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雑感。水素社会と原発
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52685197.html
2015年02月15日 在野のアナリスト
政府が水素発電所、液化水素用の輸送船、石炭からの水素抽出、などを支援する方向を示しています。2030年までに自家用発電や、事業用発電を導入する見こみですが、気になるのは石炭から水素を抽出する点です。これだと化石燃料を使っているのと同じなので、水素社会を実現しても、二酸化炭素の排出量は増えてしまいます。実際、発電するときは水しか出さずとも、その分の石炭を地中から掘り出さなければならないのですから。日本には多くの『使える樹木』があるのですから、バイオ技術などをつかって、水素を抽出することを研究した方が、より環境への寄与も大きいはずです。安価で水素が抽出できるとなれば、より安く製造できる新興国などに技術移転がすすむ恐れもありますが、環境破壊となる森林伐採には、国際的に一定の歯止めをかける。そうした合意をつくるまでが、日本の務めでもあるのでしょう。
高浜原発の3、4号機の安全審査の合格証にあたる審査書を決定しました。微妙な言い回しなのは、これで再稼動できるわけではないためです。関電だけに、今後の手続きに遅れが生じる可能性は否めず、秋ごろを目処とする再稼動もどうなるかは分かりません。ただ、電力会社には今、かなりの追い風が吹いています。それが原油安です。火力発電用の燃料価格が大幅に下がったため、実は今後、原発を再稼動しなくても収益は自然と改善していきます。今はまだ高値で契約した分をさばいていますが、春ごろにはその効果も出てくるはずなのです。
しかし、電力業界からも最近、原発は高コストとの発言が相次ぎます。1年間に1度は定期検査をしなければならない。実は、政府が公共工事を乱発したため、原発作業員が激減しており、しかも福島原発の処理で、多くの作業員が被曝量をオーバーしそうなほどで、今年から再稼動などをすすめても、来年の定期検査をうまくこなせるか? といった不安が残ります。どんどん再稼動をすすめても、1年後に続々と止まるようでは、それこそ高コスト運転となるでしょう。
さらに、原発はウラン燃料を用いますが、再処理を日本で行えば、それもまた高い燃料費となります。技術の進歩で、それこそ水素社会が実現すれば、原発の高コストは浮き彫りとなるでしょう。しかも高レベル廃棄物は溜まる。低レベルの中間貯蔵施設でさえ、あれだけもめるこの日本で、高レベル廃棄物を今以上に増やしても、処理できるとは到底思えません。それこそ一体どれぐらいの処理費用がかかるのか? これは原発につきまとう業です。福島原発では、トレンチの埋め立てもすすみますが、凍土壁の前提としても、その凍土壁ですら成功するかは不明です。汚染水処理施設ALPSも、トラブル続きでぎりぎり運転している状態ですが、原発は完成された技術ではなく、常に新たな事象に対処せざるを得ない点も、高コストと言えるのでしょう。
水素社会が実現するまで、とりあえずで使うにしては、原発はそれに見合うレベルの発電方法ではない、というのが現状です。一時期さわいでいた原発輸出が頓挫しているように、世界も原発へ懐疑的となっています。原発に利用されるウランは、極めて重い原子ですが、それがもっとも軽い原子である、水素に置き換わる。物質も崩壊してより軽く、小さくなっていくのなら、水素を効率的ににとりだし、有効に利用できる社会が、軽くてソフトな社会という物事の本質にはあっているのでしょう。そうした社会をいち早くつくることが求められるのでしょうね。
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