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ECBによる量的緩和(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/224.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 23 日 23:06:15: igsppGRN/E9PQ
 

ECBによる量的緩和
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52683062.html
2015年01月23日 在野のアナリスト


ECB理事会で、欧州でも量的緩和の開始が決定されました。月額600億€を16年9月まで、効果がなければ継続、と無制限を示唆し、市場は好感しています。ただ実際には既報であった500億€に、既存の民間資産の買い入れと金融機関への低利融資を組み合わせたものに、プラスアルファする形で計600億€となります。また各国の国債購入は発行の33%まで、価格下落などのリスクは、20%をECBが、80%を各国中銀が負う、としました。月ごとの緩和規模は既報に近かったものの、このリスク管理の明確化と、無期限に近い緩和の継続ということが好感された向きがあります。

しかし早くも、この緩和規模では目標とする2%近いインフレには達しない、という見方が出ており、追加緩和を求める声が高まるかもしれません。さらに問題は、ECBの負うリスクが20%だということです。各国の国債、特に独国を初めとする優良資産の金利は、すでに歴史的な低水準にまで落ちこんでおり、景気がもどり、金利が上昇するだけでその損失の8割を各国中銀が被らなければならない。通貨発行権のない中銀が、国家の発行する国債の価格下落の8割負担を強いられるのは、景気回復の足取りを鈍らせる恐れがあります。総じて言えることは、ECBとしては体面を保った形でも、各国にとって素直に喜べるほど、この緩和は甘くない、ということになります。

しかも日本の例をひくまでもなく、量的緩和がインフレ率を高めた経験を、人類はもっていません。日本は円安インフレを招き、それが経済に打撃となり、逆に需要減からインフレ率が低下してきています。欧州も高い失業率や、賃金の伸びの低さに直面しており、インフレ期待が高まりにくい。そして量的緩和は、格差拡大を促す施策ともされます。これは失業率を高止まりさせ、低賃金は改善されない、という意味であり、需要の回復が遅れる恐れもでてきます。

市場予想の500億€から、600億€と発表し、サプライズを誘ったことはドラギマジックですが、これでは夢から醒めるのも早いのでしょう。世界同時株高の商状ですが、これは材料出尽くしで売られるとみた層が、意外と底堅いことをうけて買い戻す動きに過ぎません。発表がでた後はじまったNY市場が、朝方には弱含んだのも、この内容では好感できないためです。日本でおきている5年物までマイナス金利、長期債が0.2%割りこむ、となれば弊害も出てくる。量的緩和の負の部分も散見される中で、今回のECBの判断は一つの賭けのように思えてなりません。

ギリシャでは野党が優勢を拡大している、との世論調査も出ています。ギリシャはすでに発行の33%の国債を保有しているため、ECBの買い入れには入りません。償還分を再投資はできますが、規模が限られる。今後も各国が苦境に陥り、国債が売られだした後、ECBの保有が上限に達したら、その後どうなるのか? 一気に市場が崩れる恐れも出てきます。結局、この枠が今後どうなるかも分かりません。ギリシャのようにユーロ圏の離脱を議論したり、それこそ各国が分裂し、国の規模が変わってしまうと国債の価値がどうなるかも分からりません。ECBはリスクを切り離し、そうした政治の混乱の影響をうけないよう配慮しましたが、その結果ユーロの形も流動的になっている印象を、今回の金融政策で抱いてしまうこともまた確かです。

独国中銀をはじめ、ECB理事の1名を含めた5人が、今回の決定に反対票を投じました。独国では『金があるところ、悪魔がもう一山ひりだす』とも言われます。ECBは無尽蔵にお金を供給する、と宣言しましたが、各国中銀からすれば今のECBは悪魔に見えているのかもしれません。そのお尻からひりだされた金が、浄財なのか、不浄なのかも分からないまま、欧州はその使い道に窮する、というのが今後起こりうることなのかもしれませんね。

 

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コメント
 
01. 2015年1月24日 00:23:41 : jXbiWWJBCA

ECB緩和で改革努力緩めるべきでない=メルケル独首相
2015年 01月 23日 23:19 JST
[フィレンツェ(イタリア) 23日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は、イタリアだけでなくユーロ圏各国が構造改革に取り組むことが好ましいとし、欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れで改革努力を緩めてはならないと述べた。

