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搾取される中間層 金持ちはより金持ちに、貧乏はより貧乏になる理由 進む富の偏在(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/594.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 15 日 07:56:05: igsppGRN/E9PQ
 

搾取される中間層 金持ちはより金持ちに、貧乏はより貧乏になる理由 進む富の偏在
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150215-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 2月15日(日)6時0分配信


『21世紀の資本』(トマ・ピケティ/みすず書房)が売れている。日本では昨年12月に発売され、通販サイトのアマゾン・ドットコムの総合順位(書籍)で5位(1月27日現在)というから、売れ行きのすさまじさは想像を超えている。通常アマゾンの上位ランクは、グラビアアイドルの写真集や啓発本、それから漫画が占める。経済学の専門書である同書が、出版不況の真っただ中でこれほど売れるのは奇跡といってよい。もちろん購入しても読まない人も多いはずだし、そもそもベストセラーとは普段本を読まない人が買うから何十万部、何百万部も売れるのだ。

 とはいえ、この現象は単なるブームではないような気がする。今の時代を覆う理不尽さに対する国民の不満の表れと思えて仕方ないのだ。同時に、始まったばかりの相続増税について、それまで考えてもいなかった疑問が湧いてきた。

 まずはピケティの理論を簡単にみておこう。ピケティは膨大な税務データを分析することで、資本主義社会では富と所得の格差は必然的に広がる、とする法則を導き出した。こうした手法は社会科学では新しいわけではないが、ピケティの斬新さは、分析した税務データが過去200年間に蓄積された膨大な「生データ」という点だ。こうした作業が可能になったのは、いうまでもなく情報技術の進化にほかならない。手作業の時代にピケティと同じ問題意識を持つ研究者がいたとしても、分析作業にコストと時間がかかりすぎ、法則までたどり着くのは不可能だったに違いない。

 ピケティはまず、アメリカやフランスにおける所得格差に注目する。例えば、現在のアメリカでは、人口の1%が同国総所得の25%を占めている。さらに人口の10%が同50%を占めている、と現実を突きつける

 次は資産格差だ。アメリカの上位10%が所有する資産は全体の70%、次の10〜50%の中位層は同25%、そして残り50%の下位層は同5%にも満たない。ヨーロッパはどうか。上位層が同60%、中位層が同35%、そして下位層が同5%で、中間層の割合が異なるだけでヨーロッパでも下位層は資産をほとんど持っていない。しかも興味深いことに、1810年当時のヨーロッパでも上位層は同90%の資産を独り占めしており、残りの10%を中位層と下位層が5%ずつ保有していたというのだ。

 つまり、所得と資産の大半は200年前から一部の金持ちに偏在していたということだ。そして、時代と共に中間層が形成されたものの、下位層は相変わらず貧乏のままなのだ。

●r>g

 では、なぜいつの時代も上位層は所得も資産も多いのか。

 この問いに対する答えがr>gだ。rは資本収益率。ここで資本とは、投資に回した資金のことで、同時に実物資産と金融資産の合計を意味する。資本収益率rは、資金を資産に投資した結果得た利益。つまり、rは資本の投資利回りである。gは経済成長率を意味するので、r>gとはこの200年間rが常に経済成長率gを上回っていたということだ。経済成長とは国全体の付加価値(富)が増えることだから、国全体の付加価値の増加gより、資本運用によって得た所得rの増加のほうが多かったということである。

 この法則は、企業に当てはまるのだろうか。試しに管理会計を使って考えてみよう。

 企業における資本とは、調達した資金(=お金)のことだ。企業は、資金を資産として運用して利益を得ている。バランスシート(BS)を見れば、企業における資金の状態は一目瞭然だ。BSの右側である負債と資本は資金の調達源泉を、そして左側の資産が資金の運用状態を表しているからだ。

 経営者のミッションは、株主や債権者から預かった資金を効率的に運用して利益を上げることだから、総資産(=総資本)に対する利益の割合を表す投下資産利益率ROA(利益÷総資産)が、経営効率を測定する指標として用いられるのである。

 このROAはピケティのrと同義と考えられる。そして、もうひとつのgは、企業の売上高増加率に置き換えることができる。

 つまり、ピケティの法則を企業に適用するならば、ROAの伸び率は、常に売り上げの伸び率に勝っているということだ。

 こう考えると、巨大企業がますます巨大化する理由が見えてくる。ROAは常に売り上げの伸び率より高いので、利益は売り上げの伸び以上の速度で増え続ける。その結果、巨大企業の資本はますます増加して投資も増える。こうして巨大企業の利益と資本は増殖し続ける。例えば、中国の国営企業が瞬く間に世界のトップに躍り出たのも、韓国のサムソングループや現代グループが突出して拡大し続けるのも、戦前の我が国の財閥が解体させられたのも、同じ理由といえそうだ。逆に、中小零細企業の経営がいつまでたっても資金繰りが苦しいのは、そもそも運用できる資本が少なく、かつROAが低いからである。

