02. 2015年2月05日 22:46:07
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アングル:原田氏の日銀委員起用、追加緩和不要との政府見解反映の声 2015年 02月 5日 19:08 JST [東京 5日 ロイター] - 原田泰・早大教授の日銀審議委員への人事案提示について、BOJウォッチャーの間では、原油価格が下落している状況でさらなる追加緩和は不要との政府の立場と平そくがあったもの、との受け止めが浮上している。 市場では追加緩和の弊害が目立ってきているとの声も出ており、当面追加緩和は棚上げとの観測が市場で広がりつつある。 <追加緩和当面不要との政府意向を反映か> 原田氏は大胆な金融緩和を主張するリフレ派の論客とされ、従来の発言から、追加緩和手段として国債買い入れを重視しているとの見方もあるが、むしろ最近の発言で、2%の物価目標にとらわれず景気を重視すべきとの考え方をにじませている点に注目が集まっている。 市場関係者からは、リフレ派の原田氏が2%物価目標に柔軟姿勢を見せ始めた背景として「政府自身が、最近の原油価格下落の下で、過度な金融緩和で円安になることを是認しない姿勢を見せ始めていることと関連していると思われる」(バークレイズ証券・チーフエコノミスト・森田京平氏)との見方が浮上。「原田氏は原油価格が下落している現在の状況では、2%の物価目標水準に対して柔軟だ。日銀執行部より現在の政府に近いスタンス」(SMBC日興証券・シニアエコノミスト・宮前耕也氏)との見立てもある。 原田氏は、1月のロイターとのインタビューでも原油価格下落に関連して「2%目標を(2015年度に)達成できなくても良いのではないか。2%程度の(実質)経済成長が続けられるような政策運営が重要」と指摘。 このため「原田氏の起用は、日銀が政府と平そくを合わせて、物価目標をあいまい化する方向へ進むきっかけになる」(宮前氏)との見通しも出ている。 そうした過程で、黒田東彦総裁はじめ日銀執行部との間に、2%物価目標に関して相違が目立ち始め「物価安定目標の達成時期に関して、政策委員の間で差があることを市場が感じ取る機会はむしろ増えそうだ」(森田氏)との観測もある。 ある政府関係者も「10月末の追加緩和の際に、政策委員の賛否が4対5と割れた状況からみて、これ以上の緩和は難しくなるだろう」と見ている。 <追加緩和の可能性遠のくとの見方> 黒田氏の掲げる異次元緩和自体がすでに限界にきており、原田氏の就任にかかわらず、追加緩和は困難との見方も市場関係者の間では出ている。 クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏は、 次の追加緩和の時期について従来見通しの今年春から、9月ないし10月へと修正した。その理由の1つとして、現行の「2年程度で2%インフレの達成」が失敗したことは今やほぼ明らかであり、レジーム・シフトが要求されているため、としている。次の緩和措置を決定するには、物価見通しが崩れたことを確認するまでのタイムラグや、政府の財政健全化の道筋を確認するための時間も必要だとみている。 大和証券・シニアエコノミストの野口麻衣子氏は「原田氏は黒田総裁や岩田規久男副総裁に基本的な考え方が近い人物として選ばれたのだろう」とみているが、これ以上の追加緩和に関しては「想定されるいくつかの政策オプションについて、期待できる効果より副作用のコストが上回る可能性の方が高まりつつあるように見える」と指摘。「いかなる新メンバーが政策委員に加わっても、政策運営の悩ましさは容易に解消しないだろう」 として、日銀が政策の壁に直面している状況に変わりはない、とみている。 (中川泉 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0L910S20150205 日銀、次回会合で生産判断の上方修正を検討=関係筋 2015年 02月 5日 19:14 JST [東京 5日 ロイター] - 日銀は17─18日に開く次回の金融政策決定会合で、鉱工業生産の現状判断の上方修正を検討する。一方、足元の物価については、原油安による消費者物価指数の下落を反映した表現に変更する。 複数の関係筋によると、1月の金融政策決定会合における声明文は、生産の判断について「下げ止まっている」としていたが、その後に公表された昨年12月の鉱工業生産速報値は前月比1.0%の上昇となった。10─12月は3四半期ぶりの上昇に転じており、在庫調整の動きも一巡、生産回復の動きが明確に確認できる内容となった。こうした足元の動向を素直に反映し、日銀は生産の判断引き上げを検討する。 また、「持ち直しの動きがみられている」としている輸出も、昨年12月の実質輸出が前月比プラス3.3%と2カ月ぶりに上昇。10─12月期では前期比プラス4.8%と安倍政権下で最も大きな伸びとなった。