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雑感。21世紀の資本
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52684014.html
2015年02月02日 在野のアナリスト
ISILの人質事件について、安倍政権を批判するのはテロリストも思う壺、という意見があります。しかしISILにとって与し易い政権でい続けることも、また思う壺なす。正直、ISILにとっては有志連合に入っていない日本の政権が交代しようと戦況、大勢に影響はありません。「ISILと戦う国に支援」と述べた安倍政権が退陣すれば、一定の成果とするでしょうが、それ以上のことはない。それよりも安倍政権が続くことで、有志連合に揺さぶりをかけ続ける方が重要であり、逆に「中東で苦しむ人々に支援」という政権に代われば、日本を攻撃対象にできなくなるのですから。
またこの件で「ISILは人道支援と知っていた」や「現地対策本部がヨルダンでも、トルコでも変わらない」と述べる人物にも注意が必要です。前者はISILの公式発表でもないことを知りうる、そんな太いパイプがあるのなら、今まで何をしていたのか? むしろ積極的に情報収集をし、もしくは人質解放交渉だってできたはずです。要するに、その人物に確たる裏があって話しているのではないことが分かります。これは当初、ISILが「曲解した」と述べていたのと同じ構図です。曲解したかどうかは、誰も確認してはいません。そんな太いパイプがある人は、公安の監視対象に入っているはずでもあります。後者は某紙に「ヨルダンの仲介力にかけた」との記事もありましたが、日米欧と近い、仲介を生業としてきた国だからこそ、ISILとは遠いのです。そのことについての具体的な説明は一切ありませんでした。明らかに対策本部はトルコにあった方が有利で、それを覆すメリットを語るものでない限り、一切はただの抗弁に過ぎません。
先週発表された、10-12月期の米GDPが年率換算で前期比2.6%増と、市場予想を下回ったことが尾を引いています。個人消費は4.3%増と牽引したものの、元々10-12月期は年末商戦で前期比でみると伸びるのであり、昨年の年末商戦も、思ったほどには好調ではありませんでした。またドル高の悪影響がじわりと米国の企業決算にも響いており、今後もユーロ安、ドル高の流れからこれが継続します。民間設備投資も1.9%増と減速傾向であり、こちらは原油安が利いてきた。輸入が増え、輸出が減ったことも同様に、米経済のスローダウンが顕著にみられます。
日本では『21世紀の資本』の著者、トマ・ピケティ氏が来日していました。残念ながら、未だにあの分厚さに手を出しかねていますが、気になるのは安倍氏と会談しなかったことです。民主代表とは会っているので、恐らく調整はしたのでしょう。しかし新自由主義とは真っ向から対立する主張だけに、安倍氏の側が嫌ったのかもしれません。成長がすべてを覆い隠す、経済が上手く回る、という新自由主義と、それでは格差が拡大する、というピケティ氏ではかみ合わないのが明白です。しかも今、日本はまさに『富をもつ者』として年金、日銀が続々と資産である株を買い上げており、ここから資産課税などに舵をきれば、安倍ノミクスの根幹が揺らいできます。
最近の日経平均の底堅さも、日銀のETF買いと年金、かんぽなどの公的マネーに支えられた動きです。一方で、債券市場に不穏な動きがあり、株式でもオプション市場が閑散となるなど、水準におちつきがなくなっています。ミクロの企業業績にしても、円安効果はすでに織り込み済み、さらに好材料を上積みしないと売り叩かれる恐れもあり、水準感が醸成されにくい状況です。
しかし外国人投資家は明らかに今年の日本はイコールか、アンダーでポジションを組んでおり、それはテロのリスクとも重なることになるのでしょう。海外で不穏な動きがあれば円買い、という流れを変えてくる可能性もあります。そのとき、円安が止まらなくなる恐れも考慮に入れておく必要があるのでしょう。都合の悪いことには目をつぶり、嫌いな、自分と異なる意見の相手とは距離をおく、という政権では、どんな悪いことがあっても不思議ではありません。日本のポジションを下げつつある外国人、嫌われる日本へ、の道をひた走っているのだとすれば、『21世紀の日本』の姿としては、極めて好ましくない方向へ日本がすすんでいるのかもしれませんね。
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