●相続増税のまやかし

 とはいえ、企業と個人に同じ法則が当てはまると断定するのは早計だ。なぜなら、企業は常に競争にさらされており、マネジメントがうまくいかなければ倒産に追い込まれて、すべての資産が消えてしまうことがあるからだ。ところが、資産家の家庭に生まれ落ちれば、それだけで資産を手にすることができる。そして、しかるべき機関に資本運用を任せれば、本人が何もしなくても資産は所得を増やし続ける。

 つまり資本主義の社会では、必然的に所得と資産の偏在が生じてしまうということだ。だからこそ、この不公平を是正するために、国による強制的な富の再配分が必要であり、具体的には相続税の課税強化ということになる。

 日本では、今年から格差是正、富の再分配機能強化の観点から、相続税法が大きく変わった。主な改正点は、基礎控除の引き下げと、税率の引き上げだ。基礎控除額が「5000万円+法定相続人×1000万円」から「3000万円+法定相続人×600万円」に縮小され、2億円超の金額に対する税率が引き上げられ、6億円超の最高税率が55%になった。

 だが、富の再配分の観点からすれば、超富裕層により高い税を課すべきだったにもかかわらず、たった5%増えたにすぎない。その一方で、基礎控除額を引き下げて、中間層に幅広く課税しようとしている。

 総務省統計局の資料(平成21年度)によれば、1億円以上の家計資産を有する世帯は3%、5000万円以上が6.7%である。家計資産の内訳は、金融資産、宅地・住宅、耐久消費財を含むから、地価の高い都市部は当然高くなる。今回の増税で、相続税を納税する世帯は全体の3%から5%程度に増えるという。家計資産が5000万円以上1億円未満の人たちが狙い撃ちされたのだ。しかし、こうした人たちは富裕層ではない。土地が値上がりし、こつこつと貯めた預金が課税範囲に達したというだけにすぎない。相続税を支払うために、老後の資金がなくなるかもしれないのだ。ちなみにアメリカでは、遺産税の基礎控除は500万ドル(約6億円)で、準富裕層や中間層には課税しない。

 戦後、日本の中間層は分厚くなった。せっかく増えた中間層に対して課税を強化し、最高税率をたった5%引き上げただけでは、富の偏在をなくすという目的は達成されない。デフレの時代につくられたこの税制が、日本経済にとってマイナスに作用することのないように祈るばかりだ。
(文=林總/公認会計士・税理士)


 

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コメント
 
01. 2015年2月15日 11:42:32 : nJF6kGWndY

>ピケティの理論を簡単にみておこう。ピケティは膨大な税務データを分析することで、資本主義社会では富と所得の格差は必然的に広がる、とする法則を導き出した

理論ではないな

単純な交易や消費の繰り返しで、自然に資産格差が生じるという理論は、昔からある

ただ世界大戦による資本破壊により、そうした法則性が隠されることを示したというのが正しい


>な改正点は、基礎控除の引き下げと、税率の引き上げだ。基礎控除額が「5000万円+法定相続人×1000万円」から「3000万円+法定相続人×600万円」に縮小され、2億円超の金額に対する税率が引き上げられ、6億円超の最高税率が55%
>富の再配分の観点からすれば、超富裕層により高い税を課すべきだったにもかかわらず、たった5%増えたにすぎない。その一方で、基礎控除額を引き下げて、中間層に幅広く課税しようとしている

相続税だけ厳しくしても逃げるのは簡単だから

捕捉が重要だろう


http://ci.nii.ac.jp/naid/110009575565
経済学の領域においては、よく知られた二つの逆U 字曲線仮説がある。一つは、一人当たりGDP(横軸)とジニ係数(縦軸)との関係を扱ったクズネッツ曲線仮説(分配・再分配問題)であり、経済発展初期において所得分配の不平等は拡大し、やがて低下に転ずるという説である。この逆U 字曲線仮説は現在に至るまで様々な実証的、理論的研究が行われてきたものの、結論はさまざまであり、この仮説は全面的に支持されているわけではない。

http://gendai.ismedia.jp/articles/print/42024
2015年02月12日(木) 安達 誠司
【第77回】 ピケティブームをアベノミクスに関する議論に活用するためには?

