http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/548.html
Tweet |
<日本・製造業>広がる国内回帰 円安で逆輸入製品採算悪化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150212-00000006-mai-brf
毎日新聞 2月12日(木)7時30分配信
◇工場新設などの大規模投資には及び腰
積極的な海外展開を進めてきた日本の製造業大手が、国内生産回帰に動き出した。円安の定着で、国内から輸出しても一定の利益を見込めるほか、海外から逆輸入している製品の採算が悪化しているためだ。ただ海外生産を取りやめるわけではなく、工場新設などの大規模投資には及び腰。日本国内での「ものづくり」が本格的に復活するかは見通せない。
「現地で造り切れない分は、日本(の工場の生産設備)をできるだけ使う。日本の『ものづくり』をブラッシュアップしたい」。日産自動車の生産部門を統括する西川(さいかわ)広人代表取締役チーフ・コンペティティブ(競争力)・オフィサー(CCO)は9日、記者団に「国内回帰」の狙いを説明した。
為替変動による業績への影響を抑えるため、日産は消費地に近い地域で生産する「地産地消」を徹底してきた。2010年には、円高への対応力を高めようと、量産小型車「マーチ」の追浜工場(神奈川県横須賀市)の生産を停止。タイ製マーチの日本への逆輸入に踏み切った。日本に関しては事実上、地産地消の例外を作ったことになる。14年の海外生産比率は83%と大手自動車の中で最も高い。
ところが、昨年以降、景気回復に沸く米国ではSUV(スポーツタイプ多目的車)「ローグ」(日本名エクストレイル)などが好調で、生産が追いつかなくなっているという。このため現在、年90万台の国内生産を、17年度までに110万台に引き上げ、北米工場を補完する方針だ。カルロス・ゴーン社長は「1ドル=75円なら米国で造っただろう」と話し、円安基調が決め手となった。
キヤノンは今後3年をメドに、現在4割程度の国内生産比率を6割程度に増やす。プリンターや複合機などの新製品を出すタイミングで、順次国内生産に切り替える。田中稔三(としぞう)副社長は「超円高が是正され、海外での人件費も上がってきた。日本で造るチャンスだ」と説明する。
製造業大手が、海外生産を本格化させたのは、00年ごろから。円高の進行で、日本から輸出した製品の現地価格が割高となり、競争力が低下。日本国内の人件費が、アジア諸国に比べて高いことも、中国や東南アジアに生産拠点を移す動機となった。
さらにアジア各国は経済成長を続け、生産地でなく、世界の一大消費地に変わったことや、08年のリーマン・ショック後の円の急伸が、海外生産の流れを決定づけた。
だが、第2次安倍政権が誕生した12年末以降、大規模な金融緩和への期待などで円安が加速。シャープやパナソニックの輸入製品の採算は悪くなり、海外生産がかえって冷蔵庫や洗濯機など白物家電部門の減益要因になってしまった。シャープは中国から逆輸入している小型冷蔵庫やテレビの一部を国内生産に切り替えるほか、パナソニックも、中国で生産してきた縦型洗濯機や電子レンジの一部を国内に移す。
もっとも、各社とも工場新設などの大規模投資には慎重。円高が一服していたリーマン・ショック前に、シャープなどは国内で大規模なテレビ工場などを建てたものの、その後は韓国勢などとの国際競争に敗れ、経営難に陥った苦い経験があるためだ。
しかも、消費地の近くで造った方が輸送費を抑えられるほか、現地の消費者の好みをより早く製品開発に反映させられるメリットがある。このため「地産地消の原則は変えない」(日産の西川氏)とする企業がほとんど。工場内での自動化技術も進んでいるため、国内回帰が日本の製造業の雇用増に直結しない可能性もある。【山口知、古屋敷尚子】
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。