02. 2015年1月26日 18:05:45
: xEBOc6ttRg
債券は続伸、ギリシャ選挙結果でリスクオフ (ブルームバーグ):債券相場は続伸。米国債相場の堅調推移に加えて、ギリシャ総選挙結果を受けたリスクオフ(回避)の動きで買いが優勢となった。半面、超長期債は再び大きく売り込まれるなど不安定な値動きが続いた。 26日の長期国債先物市場で中心限月の3月物は続伸。前週末比14銭高の148円54銭で取引を開始し、一時は148円61銭まで上昇した。その後は148円50銭を挟んだもみ合いとなり、13銭高の148円53銭で引けた。 メリルリンチ日本証券の大ア秀一債券ストラテジストは、「10年ゾーンまでは欧米の金利低下やギリシャ総選挙などを受けてしっかりとなっている」と指摘。また、「日銀の買い入れを背景にした金利の低下基調は維持されるとみている」と話した。 日本相互証券によると、現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の337回債利回りは、前週末午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低下の0.225%で開始。いったん0.23%を付けた後、水準を切り下げ、午後に入ると0.215%と21日以来の低水準を付けた。その後0.23%を付けた後、再び0.22%まで低下している。 昨年12月以来の利回り水準 20年物の151回債利回りは、午後1時半すぎに5bp高い1.10%と昨年12月24日以来の高水準まで上昇した。午後2時すぎから水準を切り下げ、1.045%まで戻している。30年物の45回債利回りは6bp高い1.365%と昨年12月18日以来の水準まで上昇。その後は徐々に戻し、午後3時すぎからは1.31%で推移している。 岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、ギリシャ総選挙で急進左派連合が勝利を収めたことで、週初の東京市場は債券高・株安、為替は円が上昇するなどリスク回避の動きと説明した。一方、「超長期ゾーンは不安定な状況が続きそう。22日の20年債入札後の金利急上昇で需給がいったん悪化しており、相場の立ち直りまで時間がかかる見通し」と話した。 25日投開票のギリシャ総選挙は、反緊縮の野党・急進左派連合(SYRIZA)が圧勝、同党を率いるツィプラス党首は勝利宣言した。国際的な金融支援と引き換えに課された緊縮策への国民の反発が同党の追い風となった。ツィプラス党首は国際債権団の要求に服従する時代は終わったと表明した。 前週末23日の米国債相場は続伸。10年国債利回りは前日比7bp低い1.80%程度で終了した。堅調に推移した欧州債相場の流れを引き継いだ。26日のアジア時間は一時1.75%付近まで低下した。 日銀が実施した長期国債買い入れオペ2本の結果によると、残存期間5年超10年以下の応札倍率は3.00倍と前回19日の1.73倍から上昇した。物価連動債は4.91倍となり、前回昨年11月の3.57倍を上回った。 野村証券の松沢中チーフストラテジストは、今週は日銀オペが5年−10年債対象で3回見込まれているが、超長期債対象はないと指摘。「原油安が続き、グローバルなインフレ期待が冷やされていることが支えであるが、ディーリング勢が売りに回っている間は20年債利回りの1%は支持線というよりも抵抗線になるだろう」と言う。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典 更新日時: 2015/01/26 15:30 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIPJ8E6KLVR401.html
コラム:ギリシャ、反緊縮派勝利でも低い「ユーロ離脱」リスク 2015年 01月 26日 13:17 JST Hugo Dixon
[アテネ 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ギリシャ総選挙で急進左派連合(SYRIZA)が大勝したことで、同国はユーロ離脱(Grexit=グレグジット)に一歩近づいた。それでもなお、ユーロ離脱は最も確率の高いシナリオではない。同国と欧州債権者側の双方が大人の対応を示すとの前提に立てば、両者は取引を交わし、ギリシャは破滅を避けられるはずだからだ。 SYRIZAのチプラス党首は巨額支援プログラムによる制約を課せられているにもかかわらず、数々の実現不可能な公約を掲げた。