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都心の不動産はバブル状態 (写真と本文は関係ありません)
東京の不動産市場は「バブル」 アジア資本が狙い撃ち
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150208/ecn1502080830002-n1.htm
2015.02.08 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
香港のテレビ局が私のところに取材にきた。
「日本の不動産価格は今後どうなりますか」
そういうことを聞きたかったようだ。
いま外国人が日本の不動産を購入する動きが目立っている。東京都心で販売中の某タワーマンションのモデルルームでは、中国語が飛び交っているそうだ。
円はドルに対して、この2年余りで3分の2に下がった。ドル建てで考えれば日本の不動産は3年前の3分の2の価格で買える。
さらに日本では不動産の完全な私有権が認められ、法律によって保護されている。外国人の不動産所有についてもほとんど制限がない。
他のアジア諸国では、そもそも完全な所有権を認めていないところが多い。そこを考えても、日本の不動産は東アジアの人々にとって魅力的に見えるのだろう。
しかし、いまの都心の不動産市場はバブルである。マンションで言えば、新築も中古もこの半年で急速に値上がりした。
何をもって「バブル」と呼ぶのかはっきりさせておこう。私の基準は、投資利回りである。賃貸で回した場合、1年間で得られる収益が、物件価格の何パーセントになるのか、ということ。
3%を切ればバブルだと思う。今の東京都心で販売されている大半の新築マンションは、この基準を下回っているはずだ。だからバブル価格。
逆に、これが8%を上回れば割安水準にあると考えていい。5%くらいが適正ではなかろうか。
地方へ行けば投資利回りが10%以上の「割安物件」がゴロゴロしている。しかし、想定される賃料で借りてくれる人がいるのかどうかが怪しい。また、現在の賃借人が退去したら次が見つからないということも十分にあり得る。
日本以外の東アジアでも、多くが3%未満のバブル状態にある。だから、少し前まで3から5%で回っていた都心の不動産を東アジア系の外国人がどんどん買っていた。
ただし、東京の不動産は未来が明るくない。私は香港のテレビにこう答えた。
「経済成長しない国の不動産価格は上がりません。日本はこの24年間ほとんど経済成長をしていません。これからもしないでしょう。経済成長せず、人口が減っている日本の不動産は、価値が下がるだけです」
彼らはビックリしていた。アジアの国々は、ほとんどが経済成長している。だから「不動産価格は上がる」というのが常識。日本だけが例外なのだ。
例えば、私が紹介しているバリ島の不動産。そもそもインドネシアの経済成長は目覚ましい。しかもバリ島への観光客は年々増えている。
だからバリ島の不動産は常に値上がりしている。5年前の10倍というケースもザラ。それでも、投資利回りは15%程度の物件が多い。したがって、今の価格もバブルとは言い切れない。
経済成長の違いが、不動産価格を左右するのだ。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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