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日銀の異次元緩和で深刻な事態 外国人が日本見放し&円資産投げ売りか 個人消費も打撃
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150203-00010008-bjournal-bus_all
Business Journal 2月3日(火)6時1分配信
「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/1月24日号)は『円安、低金利に負けない! 今年こそ株・投信』という特集を組んでいる。「2015年は円安、低金利時代が本格的に到来。将来を見据えて資産を増やすなら、まず株式と海外金融商品に注目しよう」という内容だ。
今年の重要テーマは地方創生政策。特集記事『今年も日本株が狙い目』では、「地方の津々浦々にアベノミクスの果実を分け与える」との自民党のスローガンに期待を寄せ、景気上昇が継続するとの見解を示している。
「地方への本社移転企業に対する税制優遇や地方本社採用社員への支援策など、田中角栄元首相の『日本列島改造論』(日刊工業新聞)を彷彿とさせる脱中央集権の試みが面白い。今年は北陸新幹線の延伸開業やリニア中央新幹線の本格着工、北海道新幹線の新青森−新函館北斗間開業(15年度末)などのイベントが予定され、交通政策の面からも『地方の時代』を印象づける」(同記事より)
ただし、東洋経済新報社は、独自取材による今・来期の業績見通しを掲載した『会社四季報 2015年新春号』を出版したばかりだ。特集記事『「会社四季報」でわかった中長期有望の41銘柄』などとあるように、タイアップ的な記事が目立つ。このため、株式市場への悲観的な記事は紹介されていない。
同時期に店頭に並んだ「週刊エコノミスト」(毎日新聞社/1月20日号)の特集も『どうなる 株・投信 2015』だが、「年内2万円超えはあるか 好・悪材料入り交じる市場」として、特集記事『日本経済は本格復活し2万5000円へ』などという日経平均株価(1月28日終値は1万7795円)に対しポジティブな強気派(武者陵司・武者リサーチ代表)のほかに、弱気派の声も紹介している。
特集記事『日本は外国人に見放され1万円割れも』(菊池真、ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役)は、「日本株の動向を左右する中長期投資の外国人投資家が、日銀の量的緩和策を『国家財政ファイナンス』(実質的な中央銀行による財政赤字の補填)と見なし、円への信認を失い、円資産(株や不動産などすべての円建て資産)売りに動く可能性があるからだ」「自国通貨を弱体化させて強くなった国はない。現状打破の方策は歳出大幅削減による財政均衡化しかない」(同記事より)という。
●株価高騰&暴落、どちらもあり得る?
また、「週刊現代」(講談社/1月31日号)の記事『全国民必読 日本経済はアベノミクスで壊れた 「株価2万円」「暴落8000円」どっちも本当だ』でも、「今年はこれまでの常識がまったく通用しない、こんなジェットコースター相場が続く可能性が高い。『株価2万円』も『暴落8000円』もありえるという。眩暈のするような非常識相場に直面する一年になりそうなのだ」と述べ、今年の株式市場が大荒れになると予想している。
まず、日経平均「株価2万円」説は、昨年末の総選挙の大勝で自民党の長期政権化がマーケットに意識されていること、2015年3月期の決算は日本企業全体で9〜12%の大幅増益になる公算が高いこと、米国を中心とした世界経済の回復が起きることなどから、「日本株は長期的な上昇トレンドに入ると考えられます。東京五輪が開催される2020年に向けて、日経平均株価3万円へ上昇するシナリオも現実味を帯びてくる」(同記事より)
そして、「暴落8000円」説は、「投機筋が日本の消費動向に目を光らせ始めた(略)最近は円安による物価高で個人消費がどれほど冷え込むかに視点が移ってきている」(同記事より)。家計貯蓄率も初めてマイナスとなり、貯蓄を切り崩して生活をせざるを得ない人々も大量発生している。
投機筋は金融緩和(円安→物価高)を進める日本銀行への警戒感を見せ始めているのだ。
実は、日銀は株式を上場しているのだが、その株価はアベノミクス当初水準まで逆戻りしている。「アベノミクス開始当初は一気に超高値まで上昇したものの、日を追うごとに下落。昨年にはあっけなく、5万円割れし、直近では安倍政権が誕生した12年12月水準近くまで落ち込んでいる」(同記事より)
日銀株の1月27日終値は4万6800円、マーケットによる日銀への期待はほぼゼロと見ることもできるのだ。
「1月6日の株価が大暴落した背景には、ある外資系証券会社が日本での事業から大きく撤退するとの情報がマーケットを駆け巡っていたという事情があります。実はこの日、黒田総裁はバズーカをさく裂させ、日銀は株式市場に341億円の資金を投入している。株価を支えようとしたのでしょうが、まったく効き目がなかったということ。投機筋が一斉に逃げ出せば、日銀も止められない」(同記事より)
アベノミクス当初は、「爆走するアベノミクス 『安倍バブル』あっという間に株価1万2000円 『1ドル100円超え アベよ、これでいいのだ』」(13年2月16・23日号)などとバブルを煽っていた「週刊現代」が、まさかの投資への警鐘記事を掲載するとは、今年の投資は要注意ということだろうか。
松井克明/CFP
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