年金と最低賃金の大幅引き上げ、解雇された公務員の再雇用、労働市場自由化の撤回、そしてユーロ圏諸国に対する巨額債務の削減だ。 問題は、ギリシャが経済改革と財政均衡の努力を続けない限り、ドイツを筆頭とする債権国は融資を続ける心づもりがない点にある。 関係者全員に分別があるなら、妥協の余地はある。早い話が、ギリシャ国民の大半はユーロ残留を望んでいる。離脱すれば政治紛争と貧困の悪循環に陥ることを、正しくも恐れているのだ。 一方他のユーロ圏諸国にも、ギリシャの離脱を望む政府首脳はいない。離脱は政治的な敗北となる。ギリシャは欧州連合(EU)からも飛び出し、ロシアの影響圏に下る恐れさえあるからだ。ここ数年でユーロ圏諸国の救済措置が数多く導入されたとはいえ、ギリシャの危機が他国に伝染する恐れも捨てきれない。グレグジットのような事態は前代未聞で、危機がどう連鎖するかは想像を絶する。 良いニュースは、チプラス党首の勝利演説がかなり和解的なトーンだったことだ。悪いニュースは、党首は連立を組む相手として国際的な救済に反対する極右政党、「独立ギリシャ人」を選びそうなことだ。 チプラス党首の次の優先課題は2月末に期限切れを迎える救済プログラムの延長要請になろう。要請されればECBはギリシャの銀行に流動性を供給し続けるだろう。ギリシャの金融システムから過去1週間で預金が流出しているため、これは重要な点だ。 チプラス党首の要請が礼儀正しく行われ、新たな合意に向けて適切な対話が持てるなら、他のユーロ圏諸国はプログラム延長に同意するだろう。政権交代早々に金融システムが崩壊するのは御免こうむりたいはずだ。 党首は欧州委員会、ECB、国際通貨基金(IMF)から成る「トロイカ」から取引を直ちに強制されるのではなく、首脳会談を開いて自分の案にも耳を貸してほしいと望むはずで、ユーロ圏諸国首脳はこれについても受け入れるだろう。最終的にはトロイカの関与が必要になるが、最初から参加をごり押しすると、ギリシャを下手に刺激することになる。なにしろトロイカは同国で毛嫌いされている。 しかし債権国側の態度軟化は、チプラス党首が首脳会談前に扇動的な言動を控えることが条件になる。例えば最低賃金の引き上げを強行して既成事実作りを図ったりしてはならない。こうした問題については債権国と交渉すべきだ。 SYRIZAはいったん政権に就いたなら、選挙戦中のような激しい物言いを控えることも重要になってくる。財務相起用が予想されているバロウファキス氏は言葉を慎む必要がある。彼はトリシェECB前総裁が地獄に堕ちるがよいと述べたとフランス紙が最近伝えているが、これでは友人は支援してくれる有力者は得られないだろう。 その先には長期債務についての合意形成という作業が控えている。SYRIZAは現在、ヘアカット(債務削減)を望まない代わり、債務返済額とギリシャの経済成長率を連動させる措置を提案する姿勢。これに対して欧州債権国側は返済期間の延長に応じる構えを示している。 厄介なことに、問題は長期債務の返済緩和にとどまらない。ギリシャはIMFからのまとまった融資が期限を迎える3月に資金不足に陥る。最良の解決策は、政府が真剣な交渉を約束した上で、国内銀向けに国債を追加発行できるようにすることだ。 しかし6月にはECBが保有するギリシャ国債も次々と満期を迎え、再び資金問題が持ち上がる。この時点でギリシャがユーロ圏諸国から追加で資金を借り入れずにデフォルトを回避できるとは考え難い。そしてユーロ圏諸国は、SYRIZAが経済改革と今年の財政均衡を約束しない限り、追加融資には応じないだろう。 SYRIZAは経済を圧迫してきた支配勢力の弾圧と、脱税取り締まりも約束している。チプラス党首がこの点で本気を見せれば欧州首脳らから歓迎されるだろう。問題は、彼が労働市場改革の巻き戻しを主張し続けるなら、欧州首脳の怒りを買うであろうことだ。労働市場改革はギリシャが近年前進を見せた数少ない分野の一つなのだから。 同様に問題含みなのが今年の予算の取扱い。これまでの政権はこの点で債権者と合意に至ることができなかった。総選挙に向けて税収が急減したため、SYRIZAは一層厳しい課題に直面する。チプラス党首は公共投資の強化を掲げて当選したのであり、削減は約束していない。 しかしこの点でも妥協の余地はある。チプラス党首が他の分野で善意を見せれば、欧州側は極貧層に配慮するためとして今年に限った譲歩を行うかもしれない。そして来年以降の財政黒字額については現在の計画よりも小幅な額を認める可能性がある。 このように、妥協策に至る道はある。問題は、そのためには相当な離れ業を必要とすることだ。チプラス党首は支持者の多くから裏切り者とそしられるだろう。彼にそうした事態への覚悟があるかどうかはまだ判然としない。 チプラス氏に妥協の用意が無いとすれば、ギリシャはデフォルトを起こし、銀行破綻を防ぐために資本統制を課す必要が出てくる。そうなってから国民が政府に方向転換を迫れば、それがユーロに留まる最後のチャンスとなろう。さもなければ通貨ドラクマの復活が待っている。