先行きの海外経済など不透明感はあるが、会合では輸出の判断についても引き上げるべきかが議論となる可能性がある。 同時に景気の総括判断は、「緩やかな回復を続けている」との認識を維持する見込みだが、「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動などの影響」という記述を変更する可能性がある。消費の回復ペースは想定内だが、消費の下押し要因として、駆け込み需要の反動に言及するのは時宜を得ていないとの意見があるもようだ。 12月の消費者物価指数(生鮮除く、コアCPI)は消費増税の影響を除くと前年比プラス0.5%と11月より0.2%ポイント上昇率が縮小した。2月末に公表される1月の物価上昇率がさらに鈍化するのは必至で、消費者物価の前年比を「ゼロ%台後半」としていた従来の表現を実態に合わせて下方修正する。 日銀は2%の物価上昇率目標の必達を掲げ、未曾有の国債買い入れにまい進しているが、物価下押しの要因が原油安であり、値上げ・賃上げなど企業・家計の物価観が順調に上昇しているならば、追加緩和には踏み切らない姿勢だ。 *内容を追加しました。 (竹本能文、伊藤純夫 編集:山川薫) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0L90XJ20150205 海外材料に一喜一憂、中国も参加の「緩和クラブ」が下支え 2015年 02月 5日 17:44 JST [東京 5日 ロイター] - 東京市場は海外材料に一喜一憂し、方向感が定まらない。前日は買い材料だったギリシャや原油価格がきょうは一転して売り材料となる目まぐるしい展開だ。中国が追加緩和に踏み切るなど「金融緩和クラブ」の参加国が拡大。 緩和マネーが下支えする形で相場の大崩れを防いでいるが、流動性相場特有のボラティリティが高い展開が続いている。 <世界で相次ぐ金融緩和> 年初から荒れた動きが続いているものの、大きくとらえれば日経平均.N225は1万6500円から1万8000円のレンジ内にとどまっている。欧州株は上昇基調だったが、米株はほぼ同じような動きだ。原油価格の急落やギリシャ問題など懸念材料は尽きないものの、トレンドを壊すような大崩れはしていない。 各市場の株価を下支えているのは金融緩和だ。今年に入って、インド、ペルー、デンマーク、カナダ、トルコ、ロシア、オーストラリアなどが利下げを実施。欧州中央銀行(ECB)は量的緩和を導入した。 そして4日には中国人民銀行(中央銀行)が追加緩和に踏み切り、「緩和クラブ」の仲間入りをした。全ての商業銀行を対象に預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き下げることで、中小企業などへの銀行貸し出しを促すのが目的だ。 大和総研シニアエコノミストの斉藤尚登氏は「弱い中国の内需を支えるための追加緩和だ。投資から消費への改革を断行しようとするなら、成長率の低下もやむを得ないはずだが、その覚悟はまだできていないようだ。雇用を守るのが先決なのだろう」とみる。 景気が芳しくないからこその金融緩和であり、緩和マネーが潤沢だからこそ振れが激しい相場展開が続いているとも言える。景気が良くなり過ぎては金融引き締めが視界に入ってしまうため、景気の弱さを起因とする不安定さは流動性相場の特徴でもある。 <マクロ系ファンドが左右> 相場のボラティリティが高いのは、ギリシャや原油価格など市場が注目する海外材料が揺れ動いていることも要因だ。 ECBがギリシャの国債などを担保として認める特例措置を解除し、ギリシャ国内銀行の資金繰りに不安が高まった。米原油先物CLc1は在庫の増加が嫌気され、一時、過去最大級となる9%の下落。ともに前日は債務交渉の進展と価格反発が好感され、買い材料となっていた。 4日の米株はまちまちだったものの、時間外のギリシャの材料を織り込めなかった欧州市場への不安などから、5日の東京市場で日経平均.N225は反落。150円を超える下落となり、昨日の上昇幅を半分打ち消した。ドル/円も117円前半に軟化している。 個別銘柄でも、ソニー(6758.T)が一時ストップ高となる一方、日立製作所(6501.T)が10%近い下落となるなど動きが激しい。買いと売りを両建てするロングショート戦略をとる海外勢の仕業ともみられているが、全体市場の動きはやはり、マクロ材料を手掛かりに取引するグローバルマクロ系ヘッジファンドなどが左右しているとみられている。 「ロングショートはあくまで個別銘柄間の戦略。世界全体の株式市場は日々の振れが大きいが、同じような動きであり、グローバルマクロ系ヘッジファンドなどが取引の中心だろう」(国内ヘッジファンドのアナリスト)との見方が多い。 <企業業績が下支え> 一方で、相場が本格的なリスクオフに移らないのは、企業業績のミクロがしっかりしていることが下支え要因となっている。 