イタリアのレンツィ首相との共同記者会見でメルケル首相は、ECBの独立性を尊重するためECBの措置についてはコメントしないとしたうえで、各国政府による改革だけがユーロ圏を活性化できると強調した。

メルケル氏は、「ECBの決定を受けてイタリアが『もう改革は必要ない』と表明するという印象はなく、全ての国がそうであるべきだ」と指摘。「政治に取って代わることができる中銀は世界に1つもない。政治の指導者は責任を果たすべきだ」と述べた。

レンツィ首相はECBの決定はイタリアの改革を加速するよう促し、遅めることにはならないと言明した。

レンツィ氏は欧州委員会が欧州連合(EU)の財政規律について柔軟な立場を示していることや、EUの投資計画、ユーロ安、ECBの量的緩和を歓迎する姿勢を示し、「この4つの要因はイタリアにとって極めて重要で、われわれに改革をさらに加速させるよう迫っている」とした。

25日のギリシャ総選挙について両首相は、結果がユーロ圏に深刻な問題をもたらさないと確信していると述べるにとどめた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KW1N120150123


 

予想される米利上げは堅調な景気反映、世界経済に好ましい=日銀総裁
2015年 01月 23日 21:45 JST
[東京 23日 ロイター] - 日銀の黒田総裁は、欧米の金融政策の方向乖離で日銀のデフレとの闘いが難しくなるとは懸念していないと述べた。

ダボスで行われたブルームバーグテレビとのインタビューで総裁は、ECBの措置を歓迎。「日銀の仕事が一段と困難になることはない」と述べた。ECBの緩和によりユーロ圏でデフレはなくなり成長が押し上げられるとし、「日本経済を含む世界の景気にとって利益となる」との見方を示した。

ECBの措置によりユーロが対円で大幅に下落したわけではなく、ユーロはすでに長期にわたり下落してきた、と述べた。

予想される米連邦準備理事会(FRB)の今年の利上げについては、政策の「正常化」で堅調な米国の成長を反映しており、これは世界経済にとって好ましいと語った。

 
欧州各国、ユーロ懐疑派政党が政権獲得なら格下げも=S&P
2015年 01月 23日 21:48 JST
[ロンドン 23日 ロイター] - 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は23日、欧州諸国でユーロ懐疑派の政党が政権の座に就いた場合、格付けを引き下げる可能性があると警告した。

S&Pは、欧州で最も「クレジット・ネガティブ」になる可能性がある政党は、ギリシャの最大野党・急進左派連合(SYRIZA)とスペインの新興左翼政党ポデモスだとの見方を示した。

ギリシャの急進左派連合は25日の総選挙を前に、世論調査でリードしている。

S&Pは、「ユーロ懐疑派はマクロ経済政策の大きな転換を主張している」と指摘。「いかなる政府もデフォルト(債務不履行)や通貨の切り下げを決定した場合は、新たな政策の方向性を意味することになる」とした。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KW1FN20150123


02. 2015年1月24日 00:25:17 : jXbiWWJBCA

ユーロ圏:製造業・サービス業活動が拡大、5カ月ぶり高水準

  (ブルームバーグ):ユーロ圏では1月の製造業とサービス業の活動が拡大し、5カ月ぶりの高水準となった。新規受注と雇用の伸びが背景にある。
英マークイット・エコノミクスが23日発表した1月のユーロ圏の製造業とサービス業を合わせた総合購買担当者指数(PMI )速報値は52.2と、前月の51.4から上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査中央値では51.7が見込まれていた。指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目。
景気回復への信頼感はここ数カ月で改善。そうした中で欧州中央銀行(ECB)は22日、景気てこ入れとデフレ回避を目的とした量的緩和(QE)策を発表した。月600億ユーロ(約8兆円)の資産購入で総額は約1兆1000億ユーロ規模となる。
マークイットのチーフエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「経済活動の拡大ペース改善が向こう数カ月続くと確信する正当な根拠がある」とし、「ECBによる本格的なQEという形の追加刺激策が消費者信頼感と企業景況感を一段と高めるのを支えるだろう」と分析した。  
マークイットによれば、サービス業PMI速報値は52.3と、12月の51.6から上昇。製造業PMI速報値は51と、前月の50.6を上回り、6カ月ぶり高水準に達した。
原題:Euro-Area Economy Set to Pick Up as QE Plan Bolsters Confidence(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Alessandro Speciale aspeciale@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net; Jana Randow jrandow@bloomberg.net; Jeff Black jblack25@bloomberg.net
更新日時: 2015/01/23 19:52 JST


