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【日本の解き方】「国の債務超過」公表のウラ 巨額資産の売却・整理が焦点
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150207/dms1502071000003-n1.htm
2015.02.07 夕刊フジ
財務省は、2013年度末の国のバランスシート(貸借対照表)をまとめ、14年3月末時点で資産・負債差額(負債が資産を上回る債務超過額)が490兆円になったと発表したという報道があった。
国のバランスシートは前から公表されている。1998年度から02年度までは試算として公表され、03年度からは正式版として公表されている。
実は、20年前に初めて国のバランスシートを作ったのは筆者である。その当時、資産・負債総合管理(ALM)を行う必要があり、その必要性から国のバランスシートを作成したわけであるが、幹部から口外しないようにかなり注意を受けた。
なぜかというと、あまりに資産が多額だったのだ。それまでは「国の借金が○兆円」などと負債額だけで財政危機を説明してきただけに都合が悪いというわけだ。
しかも、資産の大半が特殊法人などへの出資金・貸付金であったため、仮に資産売却・整理となると、特殊法人の民営化や整理が避けられず、官僚にとっては天下り先を失う可能性が高くなってしまう。
こうした経緯もあって、国のバランスシートを公表しても、役所言葉で「ロー・キー(抑制的)」で行い、あまりマスコミへ説明しなかった。バランスシートの資産・負債差額(債務超過額)の数字があっても、財務省が説明しないので、マスコミは記事を書けない状態だった。
今回、資産・負債差額が報道されたのは、財務省が説明しているはずだ。どうして、このような方向転換があったのか興味深い。
資産・負債差額に着目するのは世界標準なので、財務省もようやく世界に近づいたというのが一つの理由だ。もっとも、ほかの国は政府資産が少額なので、資産・負債差額で見ても、負債額だけを見ても大差ない。日本の場合、資産額が600兆円を超え、これは世界で最大である。
もう一つ考えられる理由は、債務超過額を示せば、政府資産の売却・整理は追及されないということもある。売却・整理しても債務超過額はそれほど変わらないからだ。
これは、資産のうち外貨債権が100兆円以上あり、それが最近の円安で20兆円程度の含み益が出ているという事実が大きい。この話は本コラムの読者であれば周知だろうが、官邸も知っている。いずれ何らかの対策をせざるを得なくなるので、今のうちに、債務超過額をアピールしたのだろう。
正しい財務運営は、資産を圧縮して有利子負債をその分減少させることだ。報道された13年度末バランスシートでは、資産653兆円のうち、現預金19兆円、有価証券129兆円、貸付金138兆円、出資66兆円、計352兆円が比較的換金可能な金融資産である。
これまで財務省は、道路などを例に挙げて、政府資産は換金できないと説明してきた。これは有形固定資産178兆円にはあてはまるが、その約2倍にもなる金融資産にはあてはまらない。特殊法人などを廃止または民営化すれば換金可能だ。問題の金融資産について、財務省はこれからどのような説明をするのだろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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