ECB、ギリシャの債務減免には応じられない─専務理事=独紙 2015年 01月 26日 15:26 JST [26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は、ECBがギリシャの債務減免に応じられないことは明らかだと発言、各国政府は改革と財政健全化を通じて持続可能な成長と雇用を実現すべきとの認識を示した。
ドイツの経済専門紙ハンデルスブラットとのインタビューで述べた。 専務理事は「ギリシャに債務減免が必要かどうかを判断するのはECBではない」と発言。「ただ、ECBにあるギリシャ債を対象とする債務減免にECBが応じられないことは極めて明らかだ」とし、法律上、債務減免に応じることはできないとの立場を示した。 http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0KZ06X20150126
量的緩和は機能する、必要なら拡充の用意=ECB専務理事 2015年 01月 26日 17:26 JST [パリ 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は26日、ラジオ局ヨーロッパ1に対し、ECBが前週発表した国債買い入れプログラム(量的緩和)は成功すると予想したうえで、必要が生じれば拡充する用意があると述べた。
通貨ユーロ下落は好ましいが、いずれは安定する必要があると指摘した。 選挙で反緊縮をかかげる急進左派連合(SYRIZA)が勝利したギリシャについては、債務を返済しなければならない、と指摘。 今後、SYRIZAと協議をすることになる、としたうえで「返済はしなければならない。それが欧州のゲームルールだ」と述べた。 さらに「欧州で一方的な行動をする余地はないが、債務の繰り延べに関する協議については排除するわけではない」とし、欧州として「たとえ急激な変化であっても、政権の交代に適応する」責任がある、と語った。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KZ0K720150126
黒田総裁、追加緩和で国債以外の手段模索か−日銀内から限界論 (ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は、追加の金融刺激策を講じる場合、日銀は創造的になる必要があるかもしれないと述べた。関係者への取材によると、日銀内では長期国債の一段の買い増しに慎重な声も出ている。市場関係者の間からは、超過準備に対する付利の引き下げや地方債の購入などが選択肢として挙がっている。 黒田総裁は23日、スイスのダボスでブルームバーグテレビのインタビューに応じ、「2%物価目標の実現、特にインフレ期待に対し深刻な影響が及べば、もちろん金融政策を調整する」と発言。内外に金融資産は豊富にあるので、「技術的に限界があるとは思わない」と述べ、追加緩和の必要が生じれば新たな手法を選択する可能性を示唆した。 日銀は現在、長期国債の保有残高が年間約80兆円ペースで増加するよう買い入れている。これは国が支出の不足分を賄うため毎年新たに発行する国債の2倍、借換債を含む年間の発行額のほぼ全額に相当する規模。日銀の大量の国債購入により、今月20日に一時、新発5年物国債利回りは初のマイナス、新発10年物国債利回りは0.1%台に低下した。 関係者への取材によると、日銀内では、追加緩和が必要になった際、長期国債の買い入れを一段と増やせるかどうかについて、議論が分かれている。エコノミストの間でも、同様に見方が分かれている。 シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「7月に日銀が追加緩和を実施する」と予想。「その場合、国債と指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ額の増額が中心的な手段になるだろう。具体的には、国債の月間買い入れ額を2兆円(年24兆円)増やし、ETFの年間買い入れ額を現在の3兆円から5兆円へ増額する」とみる。 野村証券の松沢中チーフストラテジストは追加緩和は「マネタリーベース目標を100兆円にし、超長期債を中心に国債購入を10兆−15兆円、貸出支援策の拡大とETF購入で5兆−10兆円増やすイメージ」という。 