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エジプトは閑古鳥が鳴く/(C)AP
人質事件が直撃…円安に泣く旅行業界で今度はキャンセル続出
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/156895
2015年2月3日 日刊ゲンダイ
後藤健二氏の死で、日本人は改めてテロの恐怖を味わっている。頭を抱えているのが旅行業界だ。海外旅行の変更とキャンセルが続出し始めているのだ。
中堅旅行会社の経営者はこう話してくれた。
「1月にパリでテロが起きてから変更が目立ちます。フランス旅行を予定していた人がカナダに変えたり、パキスタンを考えていた人がシンガポールに変更したりしている。日本人はフランスが狙われると、ヨーロッパ全体が危険だと思い込んでしまうので、ヨーロッパ旅行は1日からキャンセルが相次いでいます」
影響は滞在先の行動にも出ている。都市のホテルに宿泊している人が郊外の名所で誘拐されるのを心配し、オプションのツアーを申し込まないのだ。夜は外出せず、ホテル内のレストランでディナーを済ませる人が増えている。
「これまでイランのペルセポリスやエジプトのルクソールの観光は移動区間の一部を警察などに護衛されて実施していましたが、ここにきて観光自体がなくなりました。テロリストは数十人を観光バスごと誘拐し、1人ずつ殺害することがあるため、観光客が怖がって申し込まないのです」(旅行ライター)
■比較的安全なのは近場のアジア
実際、どの地域がテロの危険が高いのか。
軍事評論家の神浦元彰氏が言う。
「中東諸国に次いで危険なのは、イラスム教徒の移民が就職などで差別を受けている国です。代表格が米国や英国、フランス、ドイツ、イタリア。中国はウイグル族のテロが起きているし、ロシアは一番残忍なチェチェン人がいる。彼らの一部はイスラム国に入隊した後、帰国してテロの準備に取り掛かっています」
比較的安全なのは韓国やフィリピン、タイ、ベトナム、ハワイなどの近場。インドネシアとマレーシアはイスラム教徒は多いが、差別がないので過激な行動に出ないという。
今年は東南アジアと国内旅行が主流になりそうだ。円安に泣く旅行業界にとって泣きっ面にハチである。
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