02. 2015年2月06日 19:23:01
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アングル:スウェーデンクローナに投機筋が注目、中銀の緩和観測で 2015年 02月 6日 16:22 JST [ロンドン 5日 ロイター] - 欧州で「通貨戦争」が広がりをみせる中、スウェーデンクローナが投機筋の注目を集めつつある。各国中銀は自国通貨を押し下げようと政策措置を相次いで繰り出しており、スウェーデン中銀も対応を迫られるとみられるためだ。欧州中央銀行(ECB)が先月1兆1000億ユーロ規模の国債買い入れ型量的緩和(QE)を発表すると、ユーロは他の欧州通貨に対して下落。これに対してスイス中銀はフランの対ユーロでの上限を撤廃し、デンマーク中銀は過去最大級の市場介入を実施した。 スウェーデン中銀(リクスバンク)は早ければ来週にもマイナス金利に踏み切り、量的緩和導入の体制を整える可能性がある。しかしこうした措置が力不足であれば、市場で直接クローナ売り介入を実施せざるを得ないかもしれない。 SEBのチーフ通貨ストラテジストのカール・ハマー氏は「スウェーデン中銀は市場に介入し、スイスやデンマークのようにクローナを押し下げるはずだ。その方が量的緩和や利下げよりも効果がずっと大きい」と話す。 ただ、スウェーデン中銀はこの十年以上、為替市場への介入を行っておらず、すぐに動くことはなさそうだ。 オプション市場の1カ月物ユーロ/クローナのリスクリバーサルは、足元ではクローナ安が続くと示唆している。 こうした市場の動きはスウェーデン中銀も量的緩和に乗り出すとの観測が一因。しかしスウェーデン中銀の量的緩和は毎月の資金供給額が150億─200億クローナ(2億3275万ユーロ)にとどまると予想されている。これはECBの同600億ユーロに大きく見劣りし、状況を大きく変える力はなさそうだ。 4日公表のロイター調査によると、現在1ユーロ=9.44クローナで推移しているクローナは3月後が9.36クローナ、半年後が9.33クローナと対ユーロで上昇が見込まれている。 <通貨戦争> スウェーデン中銀はスイスやデンマークと異なり、自国通貨に対して鷹揚な態度を取ってきた。前回市場に介入したのは2001年で、この時はクローナを買い支えた。 ジェフリーズの通貨ストラテジスト、スザンヌ・ギャラー氏は「いずれ介入に踏み切るという可能性を排除しないが、それは最後の手段だろう」と話す。 ただ情勢は01年当時とは一変した。スウェーデンの財政が健全で信用格付けが高かったことから、12年にユーロ危機が最も深刻化した際には投資家がクローナに殺到。その後ユーロ危機は沈静化し、一方でスウェーデンの成長が鈍ったことから、クローナはいったん下落した。しかしECBが先月下旬にQEを発表するとクローナは対ユーロで2カ月ぶりの高値に上昇。クローナ高でデフレ危機の懸念が高まり、スウェーデン中銀も迅速に行動する必要があるとの見方が広まった。 スウェーデン中銀が現在マイナス0.3%のインフレを目標の2%に押し上げられるかどうか、また最終的に市場介入を実施するかどうかで鍵を握るのは、中銀が非伝統的手段を導入した場合のクローナの反応だ。 シティのエコノミストのティナ・モーテンセン氏は、ECB、デンマーク中銀、日銀まで各国・地域の中銀がQEや利下げを実施している状況下では「スウェーデン中銀がQE導入を決めても為替相場への効果は比較的小さいだろう」と話した。 (Anirban Nag記者) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LA0K520150206 ドル/円は方向感出にくい、G20要人発言に警戒=来週の外為市場 2015年 02月 6日 17:55 JST [東京 6日 ロイター] - 来週の外為市場で、ドル/円は明確な方向感が出にくいとみられている。最近の米経済指標はさえない内容が多く、ドル買い気運が盛り上がりにくい。一方、不安定要因となっていた原油価格の下落に一服感もあり、大きく値を崩す可能性もやや後退している。
週初に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、要人発言を受けて突発的に動く可能性もあるので注意が必要だという。 予想レンジはドル/円が116.00─119.00円、ユーロ/ドルが1.1300─1.1600ドル。 <ドル/円はレンジ相場> 2日発表のISM製造業景気指数や4日発表のADP全米雇用報告など、米国の経済指標はいずれも市場予想を下回る内容だった。米雇用統計に対する期待感はそれほど高くなく、ドルはこのところの116─119円のレンジを脱するのは難しいとの見方が多い。 現在、外為市場の参加者の目線は、イベント豊富な欧州通貨や資源国通貨に向かっている。年明け以降、スイス国立銀行、欧州中央銀行(ECB)、カナダ銀行、オーストラリア準備銀行など各中銀が相次ぎ利下げを決める中、ドル/円は「脇役の通貨ペア」(国内証券)という様相だ。 市場では「雇用統計がポジティブに受け止められればドルが118円台に乗せる可能性もあるが、そこからさらに上がっていくには先行きに不透明感が残っている」(外為アナリスト)との声や、「弱かった際、最後の頼みの綱の米国もだめという雰囲気になって株安が進むことに警戒している」(大手邦銀)との声が出ていた。 <原油安には一服感> 原油価格の下落は、今のところ一服感が出ている。先月29日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物価格で、米国産標準油種(WTI)中心限月3月物CLc1は一時1バレル=43.58ドルまで下落し、2009年3月以来の安値をつけたが、3日の取引で54.24ドルまで持ち直した。 市場では、原油価格について「まだ油断はできないが、一時マーケットを席巻していたような底なし沼の雰囲気はなくなってきた」(国内証券)との声が出ている。原油相場が引き続き落ち着いた値動きとなれば、円高圧力が後退しそうだという。 <ギリシャ債務問題は引き続き警戒> 今週はECBがギリシャ国債を適格担保と認める特例措置を解除したことで、ユーロが大きく下落。その後、その影響はそれほど大きくならないとの見方からショートカバーが入った。 ギリシャの債券問題をめぐる市場のリスク回避ムードはやや和らいでいるものの、ドイツのショイブレ財務相は5日、ギリシャとの協議で意見の相違を埋められなかったことを明らかにした。予断を許さない状況も続いており「ネガティブなニュースが出れば、ユーロが再び売られる可能性がある」(国内金融機関)として警戒されている。 また、9日から10日かけて、G20財務相・中央銀行総裁会議が行われる。「要人発言の宝庫。発言をとらえて勝負しようと待ち構えている人も多く、一時的なノイズになる可能性があるので注意が必要だ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏)との指摘もある。 (為替マーケットチーム) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LA0R920150206 |