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他がために金は成る?(続きの続き) ―ブラックホール化する日銀の国債購入
http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/e/396a9edc59804f4ddb31dad5039f4ccb
2015-02-05 17:23:49 いかりや爆氏の毒独日記
本記事は、ASREAD社に寄稿したものです。
これ以上「4千兆円の借金」について深入りするのはやめようと思ったのだが、もう少し深入りすることにしました(苦笑)。
国の借金は、一般会計上で1038.9兆円(2014年9月末時点)、特別会計上で約3千兆円、合わせて約4千兆円です。
4千兆円の借金?ウッソー!と言われそうですが、この超低金利の時代にローンの年間返済額(元利合計)が一般会計予算に近い91.4兆円もあるというのである、逆算すれば約4千兆円にならざるを得ない。
戦後から(ひょっとして戦前から?)延々と続くどんぶり勘定でしょうか。ブラックホールのような「伏魔殿」の「闇」の中味を解明しようとしても無理な話かも。
強力な指導力を有する強力な内閣のもとで、数十人の公認会計士と弁護士らに強い権限を与え、タッグを組んでしても真相解明はやはり無理だろう。
金の使い先を解明するにしても、例えば原発関係一つを取っても、原発関連の諸機関は地方自治体、独立行政法人、財団法人、社団法人に至るまで100を超える諸団体があるのだから・・・ひとつひとつ過去のデータを潰していくのは無理?
それにしても素人の常識からみて二重帳簿はおかしいと思うのだが、会計検査院の調査はどうなっているのだろうか。会計検査院は、国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した機関だそうですが、伏魔殿の奥の院には手が出せないのだろうか?
蛇足ですが、
財務省にとっては、軽い神輿(政権)が都合がいいに決まっている。超軽いアベノミクス総理、そして名門一族の育ちながら漢字もろくに読めないのはまだいい、庶民の暮らしもわからない財務大臣兼副総理のアッソウ氏。
その前は財務省のいいなりで、マニフェストでは消費税アップを否定していたにもかかわらず、消費税アップの必要性を必死に唱えたウソつきドジョウ総理大臣(彼も財務大臣経験者)、その前は財務のことなどわからない財務大臣経験者で、何故か総理大臣になると消費税アップの言い出しっぺになった菅ちゃんじゃった。彼らは庶民の暮らしに真剣に取り組まず、財務官僚にとりこまれていった。
本題にもどります。
国(政府)は営利事業をやっているわけではないので、この借金の返済手段はありません。言うまでもなく税収で返済できるわけもない。
借金返済(国債の償還)期限がくれば、新たな借金(借換債:かりかえさいの発行)をして返済金にあてています・・・財務省資料、「国債発行額の推移(実績ベース)」によれば、借換債の発行額は1998年〜2014年の17年間で、1475兆円超になっています(なぜこういう金額になるのか辻褄の合う説明もないのでわかりませんが買い換え債の発行は財務省の裁量に任されている)。
借換債の発行は借金返済のために新たな借金を重ねるのだから、サラ金地獄となんら変わりありません。こうして積り積もった借金が4千兆円になったのだろうか。
消費税増税分は借金4千兆円に比べれば、言葉は悪いが「ハナクソ」ほどにもならない。この巨額の借金に対しては消費税の増税くらいでは問題解決の糸口にもならない。それでも財務省が消費税の増税に拘った理由は、次の例をみていただきたい。
経済成長率1%で名目GDPは約5兆円(480兆円→485兆円)の増加ですが、4千兆円の金利は1%+αで40兆円以上の利払い費が発生する。2%の経済成長率ならば名目GDPは約10兆円の増加に対して、借金の利払い費は80兆円以上が発生することになります。
景気がよくなればなるほど借金が借金を生み、借金を肥大化させる構図に陥っているのである。財務省の本音は金利が上昇することだけはなんとしても阻止したいのだろう。しかもさらに悪質なことは、消費税8%にした後も、今年の景気動向をみてさらに2%アップを用意しているのである。
次に財務省が懸念する金利動向について、
財務省の「金利情報」によれば、今年に入ってからの5年未満の国債の金利は軒並みマイナス金利である、10年もの国債でさえ前代未聞の低金利0.2〜0.3%である。日銀が猛烈な勢いで国債を買っているからです。
黒田総裁は当初から、2%のインフレ目標を掲げ、達成が怪しくなれば、「デフレ脱却のためならなんでもやる」と言い、ご存じのように黒田バズーカ砲と異名をとる異常な超金融緩和策とでもいうべき金融政策を展開している。
つまり、日銀は政府が新規に発行する額以上の国債を市場からどんどん吸い上げるので国債の価値が益々上がる(需要・供給の関係)、国債の値上がりは国債の利回りが低下するということと同じですから、金利が下がるのです・・・日銀が国債を市場から買いまくるので国債価値は上昇し国債の金利は下落し、その一方で市場には、行き先を失った(需要がないため)あぶく銭が溜まっている(マネタリーベースは今や250兆円を超えている)。
黒田バズーカ砲は、表向きはデフレ脱却にみせかけているに過ぎない、つまりデフレ脱却であるかのように偽装してデフレ維持策をとっているのである。本来デフレ/インフレは、需要/供給の問題であって金融を操作して円安をでっちあげて物価上昇とは邪道である。
日銀が猛烈な勢いで国債を買っているので、昨年11月6日のロイターのコラムに「ブラックホール化する日銀の国債購入」という記事(コラムニスト:Andy Mukherjee)が載っていました。結論部分を紹介すると、
“より合理的な見解は、高齢化する日本社会には大幅なインフレは訪れないというものだ。今のところ、賃金の持続的上昇は見込めないことがはっきりしている。中央銀行は国債を売却する必要に迫られることもなく、日銀の金庫はブラックホールと化す。そこに飲み込まれた国債は2度と外には出て来ず、市場に残る国債は高価な軌道上にとどまることなる。正誤はともかく、投資家はそれに賭けている。”
結局、いつまでもつかどうかわかりませんが、巨額の借金があるかぎり、金利上昇を回避するために景気回復を犠牲(消費税増税圧力と同時並行)にして日銀は市場から国債を買い続けるほかない。だが、しかし4千兆円もの国債を買い続けることは可能だろうか、できるわけがない。国債購入者たちから、見放されて国債離れが起きないとも限らない。そういうこと(国債の暴落→円の暴落)になれば、財務省/日銀の思惑は音をたてて崩れる?それだけではすまない。
次回は、解決策について、
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