量的・質的緩和は限界 一方、SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは「これ以上の国債買い入れ増額は、オペ執行リスクと国債市場のさらなる機能低下と、副作用が大きい」と指摘。量的・質的金融緩和の枠組みは「限界に近づいている」とみる。 SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストも「長期国債を大量に市場から購入するという量的・質的緩和のスキームには、自ずと量的な限界がある」と指摘。「ここから先の20兆−30兆円の長期国債の買い増しは、量的・質的緩和の寿命を明確に縮めることもなるため、軽々に切れるカードではないのではないか」と語る。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストも「次の追加緩和は、マネタリーベースおよび長期国債の増加規模の単純な引き上げにはならないのではないか」と指摘。「規模を拡大すれば、市場から(日銀の買い入れによって)国債が消滅するペースを速め、異次元緩和の物理的限界に早く近づいてしまう」とみる。 付利下げ、ないしマイナス金利 ブルームバーグ・ニュースが9日から14日にかけてエコノミスト33人を対象に行った調査では、日銀が国債、ETF、不動産投資信託(J−REIT)を大量に買い入れる現行の量的・質的金融緩和の枠組み以外で追加緩和を行うとすれば、どのような手段があるか聞いた。 それによると、付利の引き下げ、ないしマイナス金利の導入に言及したのは12人に上った。付利の引き下げは金融機関の日銀当座預金保有の魅力を損ない、マネタリーベース拡大の枠組みと矛盾するのではないかとの声もある。黒田総裁は21日の会見で、同日の金融政策決定会合で付利引き下げについての議論は「全くなかった」と述べた。 大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは「付利金利の撤廃や引き下げ(場合によってはマイナス)を行う可能性を完全に排除することはできないが、現行の枠組みとは両立困難で、これまでの政策運営の失敗を認めることにつながるため現実的には極めて困難だろう」とみる。 付利下げは技術的には可能 六車氏は23日のリポートで、こうした懐疑論について、「ミクロの議論では確かにその通りだが、マネタリーベース拡大に支障が起きるのは、長期国債買い入れで札割れが頻発し、日銀によるマネー供給ができなくなる場合だ。現在、日銀はマイナス金利で国債を買い入れることも辞さないので札割れになりにくい」という。 バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストも「イールドカーブの短いところがマイナス金利になったため、皮肉にも、付利を引き下げてもマネタリーベースはコントロールしやすくなっている。ただし『日銀の意気込みを示す』以上の策にはならず、効果も短期的であろう」と指摘する。 調査では付利の引き下げ以外では、財投債や地方債、外債の購入などを挙げる向きもあった。 クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは「JPX日経400インデックスのウエイトで日本株を購入する。『ROEの高い企業をサポートし、日本の構造改革を促進する』という名目で、これによりマネタリーベース拡大を加速させる。ちなみに同インデックス構成銘柄の時価総額は208兆円ある」という。 選択肢は「たくさんある」 黒田総裁は追加緩和の選択肢は「たくさんある」と言明。「どの国にも、グローバルにも、短期国債、長期国債、社債、ABS(資産担保証券)など非常に多くの金融資産がある。もし緩和が必要であれば技術的に限界があるとは思わない」と語った。日銀はより創造的にならければならないのか、との質問に対しては「そう思う」と答えた。 東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「国債購入増額は厳しいので、日銀は別の新たな資産を探していると思われる」としている。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡 徹 tfujioka1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 広川高史 更新日時: 2015/01/26 13:14 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIR9SU6TTDSB01.html 石破地方創生相:格差「当たり前だ」、地方自治体は競争を (ブルームバーグ):石破茂地方創生相はブルームバーグ・ニュースのインタビューで、各自治体に競争原理を導入することが地方活性化に不可欠だとして、結果として格差が生じることも止むを得ないとの認識を示した。 