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雑感。ギリシャ問題の再燃
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52684358.html
2015年02月06日 在野のアナリスト
あまり大きく報じられませんが、イスラエルのネタニヤフ首相が解散、総選挙を表明しています。安倍首相の中東歴訪で、軍事関連も含めて外交をしたのですが、この解散、総選挙では左派連合が有利とされています。左派連合政権が誕生すれば、強硬派のネタニヤフ政権より軍事予算も削られるはずなので、日本の兵器輸出、もしくは共同開発なども頓挫するかもしれません。
元々、安倍政権では日本の兵器輸出に前向きですが、輸出できる相手がいません。米露の横流し品や、今では中国製もあるかもしれませんが、紛争地域は貧乏であり、高い兵器を買う予算がないのです。しかもどちらか一方に肩入れすると、外交関係をおかしくするかもしれず、また反米勢力に渡れば米国から何を言われるか分かりません。米露の軍事産業は強いので、イスラエルぐらいが輸出先として浮上しますが、その政権交代になれば事実上、兵器輸出は不可能となります。左派連合には、極右政党も参加する見込みなので、帰趨は読めませんが、世界でも数少ないシンパシーを感じる首相が、これでまた一人消えることが、安倍氏にとってショックなのかもしれません。
ギリシャ問題が再燃しています。チプラス政権が誕生し、反緊縮路線をうちだすと、ECBはギリシャ国債を担保とする特例措置による融資を解除、代わって緊急流動性支援枠として600億€を設定しました。これにより昨日は20%まで上昇した短期債利回りも、17%台へともどしていますが、まだまだ高い水準にあることは否めません。そもそもこの支援枠は、2週間ごとに報告が求められるなど、極めて使いにくいものであり、かつ抱えたギリシャ国債のデフォルト懸念もあって、ギリシャ金融機関にも波及しています。金融不安が国の信用まで落とす、その悪循環に陥りかけており、態度を変えないチプラス政権とともに、まだ情勢は流動的といえるのでしょう。
ユーロも対円では2円近く、1日で動いてしまう状態です。ギリシャがデフォルトになっても経済規模からみて影響はない、とされますが、今は反EUの流れに直結します。しかも、今は超緩和状態であり、金融の肥大化がポジションの拡大を促している。今は経済規模よりも、そうしたポジションのまき戻しによる変動が、更なる問題を引き起こします。帰趨は見えませんが、欧州でも続々と行われる選挙、そこで反EU勢力がどこまで伸張するか? その影響も懸念されます。
今年、欧州ばかりでなく豪国も政権の支持率が低迷し、危機的水準にあります。日米でもマクロの経済指標がパッとしませんが、ミクロが好調で株価は堅調です。しかし世界的にみるとマクロも、ミクロも悪いところが多く、政治不安に直結しているのです。ヨルダンがISILへの空爆を再開しましたが、パイロット殺害でヨルダン政府に向く批判を、ISILへと向けるためには戦争という泥沼に陥るかもしれずとも、攻撃するしかありません。今、世界はこうした政治リスク、批判、不満を外向きにする。こうしたリスクが一段と高まっている状況といえます。
米国の1月雇用統計が発表され、非農業部門の雇用が25.7万人増と、市場予想を上回りました。時間当たり賃金も上昇と、これ以上ない数字です。しかし労働時間は横ばいですし、残業時間は微減です。仕事が増えている感じはないのに、雇用と賃金が増えている。ややこうした動きに首を傾げるところです。U6失業率が小幅に上がっていることからみても、実はあまり職の質は改善していないのかもしれません。米国のミクロも、一部では家電小売大手が連邦破産法を申請するなど、米国内向けだけのところは苦境に陥っています。マクロとミクロの差、とともに浮かび上がる、何かすっきりしない状態。ゴルディロックとも言われますが、ちょうどいいけれど、なぜこの水準にいるのか? を正確に知っておかないと、次の変動の波がどこで起きるかは予測できない、ということかもしれませんね。
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