http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/505.html
Tweet |
1月景気ウォッチャー調査
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52684638.html
2015年02月09日 在野のアナリスト
農協改革が、結局は骨抜きになりました。安倍政権は改革した、という形をつくり、農協は骨抜きして満足、で手打ちです。これは統一地方選にむけて、農協の協力を得たい地方議員と党内の声に押されたものであり、岩盤規制に穴を開けるどころか、最初の意気はどこかにすっぽ抜けてしまった。こんな変化球をつかうぐらいなら、初めから手をつけない方がよかったほどです。
各社の世論調査が出てきましたが、安倍政権の支持率が微増、不支持が微減、中東歴訪は支持しないものの、人質事件の対応は支持する、と何とも不可思議な結果です。人質がいることを知って歴訪しているので、歴訪自体に問題があれば、それは対応全体の評価を落とすはずなのにそうなっていない。大手メディアの論調に添う、極めて模範的な調査結果が並んだ、という印象です。ジャーナリストの池上氏が「罪を償わせる」を、ISILが誤解したと述べていますが、米紙も『誤解』するのなら、それは日本人の感覚が海外の反応と乖離していることを意味するのです。つまり安倍氏は、日本人が考えている以上に『危険、極右』的な人物と捉えられており、同じ行動、言葉でも人によって印象が変わるように、そうした認識の差がいわゆる『誤解』とするのなら、日本人は安倍氏のやること、言うことに関して、世界の見方からはずっと『誤解』と看做され続けます。これは誤解を生む原因まで考察しなければならず、ISILや米紙をただ誤解した、と責任を押し付けるだけでは、相互理解という最も大事なことが欠けたまま、となるのでしょう。
1月の景気ウォッチャー調査が出てきました。現状判断DIが45.6と、前月比で0.4pt改善。先行き判断DIが50.0と、前月比で3.3pt改善し、早くもメディアからは「好転の兆し」と報じるところが出ています。しかし現状判断では、やや悪くなる、悪くなるが減り、変わらないが増えたための改善であり、これは横ばい意味する『改善』です。先行きは悪くなる方向から、良くなる方向に大幅に増えましたが、これは原油安の影響です。来年度のベアへの期待、製造業のラインが国内で復活することで、設備投資が増えることへの期待、などもコメントとしては載りますが、多くは原油安で消費が一服つく、という期待に支えられての改善であり、あまり好感できません。
一部では、これから急激にすすんだ円安により売価が上がる、というコメントもあり、昨年9月以降にすすんだ円安の悪影響が、これから出るとするものがあります。日銀はインフレ目標を2年で2%から引き下げましたが、ここからは原油安とさらにすすんだ円安と、その両面への目配せが必要です。そしてはっきり物価高、客の戻りが鈍い、とするコメントなどが並ぶのを見るにつけ、今の日銀の政策が本当に正しいのか? ということに懐疑的にならざるを得ません。
雇用関連が、現状で54.8と5.8pt改善。先行きで57.1と5.9pt改善と、好調さが目立ちます。これは新卒採用時期と重なることからも類推できますが、人材派遣大手には国から事業が発注されており、この回答には注意も必要です。一部コメントでは求人数が減少しているなどもあって、二極化しているのか、職安の審査が甘いことを知り、ブラック企業の求人が増えたのか。いずれにしても、他の指標との整合性があまりないほどの改善傾向である点は警戒すべきでしょう。
相変わらず目立つのは、外国人旅行者がくるところは追い風、という現状です。円安でも企業は日本から輸出するのではなく、日本に輸入する部分を内製しよう、という効果しか出ていませんが、外国人旅行者の大量消費、という点に極めて大きく寄与しています。それだけでは景気ウォッチャー調査を押し上げる効果は低く、原油安効果の継続次第、というところでもあります。
消費動向調査も出てきましたが、1年後の物価が『上がる』と考える人は87.4%もいる一方、消費者態度指数は39.1と低いままです。下げ止まり、とはしますが、消費に改善傾向は見られません。これで、各社の世論調査でも安倍政権の経済政策は『評価する』が多数を占める状況ですが、世界からみると日本人はこれも『誤解』している、と映るのかもしれませんね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。