地方自治体について石破創生相は22日、「競争しろというのか、その通り。そうすると格差がつくではないか、当たり前だ」と述べた。努力した自治体としないところを一緒にすれば「国全体が潰れる」と語った。国の関与は教育や社会福祉などの最低限度の生活水準を維持するナショナルミニマムの保障にとどめるべきだとしている。 主要7カ国(G7)でも最大の負債を抱える日本の財政事情が石破氏の見解の背景にある。1000兆円超の国・地方の長期債務残高のうち国が占める割合は8割以上。一層の歳出削減の必要性があり、地方の自助努力を求めざるを得ない。地方経済を支えてきた公共投資もピーク時の1998年の約15兆円から2014年には約6兆円に減っている。 みずほ総合研究所の岡田豊主任研究員は石破氏の政策について「住民に対する警告だ」と指摘、何をしなくても10年、20年で立ち行かなくなる自治体が出てくるとして「今のうちにやっておこうということだ」と述べた。地方自治体は今まで何をしてきたのかが問われているとして「結果的には自然淘汰になる可能性がある」とも語った。 石破氏は、国の政策の下で自治体はこれまで同じように栄えて衰退したとして「それを止めるのは今しかない」と述べた。昨年末に政府がまとめた国の長期ビジョン・総合戦略を基に各自治体は、中長期の将来展望を策定してまちづくりを進める予定だ。 発想の転換を 公共投資と企業誘致という2本柱はもはや期待できないと石破氏は語り「農業・漁業・林業・観光業やその他サービス産業のポテンシャルをいかに伸ばしていくかだ。それを霞が関で考えてもどうにもならない。それぞれの市町村で考えて下さいということだ」とも話した。 公共投資は、一挙に耐用年数の50年を迎えつつある道路や公共下水道などの社会インフラの維持修繕に向けられつつある。石破氏は「政府として必要な公共事業はやるが、公共事業で多くの雇用と所得を確保し、地方が活性化することはない」と述べた。 製造業を中心とした企業誘致については「円が安くなっても自動車や電気製品は消費者がいる中国やインド、東南アジアで作った方がいい。企業はそう簡単に帰ってこない」と予想した。 政府は60年に人口1億人程度を確保する「長期ビジョン」を掲げる。実質GDP成長率は50年代に1.5−2%程度を維持する。その達成のために農林水産業の成長産業化や起業の地方拠点化などの重要業績評価指標(KPI)の設定などを盛り込んだ総合戦略を取りまとめた。これらを基に地方自治体が地方版総合戦略を策定する。 地方が自ら 石破氏は「総合戦略は19年度までの5カ年計画だが、発現していくのはおそらく20年後、30年後だ。この5年間でその流れを不可逆的なものに変えていく」と述べた。地方は自由に使える資金が欲しいというのが要望だとしながら「お金を何に使うのかが分からなければバラマキだ」として地方自治体に発想の転換を求めた。 安倍政権が地方に着目するきっかけの1つは、増田寛也元総務相が全国約1800の自治体のうちほぼ半数の896自治体が消滅する恐れが高いと警鐘を鳴らした昨年5月の「増田ショック」だ。40年までに20歳から39歳の若年女性が50%以上減少して地方の人口が急激に減ると予想、東京への一極集中に歯止めを掛けるため地域の拠点都市への投資を促す報告書をまとめた。 安倍晋三首相は5日の記者会見で地方創生について「重要なことは地方が自ら考え、行動して変革を起していくことだ。国も予算や人材等あらゆる方策を使って応援する」と発言した。政府は今年度補正に3275億円、来年度に1兆3991億円の関連予算を計上している。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net;東京 野原良明 ynohara1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net 上野英治郎, 谷合謙三 更新日時: 2015/01/26 15:53 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIKJY96JTSEB01.html
