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最近の市場の動き
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52684544.html
2015年02月08日 在野のアナリスト
昨年の日本企業による海外子会社の配当収益の還流が、4兆円を越える規模と報じられています。6兆円の投資収益のうちの4兆円ですから、まだ少ないとみられますが、来年度から当事国で課税されない分は、日本で課税する方針となったことも、還流を促進したとみられます。問題は、4兆円分の円買いが起こったにも関わらず、それを越える規模の円売りによって、今の円安が維持されている点です。先週末の米雇用統計をうけ、米国の早期利上げ観測が浮上、ふたたび円安方向にふれていますが、そもそも論としてFOMC声明でも、FFRBはタカ派を維持しており、利上げ時期について右往左往しているのは市場ばかり、という問題もあります。ただそれ以上に、米国の景気が為替に影響し、ひいては日本の景気にも影響する、というのは大きな問題です。
内閣府が12月の景気動向指数を発表し、前月比1.5ptプラスの110.7となり、基調判断を『改善』に引き上げています。しかし『下方への局面変化』からの改善幅が小さく、これまでの判断と比べても『改善』とできるか、微妙なところです。しかも、各種統計でも示されるように、自動車と電子部品などの携帯電話、タブレット関連の伸びに支えられた改善です。自動車は原油安で、米国市場の伸びに支えられ、携帯電話、タブレット関連は格安スマホと呼ばれる、新興国向けが伸びている。つまり通常の景気改善に伴うものとは、かなり異なる状況です。
米国でもやっと賃金の伸びが見られますが、労働時間は増えておらず、またここに来てシェールガス関連の人員整理が相次ぎます。本来なら、ここから賃下げ、失業率の高まりが起きてもおかしくない局面で、むしろ雇用統計では逆の動きがみられる。これはドル高で減益になる企業が相次ぐことも同様に、ここから米国で賃金が伸びるなら、急速に世界からみて競争力を落としますし、ミクロの伸びに鈍化がみられる中で、賃金が伸びるという現状にはかなり違和感があります。
日本でもそうですが、マクロの悪化と比べ、ミクロの堅調さがとても異質に映ります。海外収益が寄与している、といっても世界全体でみて景気がいいのは米国ぐらいで、稼げる市場はそれほど多くありません。米国のマクロも怪しい数字が増えていますが、それでもミクロが好調かどうか? この違和感だらけの数字に、しばらくすると何かの答えが見えてくるのでしょう。
日本の株式市場は、2月に入ってからじわりと売買高が増えており、また先々週の主体別売買動向をみても、外国人投資家が先物を大きく買い越しています。日銀が想定を超える規模で買いの出動をする今、買うことに安心感がある点が大きいのでしょう。ただそれが現物株へは波及せず、相変わらず買うのは年金系などの公的マネーです。最近、グローバルマクロ系の動きが活発ですが、各市場ごとに再分化された理屈をとって、売買しているようです。それが債券市場と株式市場の見方がまったく逆になったり、商品先物系でもそうです。その思惑の差は極めて分かり難く、また恣意的だと言えるのでしょう。それが次の危機を準備しているのかもしれません。思惑違いで溜めてしまった買いや売りが、ある日突然、反対売買で出てくる。そうした不意の変動が、また市場の値動きを大きくし、急変動といったことを起こし易くするのでしょう。露国が為替介入について、当分見送る方針と伝わります。こうして公的マネーの支えを失った市場が、どういった洗礼を受けるのか? 日本も他人事ではないだけに、よく注視しておく必要があるのでしょうね。
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