みずほ証券リサーチ&コンサルティングが集計した2月4日までの東証1部企業(除く金融)の4─12月期決算状況では、1254社中662社(52.8%、時価総額ベースでは68.4%)が発表を終え、売上高は前年比4.9%増、営業利益は6.4%増、経常利益9.7%増となっている。 マクロ経済が弱い中で、ミクロの企業業績がどこまで伸びていけるかには疑問もあるが、少なくとも足元で発表される4─12月期決算は依然好調だ。 「景気はそれほど悪いわけではない。世界的な金融緩和が株価の下支え要因だ。潤沢な流動性はボラティリティを高めるが、日本株は相対的な割安感もあり、押し目買いに魅力がある」と三菱UFJ投信の戦略運用部副部長・宮崎高志氏は話している。 (伊賀大記 編集:山川薫) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0L90SM20150205
2015年のユーロ圏成長率予想、1.3%に引き上げ=欧州委 2015年 02月 5日 20:00 JST [ブリュッセル 5日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会は5日、ユーロ圏の最新の経済見通しを発表した。2015年の域内総生産(GDP)伸び率を1.3%と予想し、11月時点の1.1%から引き上げた。 2016年についても1.7%から1.9%へ上方修正した。原油相場の下落やユーロ安、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和が寄与すると見込んでいる。 2014年の成長率は0.8%とした。 モスコビシ欧州委員(経済・財務・税制担当)は昨年11月の前回予想と比べて「欧州の経済見通しはやや明るさが増した」と述べた。 欧州委は投資の回復も成長に貢献すると予想している。ECBの金融緩和や3150億ユーロ(3580億ドル)規模のEUの投資計画により、2014年比で15年は2.0%、16年は4.4%の投資増を見込んでいる。14年は0.9%増だった。 モスコビシ委員は「原油とユーロ相場の下落がEU経済の支援材料になった」と指摘し、EUの投資計画とECBの量的緩和が改革や財政政策に追い風になるとの見方を示した。 欧州委はユーロ圏の消費者物価(CPI)の伸びが2015年は0.1%のマイナスとなり、16年にプラス1.3%に回復すると予想した。14年は0.4%の伸びにとどまった。 失業率は2014年は11.6%だったが、景気回復が勢いを増し15年は11.2%、16年は10.6%に低下するとみている。 緊急の流動性供給、厳格化すべき=ドイツ連銀総裁 2015年 02月 5日 21:15 JST [フランクフルト/ベネチア(イタリア) 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁は独紙とのインタビューで、ECBは銀行に緊急の流動性を供給することに対して厳格な姿勢で臨むべきだとの認識を示した。ギリシャの金融セクターにとって逆風となる発言だ。 ECBは4日、ギリシャ国債を担保として認める特例措置を解除。同時に、ギリシャ中銀を通じた国内銀向け緊急流動性支援枠(ELA)の承認を更新した。ギリシャ中央銀行が国内行への資金供給を担うことになるが、ECB理事会はELAに関する裁量権を握っている。 5日付けの経済紙ベルゼン・ツァイトゥングによると、総裁は「ELAは支払い能力がある銀行に対して短期間の流動性だけを供給すべきだ」と指摘。「厳格な基準をELAに適用すべきというのが私の考えだ」と述べ、ELAにより長期間にわたって銀行を支援すべきでないとの見解を示した。 「ギリシャでは国と銀行が緊密に結びついているため、政府のとる経済・金融政策は(銀行部門に)重要な影響を及ぼす」と指摘し「政府と議会は銀行をどのように支援するか、あるいは処理するかを決めなくてはならない」と述べた。 またワイトマン総裁は訪問先のベネチアで、「各国は自国の財政に関する決定がもたらす結果について責任を負うべきだ」との見解を示した。 欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、ECBによる監視体制、いわゆるトロイカ体制への協力をギリシャの新政権が拒否していることに対抗する発言で、同総裁は主権を委譲することなく財政負担を共有することはできないと述べた。 ECB理事でもある同総裁は、「(ユーロ圏の)市場統合について、深刻な問題が起きた際は金融面で相互支援するシステムだと市場参加者が認識した場合、一部加盟国の債務返済能力への疑問が他国に急速に波及する可能性がある」と語った。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0L90VV20150205 |