視界不良の海外情勢を市場は嫌気、輸出主導の回復期待高まらず 2015年 01月 26日 16:29 JST [東京 26日 ロイター] - 週明けの東京市場は、リスク回避ムードが強い展開となっている。ギリシャ情勢への警戒感が急速に強まっているわけではないが、先行きの不透明さが嫌気されている。イスラム国人質事件も影を落とす。輸出主導の景気回復への期待は高まりにくく、日本株には利益確定売りが先行している。
<ギリシャ選挙結果が引き起こす懸念> ギリシャ問題自体は、マーケットでさほど警戒されているわけではない。25日投票の総選挙では急進左派連合(SYRIZA)が勝利する見通したが、「ユーロ圏にとどまる見通しであり、仮に離脱となっても同国の存在感は金融市場ですでに低く、大きな混乱には至らない」(野村信託銀行・資金為替部次長の網蔵秀樹氏)とみられているためだ。 ユーロは依然として下落基調にあるが、ギリシャ問題よりも、欧州中央銀行(ECB)が前週、量的緩和策の導入を決めたことが大きな要因だ。前週末23日の市場では、米ダウ.DJIが141ドル安(0.79%)と下げた一方、ドイツ.GDAXIやフランス.FCHIの主要株価指数は2%前後の大幅高となっている。 ただ、反緊縮策を掲げるSYRIZAの勝利はユーロ圏をめぐる不透明さをじわりと濃くしている。SYRIZAが求める債務条件の変更にトロイカ(欧州委員会、国際通貨 基金=IMF、ECB)が応じれば、他の重債務国は追随しないまでも、財政再建に対する「甘さ」が生じかねない。さらにSYRIZAの勝利を追い風に昨年の欧州議会選挙で票を伸ばした極右・極左政党がさらに躍進する可能性も高まる。 <さえない欧州比率高い国内株> 2014年の日本の輸出額73兆1052億円に占める対欧州連合(EU)の割合は、10.3%(7兆5853億円)と大きいわけではない。最大の輸出先は中国を含むアジア(39兆5311億円)だ。 しかし、アジアへの輸出は部品などが多く、最終製品の消費地である欧米の景気動向に大きく左右される。 日本の12月の貿易収支で、輸出が前年比12.9%と大きく伸びたのは、円安による金額ベースの伸びが大きい。実質輸出は前月比1.9%増程度と緩やかに回復してきているが、「あくまで緩やか。現地生産の流れは変わらず、輸出が主導する形の景気回復は期待しにくい」(シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏)という。 欧州経済がユーロ安でどこまで持ち直すかだが、ユーロ安は他国にとっては通貨高となる。26日の東京株式市場では、マツダ(7261.T)やキヤノン(7751.T)、リコー(7752.T)など欧州売り上げ比率の高い企業の株価はさえなかった。 今週から本格化する10─12月期の国内企業決算発表では、円安による上積み効果が期待されているが、対ユーロでの円高が足かせになる恐れも出てきた。「企業決算に対しては全体的に期待値が高いので、市場予想を下回るような結果や見通しを出す銘柄は、いったん売りが先行するかもしれない」(SMBCフレンド証券・チーフストラテジスト、松野利彦氏)という。 <イスラム国人質事件も警戒材料に> 日本株は世界の景気敏感株といわれる。米国経済が孤軍奮闘してくれていることでかろうじて下支えられている日本株だが、海外情勢をめぐる不透明感が強まるなかでは、積極的に手を出しにくい。「アベノミクスの話題は、海外投資家からほとんど出なくなった。日本株は海外株に連動した売買しか期待しにくい」(外資系証券エコノミスト)という。 26日の市場で、日経平均.N225は寄り付きで226円安まで下げた後、終値では43円安まで下げ幅を縮めたが、東証1部売買代金は1兆7967億円と今年最低だった。「薄商いのなかであり、短期筋の買い戻しが少し入るだけで株価は戻すが、海外勢の動きは鈍い」(大手証券トレーダー)という。 BNPパリバ証券・日本株チーフストラテジスト、丸山俊氏は、イスラム国人質事件も先行きの懸念要因だと指摘する。「前例がないため読みづらいが、消費自粛など国民全体のマインドにとってプラスになることはない。消費マインドの低迷が長引けば、国内景気や今後の金融政策などに影響が出てくる。また今回の件を受け、政策が安全保障などに傾けば、経済対策が遅れ、市場にマイナスに作用する可能性もあるだろう」と話している。 (伊賀大記 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KZ0G120150126 ドル117円後半、他通貨に振り回されドル/円は脇役 2015年 01月 26日 15:58 JST [東京 26日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル安/円高の117円後半。