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アベノミクス評価と消費税引き上げ
昨年の衆議院の総選挙での圧勝と、民主党の党首に岡田が選ばれ、自民党は盤石の政治態勢ができあがったことに高笑いが止まらないだろう。
しかしアベノミクスの惨状が隠しおおせないものとなってきた。新聞の世論調査でも、地方都市の経済的惨状や大都市圏でも景気回復の実感がないことが浮かび上がっている。
しかしまだまだそれらの記事は、ぬるく、これから起こる経済的惨状をまともに書いているものではない。
デフレ下の消費税引き上げに伴う、実体市場の資金枯渇がさらなる経済衰退を招き、もう一方の日銀の国債の引き受けの影響による金融市場のお金のだぶつきによるバブルの発生と、
円安が誘発した自国通貨安競争が、世界の金融市場にバブルを引き起こしており、それが崩壊することにより、より一層資金の枯渇が鮮明になっていくだろう。
現在世界で起こっているのは、インフレではなくデフレ下のバブル現象にすぎない。
この2大愚策が確実に日本経済を危機に陥らせるだろう。それがまた世界経済の危機をもたらすことになる。
アベノミクスというデフレ下の間違った経済政策が、日本の政府の借金を昨年(2千14年)の6月にとうとう1千兆円を越えさせてしまった。これは民間の借金と同等の額であるという。
おそらく、アベノミクスやそれに類似した政策がなされるなら、東京オリンピックが開催される2千20年までに確実に国の借金が民間を上回ろう。
これは消費税を引き上げという最悪のデフレ推進策をしなくても、アベノミクス自体にデフレを解消させる効果がないことを意味している。
そもそもアベノミクスは、デフレ下の大規模な金融緩和、低金利、莫大な公共投資、補助金による生産者優遇策などからなっており、それは端からデフレを解消させる能力はなく、経済を自律回復させたり、民間の経済を拡大再生産させるものではないものである。
このことはバブル崩壊後、幾多のアベノミクス型の経済政策を取ったにもかかわらず、なんらデフレ解消に効果がなかった事からも明らかである。
なぜならデフレは、実体市場の資金が不足し、生産能力に比べ消費力が著しく劣っている市場である。
このような時に、生産力を増強すると、市場の資金の多くが生産に回り、ますます消費する資金が逓減する。
これが生産量が増加しても、所得が伸びず、借金が増加する原因である。
デフレではこのような収穫逓減の法則が成り立っているので、生産量を増やしても、耕作面積という消費額がほとんど伸びないため、収穫がある一定以上増えると逓減し始める。
45度以下の所得線が支配するデフレ市場での、生産刺激策は、所得の増大より借金の増加の方が大きくなる。したがってこのような政策を続けると最終的に資金が枯渇し、破綻する。
このようなデフレ解消のためには、実体市場のお金を増やし、消費者側の資金を増やさなければならないのである。それは個人の預金金利を引き上げたり、国民負担を軽減する事などで実現できる。
しかし残念ながらアベノミクスはことごとくこの反対の施策を取ってきており、しかも禁じ手の国債の日銀買い取りという、戦時下を連想させる最悪の手を取り、日本経済の根幹を揺るがせつつある。
アベノミクスはそのいずれもが生産力を増大させるものであり、生産者側に片寄った政策になっている。株価の上昇も生産者側への寄与にすぎない。
そのため不必要な資金が生産者側に流れ、膨大な内部留保や、上場企業の業績とは関係のない金融資産の増大、大手チェーン店等による不必要な過剰な出店などが大問題になっている。
しかも生活保護所帯の生活費の削減や、年金のカット、など消費する側への資金の供給をさらに制限しようとする動きが多々見られる。さらに消費税引き上げという、市場から資金を吸い上げる政策が実施され、日本は再び激しいデフレスパイラルに陥った。
特にデフレ下での所得増大のために生産増を促す政策や、生活保護費、年金の支払い、などの生活扶助を削減する動きは、アベノミクスの首尾一貫した考え方であり、このような経済政策を取っている限り、デフレからの脱却どころか、さらなる貧困と、低所得化を促進し、日本の産業基盤を破壊するだろう。
