指摘された」。
 インフレの「トリム平均値」とは、インフレの基調的な傾向をよりよく把握することを目的とした物価圧力の計算方法。統計上のノイズを除去してシグナルを検出するため、価格変動が上下に最も大きい品目は除外する。
 こうした指標は、変動の大きい食料品とエネルギー品目を除いた「コア」インフレ指標の改良を目的としている。
  エコノミストらは、全般的なインフレ指標(いわゆる総合インフレ率)もいずれはコアインフレへと収束する傾向があるとみている。だが、短期的に両者が一致 しない可能性がある。米労働省が発表する消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)といった総合インフレ指標は現在、原油安の影響で極めて低水準 となっている。1月のPPIは前年同月比横ばい、昨年12月のCPIは同0.8%の上昇にとどまった。FRBが重視する商務省発表の個人消費支出 (PCE)価格指数は、12月に前年同月比0.7%上昇した。
 一部のアナリストはエネルギー価格を理由に、これらのインフレ指標が今後数カ月でマイナスに転じると予想している。
  FRBにとって問題なのは、雇用市場や経済の力強い伸びが利上げの正当性を示唆していることだ。フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は2008年12 月からゼロ近辺に据え置かれている。だが、インフレ率がFRBの目標2%をこれほど下回っているときに利上げするのは難しい。
  FRB当局はこれまでこうした指標の食い違いについて、一般的には好材料とされる原油安がインフレ率の算出上、桁外れに大きい役割を果たしていると指摘す ることで対処しようとしてきた。だが、インフレが目標を大幅に上回るのも下回るのも望まないと強く言明している手前、FRBがこうした主張は通すのは難し い。
 ダラスとクリーブランドの地区連銀は、インフレのトリム平均値を独自に算出しているが、いずれの指数もCPIやPCE価格指数に比べるとはるかに安定している。
 ダラス連銀のトリム平均PCE価格指数は、昨年12月の上昇率が前年同月比1.6%で、しばらくこの水準を維持している。クリーブランド連銀のCPI中央値は、12月に前年同月比2.2%上昇した。こちらもここ数カ月は非常に安定している。
 ダラスとセントルイスの連銀総裁は、FRBが重視する物価指標としてインフレのトリム平均値を採用すべきだと主張している。他のFRB関係者もこれに興味は示しているが、重視する指標をPCE価格指数から切り替えようとする大きな動きはまだない。
 だが、FRBが重視する指標を切り替えたとしたら、利上げをめぐる議論はより容易になるものとなるはずだ。


http://jp.wsj.com/articles/SB11096553489394754382504580470832458309498

レバレッジド融資リスク、米大手銀の脅威とならず=FRB理事


By RYAN TRACY

2015 年 2 月 19 日 13:00 JST

 【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事は18日、レバレッジド融資市場のリスク要因が米大手銀を危険にさらすことはないとの見方を示した。FRBは問題のある与信慣行の抑制に向けた自らの取り組みが奏功していると判断しているようだ。

 ニューヨークで講演したパウエル理事は、銀行が既に負債を抱える企業に融資を行う際に過大なリスクを取るのを防ぐ規制措置や、銀行の融資慣行の見直しにより、こうした企業は市場の下落時の影響を受けにくくなったと述べた。

 パウエル理事は「米金融システムの中核にある銀行は、レバレッジド融資の状況が悪化してもストレスにさらされにくくなっているようだ」とし、規制当局が2013年に銀行に示した指針が「現在、危機前の状況に戻ることを阻止している」と話した。

 パウエル理事の発言は、イエレン議長など他のFRB高官と足並みをそろえるものだった。イエレン議長は、FRBとしてはレバレッジドローン市場を監視しているものの、今のところ金融システムをリスクにさらしているとはみていないと述べている。

 パウエル理事は、規制当局が市場のリスク要因を警戒することは正しいが、警戒しすぎないようにすることも必要との見方を示した。

 「システムの中心にもっともなリスクがある場合や、有害な投げ売りが生じる恐れがある場合でもない限り、信用サイクルに反する監督上の介入のハードルは高いだろう。こうした介入が、資本を生産性の高い使途に振り向け、リスク選好的な投資家にリスクを分散するという資本市場の本来の機能に干渉することになるのはほぼ確実だ」と述べた。

 資金力のある投資家が、過剰な借り入れを含まない方法や銀行「取り付け」のような事態を招かない方法で資金を提供している限り、こうした投資家の参加はシステムの安全性を高めるはずだと語った。


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