ギリシャ総選挙で急進左派連合(SYRIZA)が単独過半数の勢いとの報道をきっかけに、ユーロは1.1098ドル、対円では130.16円まで急落し、ドル/円も連れ安となった。 この日の相場について市場では、「ドル/円は完全な脇役で、ユーロの値動きに翻弄された」(外銀)との指摘があった。 ユーロは午前9時にかけて一時、対ドルで1.11ドルを割り込み、対円では130円割れを試す流れとなった。ただ、その直後に急反発した。 「1.11ドルを割り込んでも(下方向に)走らなかったため、いったんショートカバーによる買い戻しの動きが出たようだ」(国内金融機関)という。 対円でも130円割れを免れたことでショートカバーが勢いづき、一時132円台まで反発した。 <ユーロに弱気な見方が大勢に> 市場では、 ユーロ/ドルが近くパリティ(等価)を目指す局面が来るとの見方が有力となっている。ただ、1.16ドル付近からの下落が速かったことから、目先ではショートポジションの積み上がりが意識されており、「いずれかが節目を割り込めば、いったん買い戻しの動きが強まりそうだ」(邦銀)という。 他方、「ユーロ/ドルは(下方向)に突っ込み過ぎ。少なからぬ数の参加者が1.15ドル台でいったんユーロの買いに回って、その後、再び売り直している」(運用会社)との指摘があった。 ギリシャ総選挙ではSYRIZAが単独過半数の勢いと伝えられ、「そうなれば支援をめぐるEUとの交渉の先行き不透明感が強まる」(国内金融機関)との警戒感も出ていた。 連立政権であれば、連立相手から一定程度の抑止力が働くと期待されるが、「単独政権となれば、国民の総意は反緊縮だとして、EUとの条件交渉で強気に傾く可能性が捨てきれなくなってきた」(外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏)との見方が聞かれた。 <ドル/円はクロス円の動きに翻弄される> ドル/円では、ユーロ/円などのクロス円の値動きに引きずられる状況が続いた。 日本勢のドル買い意欲が支えとなって底堅さが意識される一方、朝方にはユーロ/円の売りの流れが強まる中で117円前半まで下落した。 米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(1月20日までの週)によると、主要6通貨に対する投機筋のドル買い越し額は462億2000万ドルとなり、前週の469億6000万ドルから若干減少した。ただ、4週連続で400億ドルは上回った。 円の売り越しは7万7886枚と、前週の9万4625枚から大幅に減少した。 投機筋は「海外、国内ともほぼ全員が円ショートだが、日本の要因ではなく、他律的な要因で円高が進み、思ったように利益が出ない状況に遭遇している」(ファンドマネジャー)という。 ただ、需給面から下値でのドル買い需要が根強いため、一方的な円高にはなりにくい環境だという。 朝方には財務省が12月貿易統計速報を発表した。貿易赤字の縮小が伝えられたが、市場の反応は限定的だった。 貿易収支(原数値)が6607億円の赤字で、赤字は30カ月連続。輸出が円安と数量増で2桁の高い伸びとなる一方、原油価格の下落で輸入の伸びが抑えられ、赤字幅は前年同月の1兆3071億円から大幅に縮小した。2014年の貿易赤字は12兆7813億円で、過去最大の赤字となった。前年は11兆4683億円の赤字だった。 ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY= 午後3時現在 117.65/67 1.1183/87 131.58/62 正午現在 117.61/63 1.1152/56 131.17/21 午前9時現在 117.41/43 1.1140/44 130.80/84 NY午後5時 117.74/81 1.1207/09 131.95/99 (森佳子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KZ0EY20150126 日本株反落、米決算とギリシャ選挙後円高、市況安−売買低調 (ブルームバーグ):26日の東京株式相場は反落。米国企業決算の低調やギリシャ総選挙後の為替の円高進行を受け、リスク資産への投資が敬遠された。金融株の一角や不動産株が売られ、原油や銅など商品市況の軟調を受け鉱業や非鉄金属、商社株も安い。国際運賃市況の続落を嫌気し、海運株も安い。 TOPIX の終値は前週末比1.14ポイント(0.1%)安の1402.08と反落、日経平均株価 は43円23銭(0.3%)安の1万7468円52銭と3営業日ぶりに下げた。