 

日銀総裁:「手段は無限」、インフレ期待に深刻な影響なら調整


  (ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は追加緩和の手段について、内外に金融資産は豊富にあるため「技術的に限界があるとは思わない」と述べ、追加緩和の必要が生じれば、新たな手法を選択する可能性を示唆した。
黒田総裁はスイスのダボスでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、原油価格の下落が金融政策運営に及ぼす影響について、「もし本当に2%物価目標の実現に対し、特にインフレ期待に対し、深刻な影響を与えるのであれば、もちろん金融政策を調整する」と述べた。
追加緩和の手段については「選択肢はたくさんある」と言明。「どの国にも、グローバルにも、短期国債、長期国債、社債、ABS(資産担保証券)など非常に多くの金融資産がある。もし緩和が必要であれば技術的に限界があるとは思わない」と語った。日銀はより創造的にならければならないのか、という質問に対しては「そう思う」と答えた。
原油価格下落が経済、物価に与える影響については「短期的には原油価格の下落は米国、欧州、日本を含め、世界中の物価を押し下げる傾向があるが、中長期的には実質成長率を押し上げ、いずれゆっくりと物価を押し上げる」と語った。
その上で、生鮮食品を除いた消費者物価(コアCPI)前年比について「2015年度前半は今よりずっと低い水準まで鈍化するかもしれないが、年度平均は1%と予想しているので、仮に原油価格がそれほど上がらなくても、年度後半は加速し始める」と指摘。「15年度の終わり、ないし16年度の早い時期に2%が実現すると予想している」と述べた。
1月会合では追加緩和は見送り
日銀は昨年10月31日の金融政策決定会合で、消費増税後の需要の弱さや原油価格の大幅な下落が「物価の下押し要因として働いている」とした上で、「短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある」として追加緩和に踏み切っている。
今月21日の決定会合では、昨年10月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価を行い、原油大幅下落を受けて、15年度のコアCPI前年比見通し(政策委員の中央値)を1.7%から1.0%へと大きく下方修正したが、一段の追加緩和は見送った。
日銀は13年4月、「消費者物価の前年比上昇率2%の『物価安定の目標』を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」と表明し、量的・質的金融緩和を導入した。
われわれの意志は変わってない
黒田総裁は「2%を2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現すると表明したが、基本的にわれわれの意志は変わっておらず、原油価格の大幅な下落にもかかわらず、2%の達成はそうしたタイムフレームで実現できると期待している。もちろん、原油価格が一段と下落を続ければ話は変わってくるが」と述べた。
今回の中間評価では、原油価格が大幅に変動していることを踏まえ、ドバイ原油価格でみて1バレル=55ドルを出発点に、見通し期間の終盤にかけて70ドル程度に緩やかに上昇していくと想定している。
中東からアジアへ出荷される原油の指標であるドバイ原油は日本時間23日午後5時現在、1バレル=45ドル台と、昨年10月末からの下落幅は45%に達している。
ECBの量的緩和は「非常に歓迎」
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は22日、デフレスパイラルを防ぐため、国債を含め少なくとも1兆1000億ユーロ(約148兆円)の資産を購入するプログラムを発表した。
黒田総裁はECBの追加緩和について「必ずしも日銀の仕事をやりにくくするとは限らない。なぜなら、ユーロはこの間、ずっと安かった。ECBの発表後、ユーロは特にドルに対して下落したが、円に対してはそれほど下落していない」と指摘。
さらに、「ECBの措置によりデフレ圧力が和らぎ、経済成長率が高まれば、世界経済、そして日本経済も恩恵を受ける。ECBの措置は非常に歓迎している」と語った。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;ロンドン Francine Lacqua flacqua@bloomberg.net
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;ロンドン Francine Lacqua flacqua@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 淡路毅, 蒲原 桂子
更新日時: 2015/01/23 21:42 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIME236K50XT01.html


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