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トップ陥落の日本生命、酷評される主力商品 銀行はリスク商品を売りつけ巨額利益?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150130-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 1月30日(金)6時0分配信
「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/1月17日号)は、『保険激変!』という特集を組んでいる。保険が大きく変化したのは、2014年度上期の決算で“生命保険のガリバー”と自他共に認める日本生命保険(以下、日生)が、売上高に相当する保険料等収入で業界第2位である第一生命保険(第一)に逆転を許したことがきっかけだ。日生は2兆4682億円なのに対し、第一は2兆5869億円だった。
「ガリバー日生が、第一の後塵を拝した理由は何か。答えは単純明快。第一の子会社である第一フロンティア生命保険が、みずほ銀行を中心に、外貨建て個人年金保険を売りまくったからだ。第一の銀行窓販での売上高は約1兆円に上るが、日生のそれは約2200億円と第一の4分の1以下でしかない」(同特集より)
第一フロンティアが銀行窓販で売りまくっているのは、円預金よりも高い利回りが人気の外貨建て個人年金保険だ。「相互会社から株式会社に転じた後は、しばらく低迷が続いた第一だが、これまでまいてきた“種”が芽を出し始めた」(同)と、逆転につながった銀行窓販を評価している。
銀行窓販で特に人気が高い外貨建て個人年金は、「米ドルや豪ドルなど外貨を選択して、主にその外貨の国債などで運用することになる。保険料は一括払いで利率は固定。原資は外貨建てで利回りが確定する。死亡保険金は外貨建てで最低保証されるケースが主流」(同)という。
実際の売れ行きとしては、「昨年の売り上げの7割前後が外貨建てで、そのうち9割ほどが豪ドル建て」(同)というが、最近は米ドル建ても人気が高まっているようだ。
ただし、「アベノミクス前の円高水準に逆戻りすれば、為替差損が生じるため、目標利回りに達しない」(同)など、為替リスクがある。さらに、「途中解約した場合は、解約控除額などが差し引かれてしまい、元本割れするリスクもある」(同)といい、効率のよい運用かどうかは微妙なところだ。
銀行側にも外貨建て保険を売りたい事情があるようだ。「契約金額にもよるが、中には8〜9%の手数料を受け取れる保険もあるという。人気の高い外貨建て保険も銀行側が高い手数料を得られる」(同)のだ。
●評価が二分する日生「みらいのカタチ」
追い抜かれた側の日生は、主力商品も酷評されている。特集記事『徹底分析! 一新された大手の主力商品 日生「みらいのカタチ」が酷評』によれば、12年に投入した新商品「みらいのカタチ」は主契約に特約を付加した従来型のパッケージ商品を11種に分け、それぞれ単品化した商品なのだが、「5年前や10年前の保険を装いだけ新たにして販売している」と酷評されているのだ。例えば、「依然としてあまりに高い保険料。比較しやすい『定期保険』の場合、同じ保障で格安のネット系生保の最大で2.4倍も高額だ」。さらに、「保険料の支払いが滞った際の『失効』と『復活』の対処法」を変更。保障内容の見直しにも「かなりの制約がある」という。
「『未来の形』を、本当に描けるのかはなはだ疑問。“落とし穴”が多く、10年先、20年先にトラブルに発展するのではないか」と、国内生保幹部が警鐘を鳴らしている(同特集より)。
ただ、この「みらいのカタチ」に関しては、オススメしているメディアもある。『別冊宝島 よい保険・悪い保険2015年版』(横川由理、長尾義弘/宝島社)だ。同書の中で「みらいのカタチ 年金保険」は個人年金保険ランキングのベスト2位に入っており、「日本生命の個人年金。日本で2番目に大きな生命保険会社ですから健全性からいっても問題ないでしょう。(略)年金の支払いを最長5年間繰り延べたり、保証期間付き終身年金に変更できる場合もあります。所定の三大疾病等になった場合に保険料の払い込みが免除される特約も」というコメントがついている。
酷評するダイヤモンドとオススメする別冊宝島、はたしてどちらに軍配が上がるのだろうか。
松井克明/CFP
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