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なぜ、インフレ率2%計画は破綻したのか 日銀総裁の語る理論は、そもそも間違い(週刊東洋経済)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/519.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 2 月 10 日 22:32:06: igsppGRN/E9PQ
 

         東京日本橋にある日本銀行本店(撮影:尾形文繁)


なぜ、インフレ率2%計画は破綻したのか 日銀総裁の語る理論は、そもそも間違い
http://toyokeizai.net/articles/-/59973
2015年02月08日  リチャード・カッツ:本誌特約記者(在ニューヨーク) 東洋経済


日本銀行ははっきりと降参の白旗を上げてはいないが、灰色の旗を出している。2013年3月に黒田東彦氏が総裁に就任した際、彼は「2−2−2プログラム」というものを掲げた。これは、2年間で、2%のインフレ率を、いわゆるマネタリーベースを2倍にすることで達成しようというものだった。

日銀は日本国債を大量に買い入れてマネタリーベースを倍増させたが、逆に民間保有分が減少し、1年物と2年物の国債金利がわずかにマイナスになるほどだった。また、全体の5分の1の銀行貸し付けには、0.5%以下の金利を課している。

にもかかわらず、日銀は大部分のエコノミストたちがずっと言ってきたことを最終的に認めざるをえなくなった。2年で2%のインフレ目標は無理なのだと。

■インフレ率0.9%見通しも、まだ高い

2013年4月、黒田氏率いる日銀政策委員会は2014年度のインフレ率は1.4%(生鮮食品と消費増税分を除いて)になると約束していた。しかし今年1月21日、日銀は予測を0.9%に下方修正した。そして多くのエコノミストがこの数値はまだ高すぎると見ている。

2年前、日銀は2015年度に1.9%のインフレ率を達成して目標を実現すると約束したが、今になって、インフレ率は1.0%にしかならないと言っている。英HSBCなどの民間のエコノミストは、実際の数値は0.5%に近いと述べている。

原油価格の下落により、今年の春は一時的なデフレ期間となっている。今回の日銀の下方修正の発表では、目標は2016年度に達成するとし、そのインフレ率は2.2%だと宣言している。HSBCは再び、実際にはその約半分の1.2%であろうとしている。HSBCが正しいとすると、「2−2−2」は「3−1−4(マネタリーベースを4倍にして3年でインフレ率を1%へ)」に変わりうる。このことから黒田氏の信任度低下が複数のメディアで報じられている。

黒田氏は目標未達を原油価格の下落のせいにしたいようだ。それも一因ではあるが、それより、2−2−2計画の裏側にある理論の全体に本質的な欠陥がある。

黒田氏は「自己実現する予言」という魔法を信じている。人々と企業がインフレ率が2%に到達すると本当に思うように仕向ければ、人や会社はそれが実現するかのように行動する、という。つまり、人々は物価が上昇する前にもっとカネを使うようになる一方、企業は人を増やして賃金をより多く払うようになる。

言い換えると、インフレ率が2%になるかのように行動することで、本当に2%になるというのである。

このロジックは事実に反している。英国内閣事務局が20年間蓄積してきたデータは、人々はインフレを予想すると消費を控えることを示している。

なぜなら、人々は、賃金は物価ほど上昇せず、実質的な収入が下がることを正しく予測するからである。だが、黒田氏は、理論の世界に住んでいるようだ。

■いくらガソリンを入れても、車は動かない

黒田理論に基づいて、安倍晋三首相は1年前に、インフレと消費増税を補うに十分な「驚きの賃金上昇」が2014年に起こると「確信している」と書いている。安倍政権で実質賃金は5%も下がっている。

もし安倍首相がほかの2本の矢も本当に実施していたら、黒田氏の大規模な金融緩和はもっと成功していたであろう。だが、よく知られる安倍首相の「3本の矢」のいずれも、ほかの2本がなければ成功しないのである。

残念なことに安倍首相が財政刺激策をやめて財政緊縮策を採用したため、3本目の矢は単なる聞こえのよい目標にすぎなくなってしまった。黒田氏を自動車整備工に例えるなら、「車はガソリンが必要だから、15ガロンのタンクがついた車に30ガロンのガソリンを入れればうまくいく」と言っているようなものである。

エンジンがおかしいとお客が指摘すると、黒田氏はさらに30ガロン追加しようと勧めてくる。それでも車が動かないと、ため息交じりにこう言うのである。「“アクセル期待感”を持って車が動くと信じれば、車は動くのですがね」と。

(週刊東洋経済2015年2月7日号)

 

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コメント
 
01. 2015年2月10日 23:48:56 : jXbiWWJBCA

>2年で2%のインフレ目標は無理

これは既に、多くのエコノミストが予想していた通り、金融政策のみで、外的条件とは無関係に、

インフレ率を自由にコントロールできるものではないというのは、既にコンセンサスになっている。

>黒田理論〜「自己実現する予言」という魔法〜インフレ率が2%になるかのように行動することで、本当に2%になる

黒田理論というより、バーナンキらリフレ派の典型的な理論。


>このロジックは事実に反している。英国内閣事務局が20年間蓄積してきたデータは、人々はインフレを予想すると消費を控えることを示している。
>なぜなら、人々は、賃金は物価ほど上昇せず、実質的な収入が下がることを正しく予測するから