東証1部の売買代金はことし最低水準。 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニアインベストメントマネジャーは、「為替の方向に日本株が振らされている」とし、「選挙結果にサプライズはない。結果を受けてどうなるかはこれからの話で、確信的な動きにはならないため、様子見」と話した。 米国のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の2014年暫定決算は、利益が従来予想を下回った。ホリデー期間の大量輸送への対応からコストがかさみ、23日のUPS株は9.9%安と急落した。企業業績の低調を材料に、同日の米S&P500種株価指数は0.6%安。シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500先物は、日本時間26日の取引で基準価格比10ポイント以上下げて推移した。 一方、26日の為替市場では、ユーロ・ドルが午前に一時1ユーロ=1.1098ドルと2003年9月以来の水準までユーロ安が進行。ユーロ・円は一時1ユーロ=130円10銭台、ドル・円は1ドル=117円20銭台と前週末の東京株式市場の通常取引終了時点134円18銭、118円37銭に比べ円高方向に振れた。 25日投開票のギリシャ総選挙は、ツィプラス党首率いる野党の急進左派連合(SYRIZA)が世論調査の予想を上回る圧勝。開票率95%で、SYRIZAの得票率は36.4%で定数300議席のうち149を獲得。与党の新民主主義党(ND)は27.8%、獲得議席は76だった。ツィプラス氏は、財政緊縮策の撤回を掲げる連立政権の樹立を準備している。 朝安後は下げ渋る、売買代金2兆円割れ 岡三証券の平川昇二チーフエクイティストラテジストは米企業決算に関し、「エネルギー関連の下方修正が出ている一方、ガソリン安にもかかわらず、米国内の消費関連にプラス効果が表れていない。米景気は市場の期待を下回っている」と指摘。ギリシャについては、「債務の繰り延べを行い、ユーロにとどまるというのがコンセンサスだったが、実際に合意できるかどうかを予想するのは現時点で容易ではない」との認識を示した。 週明けの日本株は売り先行で始まり、日経平均は朝方に200円以上下げた。鉱業、非鉄など終日弱い動きだった資源関連は、23日のニューヨーク(NY)原油先物が72セント安の1バレル=45.59ドルと続落、銅先物の下落がマイナス材料。サウジアラビアの富豪アルワリード王子はブルームバーグ・テレビとのインタビューで、原油価格が1バレル=100ドルに戻ることはないだろうと発言。国王死去後のサウジの石油戦略は変わらないとみられている。 もっとも、日経平均は始値の226円安がきょうの安値で、その後は下げ渋り。為替市場で円高の勢いが鈍ったほか、27日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)、今週から本格化する国内企業決算の発表を前に下値を売り込む動きも限られた。東証1部の売買高は18億4060万株、売買代金 は1兆7967億円で、代金は1週間ぶりの2兆円割れ、水準は昨年末大納会(1兆6172億円)以来の低さ。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒井誠治投資ストラテジストは、「市場が休みの時の材料に対し、主要国で最初の日本は多少オーバーに反応してしまいがち。ギリシャ総選挙を受けた朝方の下げは割り引く必要がある」とし、「国内企業決算や株式需給への期待から売るに売れない」とみていた。 東証1部33業種は不動産、鉱業、海運、その他金融、卸売、非鉄、保険、鉄鋼など18業種が下落。海運は、ばら積み船の国際運賃指標が23日に4.1%安と続落した影響を受けた。一方、ゴム製品や空運、パルプ・紙、倉庫・運輸、陸運、食料品など15業種は高い。値上がり銘柄数は964、値下がりは748。 売買代金上位ではマツダ、ホンダ、丸紅、三菱商事、三菱重工業、良品計画、オリックス、新日鉄住金、住友不動産、川崎汽船が下落。ブリヂストンや武田薬品工業、ダイキン工業、DMG森精機、日本航空は上げた。午後に今期利益計画を上方修正したJSR は急騰。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎 更新日時: 2015/01/26 15:43 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIR8OG6TTDS301.html |