トマ・ピケティ氏 〔PHOTO〕gettyimages
「左派の旗手」としてピケティを扱うのは的外れ
前回、日本におけるピケティの解釈がいかに間違っているかについて述べた。来日したピケティ氏に対して多くのメディアが、量的緩和政策の限界や財政再建の必要性についてのコメント(その多くがそれらをサポートしてもらいたいと考えたはずである)を求めたようだ。

だが、ピケティ氏は、1)格差是正のためには何よりもデフレ脱却が必要であること、そして、そのための量的緩和政策は正当化されうること(ただし、量的緩和政策のみではデフレ脱却が不可能であることにも言及した)、2)デフレ下で経済成長率が十分ではない局面での緊縮財政(増税を含む)は経済政策としては適切ではないこと、に言及した。

ピケティ氏はこのような日本のメディアの質問に辟易としていたらしいが、これはある意味当然である。MIT(マサチューセッツ工科大学)に招聘されるくらいの超一流の経済学者であるピケティ氏にとって、デフレ下での金融緩和の必要性やデフレ局面での緊縮財政が一国の経済にとっていかに大きな弊害をもたらすかは、ある意味、常識(クルーグマン氏も同様の回答をするだろう)であって、「どうしてわざわざ日本にまで来て、時間を割いて当たり前の話をしなければならないのか」と逆に不思議に思ったのではないか。

結局のところ、日本では、「資本主義の発展が経済格差を拡大させる」という内容から、ピケティ氏の『21世紀の資本』が、「マルクスの再来」として左派的な知識人からの支持を得たようだ。元来、これらの左派的な知識人層は、安倍政権の保守的なイメージに嫌悪感を露わにしていたため、ピケティブームが反アベノミクスブームに波及して大きな流れになることを期待したのであろう。

だが、ピケティ氏自身、『21世紀の資本』の冒頭部分で明言しているように、1)新古典派経済学的な成長理論に修正を迫る内容(筆者も不案内だが、経済成長が進むにつれて、経済格差は縮小していくという「クズネツクの逆U字曲線」を否定)、2)データに基づかず、抽象的な議論に終始したマルクス経済学の考え方(「資本主義はいずれ限界点に達し、いずれ終焉する」という思想も含め)には否定的である。

つまり、日本でのピケティブームは、ピケティ本人、もしくは翻訳元の出版社にとってはありがたいことだったかもしれないが(来日を終えた今、そう思ってないかもしれない)、日本での「左派の旗手」としての扱いは的外れとしかいいようがない。

日本における経済格差は世代間の資産格差の可能性が高い
ところで、アベノミクスに関する議論がピケティブームをうまく活用できるとすれば、それは、現段階で手当てが不十分であるとの指摘が多い「所得再分配」政策であろう。特に、アベノミクスの第一の矢である「リフレーション政策」は、デフレ解消にある程度の効果をもたらしたと考えるが、国内株や国内の不動産、及び外貨建て資産の保有者には大きなメリットをもたらした一方、資産をあまり保有していなかった人には大したメリットを与えなかったという批判がある。

この間、失業者の大幅減等が実現したことを考えると、アベノミクスの恩恵を受けたのが資産を多く保有する富裕層のみだったという見方は誤りであるが、相対比較では、資産保有者に大きなメリットがあったことは否定できない。

そこで、議論の出発点として、所得の不平等を示す代表的な指標である「ジニ係数」を考えてみよう。「ジニ係数」用いる統計や細かな算出方法の違いによって数通りの計算結果がある。ただ、いずれの「ジニ係数」も緩やかに上昇している。すなわち、「ジニ係数」でみる限り、日本人の経済格差は趨勢的に拡大していることを意味する。ただし、社会保障給付等による所得再分配によって、ある程度、格差は是正されている。

日本において「ジニ係数」が上昇した理由は諸説あるようだが、高齢化の進展が大きいと言われている。そして、高齢者に対する年金、医療、介護等を通じた所得再分配効果が大きいため、所得再分配前後のジニ係数は大きく異なる結果となっている。

また、ピケティが指摘するような企業経営者に大きく偏った所得分配も、日本ではそれほど大きくない(ただし、最近では「アングロサクソン流」のコーポレートガバナンスの普及によって、特に上場企業では、経営者に、より莫大な報酬が支払われるようになりつつある)。

このように考えると、日本での経済格差の問題は、必ずしもフローでみた所得格差ではないかもしれない。

そこで、2014年7-9月期の貯蓄動向調査(総務省)で、「ストック」である金融資産の分布をみてみよう。特に、世帯主の年齢階級別に貯蓄残高のシェアをみると、60歳から69歳までの階層が全体の32.7%、70歳以上が36.7%を保有している。一方、「若年層」に入ると思われる29歳以下のシェアは0.3%、30歳から39歳までの階層のシェアは3.9%ときわめて小さい。

