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黄金の日日
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混迷した閉塞感のある時代には突破力のある英雄が現れることを一般大衆は期待します。
ニーチェのいう超人など英雄待望論は昔からあります。
もっとも、英雄待望論は、ポピュリズム(衆愚政治)の危険と隣合わせです。
ヒットラーなどがいい例でしょう。かれの支持率は100%近くありました。
日本ではヒーローというにはあまりにカリスマ性に欠けて小粒ですが、土井、小泉、石原、橋下、安倍などのプチ・ポピュリストが選挙で勝利を収めています。
朝生で論敵を論破して一躍、リベラルのカリスマになった湯浅誠氏は、ヒーローを待ち望むなと、最近の英雄待望論の風潮に警告をしています。
独裁制の場合、その独裁者の政治的判断能力に問題があった場合、国民は悲惨です。逆に、その独裁者が優秀だった場合は、民主主義よりもはるかにすぐれた政治が実践されます。
シンガポールなどがいい例でしょう。
もっとも、後継者の問題があり、持続性の問題があります。
「銀河英雄伝説」では、そのあたりの民主主義(共和制)と独裁制のジレンマを描いていました。
日本のポピュリストの場合は、政治判断のセンスがない政治家が多いようです。
是々非々でみても、現役の橋下、安倍の両氏はほぼ主要な政治判断すべてで間違った判断をしているように思います。
世界の英雄はどうでしょうか?
オバマは、任期中すべての選挙が終わり、いまはフリーダムで自分のやりたい政治をやっています。
その柱は格差是正と平和主義です。そのため、ユダヤロビーの巣窟の議会、財務省、FRB、ウォール街、ユダヤ&アングロサクソン資本家傘下ネオコン、軍産複合体、マスメディアなどと衝突しています。彼らは、絶えず戦争と混乱を望み、ドルと株価を釣り上げ、強欲に更なる格差拡大を推し進めようとしています。
オバマはマスメディアを敵に回したことで、レームダックという烙印を押されて、支持率が低下しています。
対照的にロシアのプーチンは、厳しい経済制裁を受けているにもかかわらず高い支持率を得ています。
国民の多くが、厳しい不況を経験したことがあるためか、忍耐強いスラブ人の気質か、目先の利己的な利益よりも大局的な国益や大義を重視しているからだと思います。
世界には、プーチン以外にも、英雄になれるポテンシャルがある政治家がいるようです。
それは、ギリシャの若きリーダー、アレクシス・ツィプラスとその盟友のヤニス・バルファキスです。銀河英雄伝説でいえば、ヤン・ウェンリーとワルター・フォン・シェーンコップといったところでしょうか?
この二人には、なんといってもカリスマ性があります。政治家は外見とコミュニケーション能力が重要です。
ツィプラスの人を惹きつける笑顔と、攻撃に転じた時の迫力のギャップは魅力的です。
ダークなスーツにド派手なシャツ、皮のライダースを粋に着こなすバルファキスはハリウッドスターのようです。
ギリシャ新財務相の「男らしい風貌」、ドイツで大人気
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPKBN0LE0HK20150210
彼らは、外見だけでなく交渉の術にも長けています。
ツィプラスはポーカーの達人で、バルファキスの専門はゲーム理論です。
結局、トロイカはギリシャをユーロに残す選択をせざるを得ないことを前提に大暴れしています。
ギリシャがユーロを離脱すれば、他のイタリア、スペインなどのラテン国家も追随してユーロは崩壊すると恫喝しています。
ギリシャがデフォルトして一番、損をするのはドイツなどの債権国です。
ギリシャは、中国やロシアからその後、支援をえられるでしょう。
ギリシャは、中国やロシアが、不安定な中東を迂回して、地中海にアクセスするための地政学上重要な国です。ロシアはパイプラインのルート、中国は港が欲しいはずです。喜んで資金援助するでしょう。そもそもギリシャの「国教」は正教会でロシアと「文明」的なつながりは同じです。
ギリシャの二人が挑発的な発言をすれば、ユーロは売られます。ユーロ安は、観光立国であるギリシャにはプラスです。ギリシャは2014年にプライマリーバランスの黒字化を達成しました。その緊縮財政を実行しつつ、リセッションから脱しています。IMFなどの2015年のGDP成長率見通しは3%程度で、一人勝ちとマスコミが煽る米国の見通し以上の成長が予想されています。更にユーロ安がすすめば、経済成長が加速化することも考えられます。
アメリカとしては、ギリシャに暴れたもらったほうがユーロ安、ドル高になるので歓迎でしょう。出来レースで合意に達する瞬間を利用して、強烈なリスクオンを仕掛けるつもりでしょう。
ドイツとしても、結局、ギリシャに妥協したとしても、それほど国益を損ねません。ECBの量的緩和で被る国民不利益に比べると微々たるものでしょう。対ウクライナでロシアに譲歩するのも量的緩和に比べると容易なはずです。
もっとも、国民世論がありますし、ユーロのリーダーとしての建前、モラルハザードの抑制を図る必要もあります。
そのため、メルケルなどは、一応は戦う姿勢をみせるでしょう。
でもそれもポーズにすぎないはずです。
グリーンスパンなどは、ギリシャがユーロを離脱することは必至だといっています。以前のギリシャ危機のときも同じことを言っている識者は多かったと思います。
しかし、結局、ゲーム理論からして、当面のギリシャのユーロ離脱(Grexit)はないと思われます。
それが、関係各国にとってWinWinです。
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