このようなデフレを促進させるアベノミクスの政策の中でも、最悪のものは、日銀の国債買い取りであろう。
国の借金を何の担保もなく、お金を刷って、金融市場に流している。
その結果円安となり、国の資産や、多くの企業、産業群が外国資本に安く買い叩かれ、外国資本の傘下に落ちている。
しかも国内銀行の収入源であった国債を日銀が断ち切ったため、銀行の運営に不安が生じ始めている。
国債を日銀が買い取っても買い取っても、そのお金は金融市場に流れているのであり、実体市場の消費者に向かっていない。そのため需要の増加による物価の上昇が全く実現していず、その上昇の多くは、円安による輸入物価の上昇である。
あるいは、原油価格の低下に見られるように、日本の国内市場の需要供給の要因ではなく、海外の諸事情によるものばかりである。
日銀が金融緩和をする理由の一つに、物価の上昇を2%するというものがあったが、物価の上昇、下降の原因になっているのは、ほとんどが、円安や、海外の諸事情によるものであり、肝心の日本の実体市場を反映した需要と供給による変動によるものではない。
これは日銀の金融緩和がなんら実体市場に対して全く効果がなく、無意味なものであることを証明している。
しかも国債の買取りも際限なく続いており、株価の維持も続けている。やめることができない状況になっている。
ヨーロッパでも同じような金融緩和策を取り始めたが、早速ドイツは金を買い始め、マルクに戻るための担保を確保しようと動き始めているようだ。
この動きは、ドイツが先の又は先々の戦争で、政府が何をし、経済が破滅に向かったをよく知っているからである。
アベノミクスの問題点の一つに、一時的にある一定層が潤うことがある。例えば円安により輸出産業が潤い、あるいは金融市場への資金増加により、証券会社や、上場企業が得をする。
公共投資により、オリンピック関連や、復興関係業者が潤う。
低金利などの生産刺激策により企業が潤う。
そのため、このような政策に対し世論は好意的な方向に向きやすい。しかし実際は、一時的なもので、自律回復しない政策である。投資した資金がなくなると、すぐに経済がしぼみ、借金が増加するものである。
デフレ下でのこのような政策、すなわち専ら生産量のみを増大させる政策は、一時的に、一部に利益をもたらすが、全体的には、それ以上のマイナスをもたらすものである。
それ故支持してはいけないものである。
なるほどこのような自民党の御家芸の経済対策は、戦後間もなくから、1990年までは、経済が拡大し、自律的に成長した。
しかし1990年初頭のバブル崩壊後、このような政策はことごとく失敗し、経済が自立的に成長したり、拡大再生産するようなことはなかった。
それ故アベノミクスの恩恵も一時的であり、拡大再生産の伴わないものである。公共投資などの資金がなくなると、元の木阿弥となり、自律回復しない生産の増加にすぎないものである。
しかもそれ以外の層への恩恵が少なく、国の借金だけが均等に増えていく。
このような政策がなされるたびに日本のパフォーマンスが落ちていく。経済界にしろ、金融界にしろこの刹那的な回復に拍手し、喜んでいる。日本全体の、パフォーマンスを見ていないのである。
このように、結論として、アベノミクスといわれる政策は、デフレ下で行なってはいけない政策なのである。
消費税の引き上げとアベノミクスの組み合わせの評価。
結論:デフレを促進し、国民を困窮させ、不当な対価で長時間、荷重に労働させるものである。
消費税引き上げという市場からの資金の徴収と、生産量の増加を強制させる政策は、なんら見返りなしで、労働させるようなものである。
2千15年の経済対策は、すべてこの範疇に入るものである。悲惨である。
さらにまだなお多くの政治家、経済専門家が、消費税を2%さらに引き上げるために、暗躍している。日本経済がどのような事態を迎えているか全く知らないのである。凄惨
一言主。http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi
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