東洋経済は反リフレ・反インフレターゲットだから、英国のデータを、上のように解釈しているが、

一部のリフレ派では、インフレによって可処分所得が減り、結果として実質消費が減ると解釈している。


それに0金利下ではインフレターゲットやQE政策単体では、それほど効果がないことは、既にわかっていたが、

英米などで採用されていたことから、デフレ不況期の日本の政治家やメディアは、

散々、白川日銀を叩き、2%目標や緩和政策強化に追い込んだというのが現実。

>安倍首相がほかの2本の矢も本当に実施していたら、黒田氏の大規模な金融緩和はもっと成功していたであろう。だが、よく知られる安倍首相の「3本の矢」のいずれも、ほかの2本がなければ成功しないのである。残念なことに安倍首相が財政刺激策をやめて財政緊縮策を採用したため、3本目の矢は単なる聞こえのよい目標にすぎなくなってしまった。

ここは、ほぼ最近のコンセンサスになりつつあるようだが、財政緊縮になったと言っても、未だに巨額の財政赤字が発生しており

異次元緩和によって、実際に過去長期間続いたディスインフレ状況からインフレに転換したというのも事実。


そして異次元緩和の真の役割は、金利上昇圧力を減らすこと(金融抑圧)で財政再建を行うこと、

つまり魔法(投機)によって通貨安インフレに誘導、低賃金雇用を拡大し、一方で日本の一般家計へ実質金融課税を行うことで、

膨大な累積赤字の財政ファイナンスにあったという、過去の英国と同様の結果になりそうだ。

http://ecodb.net/country/JP/imf_inflation.html

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N05WWC6JIJUP01.html

バーナンキ議長は短期の政策金利をゼロとした後に、長期金利を押し下げることによって信用コストを下げる政策をひねり出した。住宅ローン担保証券(MBS)と年限の長い米国債を大量に購入するこの戦略は、FRBのバランスシート を4兆1000億ドル(約421兆円)という史上最大の規模に膨らませた。

バーナンキ議長が残すFRBの姿は、2006年2月1日の就任時から様変わりしている。議長が目指したのはインフレ目標の導入であり、議長個人から連邦公開市場委員会(FOMC)全体に権力を分散し、前任者アラン・グリーンスパン氏が作り出した一種の神秘性を弱めることだった。

インフレ目標と議長会見
8年の間に議長はこれらを成し遂げた。2%のインフレ目標は12年に導入された。FOMCはより民主的な組織になり、メンバーはこれまでよりも自由に意見を交換できるようになった。政策金利見通しを含む景気予測を年4回公表することも、四半期に一度の議長記者会見もバーナンキ議長が導入した。
危機への対応として行った改革の功罪については、短期間では結論が出ない。1兆5000億ドルのMBS購入や2兆4000億ドルの銀行の超過準備の巻き戻しや縮小がうまくいくかどうかは、誰にも分からないからだ。また、住宅ローン金利押し下げなどの政策はFRBの政治とのかかわりを深め、公開市場操作の規模と影響力によって金融市場への関与はかつてないほど大きくなった。


02. 2015年2月11日 00:26:24 : EmlyqzO1DE
アメリカの黒子総裁;黒田日銀といったところですね。

間違った理論を言い張る馬鹿な御用学者を公表しましょう。


03. 2015年2月11日 07:37:26 : jXbiWWJBCA

>>02

金融政策だけで、他の要因の変化を無視してインフレ率を制御できるわけではないし、

成長戦略による生産性の上昇なしでは、実質賃金の下落という副作用が無視できないという、これも当たり前の結果が実証されただけのこと

リフレ万能派は否定され、海外の影響や、産業構造、財政政策など、他の要因の重要性がたが

金融緩和政策がインフレ期待(投機)を刺激し、通貨安インフレと景気刺激を引き起こす効果は実証されたので、リフレ理論の定性的な部分が間違っているわけではないので、

金融緩和政策を全否定し、財政均衡優先の緊縮に走ると、欧州のように、生産性の低い周辺地域では、高い失業と産業崩壊、さらに金利上昇による財政コスト上昇という無意味な苦しみを味わうことになる


04. 2015年2月11日 07:39:58 : jXbiWWJBCA

重要性がたが=>重要性が示されたが
 

05. 2015年2月11日 08:50:02 : 4jpSgFMXes
何故消費税増税を強行したのか。 デフレ脱却が目的であれば、金融緩和と同時に増税をするべきじゃなかったことは明らかでしょう。 それを問題にしないエコノミストの解説は無意味だと思うがね。

06. 2015年2月12日 11:45:47 : urxvtQOtCs
生産性の向上は、成長戦略にあるのでなく企業経営者の努力と知恵にある。現在の多くの経営者が政府に頼りきって、自分の企業の事業革新をしないでいることに問題がある。

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