さらに、「家計の金融行動に関する世論調査(2014年)(金融広報中央委員会)」をみると、金融資産保有額ゼロ円の(貯蓄がない)世帯が、全世帯の30.4%にのぼるが、世帯主が20歳代の世帯に限れば41.0%が、30歳代の世帯に限れば34.2%が貯蓄ゼロであると回答している(年収別では、300万円未満の世帯が突出して高い)。

そして、このシェアは2012年以降、上昇傾向にある。若年層世帯の貯蓄が少ないのはある意味当たり前だが、普通に働いていれば、少額ながらも貯蓄はあるはずだが、4割近い世帯が貯蓄ゼロで、しかもその割合が上昇しているというのは、貯蓄できないほど収入が少ないか、職を失って貯蓄を取り崩さざるを得なかったかのどちらであろうが、「非常事態」である。

以上の事実は、日本における経済格差は、マクロ経済的にみると、世代間の資産(ストック)格差である可能性がきわめて高いことを示唆している。そして、この、「世帯主が20歳代、30歳代」の家計が、いわゆる「子育て世代」の中心であることを考えると、世代間の資産格差は、たとえ、高齢層の資産が贈与や相続といった形で下の世代に継承されたとしても、そのまま子供の教育格差につながる懸念が生じることを示唆している。

ピケティが「富裕税」を強く提唱している点に注目
確かに世の中の風潮としては、英才教育によっていかに「天才」を育成するかが流行りのようだが、近代(戦前のみならず明治維新期以降)から戦後の復興、高度経済成長に至る歴史の中で、日本が欧米列強の資本主義経済にキャッチアップできたのは、均質的ながらも全体的に優れた人的資本が存在したからであろう。長期のデフレによる経済格差が、これまでの日本経済の成長の源泉であった優れた人的資本蓄積のシステムを壊しつつあるのであれば、それを修復するのが、正しい成長戦略であるかもしれない。

そこで、ピケティ氏が、経済格差是正の方法として、「富裕税(資産課税)」を強く提唱している点に注目する必要がある。そこで「富裕税」といえば、フローの所得に累進的に賦課するイメージが強いが、フローの所得に対する累進課税は、労働、特に生産性を高めるようなイノベーティブな労働のインセンティブを低下させてしまうので、安定成長期の日本には必ずしも適していないのではないかと考える。

むしろ、金融資産というストックにより累進的に課税する方がよいというのが筆者の個人的な考えである。もっとも、高齢者にも、金融資産を蓄積する動機はある。高齢化社会が進む中、将来の年金や社会保障に対する不安があれば、それに備えて貯蓄するのは当然であろう。よって、現在の日本の状況を考えると、ピケティの富裕税は相続税や贈与税になるのではないか。

前述のような高齢者に著しく偏った貯蓄残高の分布を考え合わせると、贈与や遺産に回るお金を政府によって幅広い若年層の家計に配分することが、将来の日本経済の成長に寄与するのではないか(その場合、所得の扶助ではなく、「教育バウチャー」のような、人的資本の蓄積に特化したもののほうがよいかもしれない)。

現在の消費税の議論は、社会保障財源を充実させるという意味合いでなされているようだが、所得が低い若年層に負担が大きく、かつ、社会保障の対象が、年金や医療中心であれば、高齢者層に対する手当てに偏っているきらいがある。その意味では、今回のピケティブームを前向きにとらえるのであれば、長期的な日本経済のあり方(もしくはある程度の成長を確保するという観点)を踏まえた今後の税制のありかたを真剣に考える契機にすべきではないかと考える。

なお、筆者は税制に関してそれほどくわしい訳ではないので、ここで述べてきた考え方に多少の誤りがあるかもしれない。だが、その場合でも、今後の税制のありかたについては議論の余地があるという考え方に間違いはないと考える。そして、このことは、むしろ、野党にとっては、金融政策批判を強めるよりも国民の支持を得られるチャンスを得られると考える。今後の議論の展開に期待したい。



02. 2015年2月16日 13:06:26 : cbJmq9IFv2
700ページの駄文に

長文コペの駄文か

似たもの同士


03. 2015年2月16日 18:25:40 : UWlanYXlYQ
とにかく格差は金融緩和に尽きる。


04. 2015年2月17日 02:37:31 : qD4jSyZmrk

富裕層からの税金増やしても、
若年層に適切に分配されるとは とうてい思えないんだけど…

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