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「円安の原因は為替介入によるもの」(EJ第3958号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/412744691.html
2015年01月22日 Electronic Journal
円とスイスフランは「安全資産」といわれます。しかし、日本
には1000兆円を超える借金があり、財政面の不安があるはず
です。それなのになぜ安全資産といわれるのでしょうか。
それは、日本が相場に影響を与えるリスクが最も少ない国であ
るからです。相場に一番影響を与えるのは戦争です。政権交代に
もリスクがあります。
世界の国々を見ると、平和な国というのはあまりないのです。
日本では戦争はまず起こらないし、政情も安定しているため、突
然のクーデターやテロで相場が暴落するなどという危険性はほと
んどない国なのです。そういうわけで、海外の通貨と経済に強い
不安材料が出た場合は円が安全資産として買われ、そのため、円
高となる傾向がよくあるのです。
通貨であれば、スイスフランも安全資産として有名です。しか
し、円はスイスフランに比べて流動性が高く、すぐに換金できる
ため、いつでも好きなときに退避させたり、元に戻すのに便利で
あり、安全資産として選ばれることが多いのです。
スイスフランといえば、現在「スイス・ショック」というもの
が起きています。スイスでは2001年9月から、「1ユーロ=
1・2スイスフラン」を上限と定め、このラインを超えそうにな
ると、即座に介入を行い、1・2スイスフランになるまで無制限
に続けることで有名です。
しかし、1月15日にスイスは、対ユーロでのこの無制限介入
を突然やめると宣言し、証券業界に大ショックを与えたのです。
これによってスイスフランは急騰しています。これはギリシャの
ユーロ離脱などEUの情勢不安が背景にあると思われます。
いわゆるアベノミクスが関係ないとすれば、円安はどうして起
こったのでしょうか。
2012年11月13日時点で「1ユーロ=100円」だった
のです。ユーロ圏の銀行経営の不安定や複数国の財政危機によっ
て、ユーロに滞留していた大量の資金が安全資産である円に流れ
円の国際的価値を異常に高めたのです。
それが5ヶ月後の2013年4月10日になると、「1ユーロ
=130円」の円安になっています。
対ドルで見てみます。同じ2012年11月13日、「1ドル
=79円」だったものが、2013年5月3日、「1ドル=99
円」になり、円は20%以上安くなっています。問題は、なぜそ
うなったのかです。
海外投資家は、どのようにして日本株を買っているのでしょう
か。彼らはドルなりユーロなりを持ち込んで円にし、10倍から
20倍の株式購入に充てています。外資系銀行はそういう海外投
資家に対して円資金を用意しています。
つまり、株式投資の下では、円買いが行われているのです。こ
ういう動きのなかでは、円売りの動きはなく、円安になるはずが
ないのです。伊東光晴京都大学名誉教授は、こういう状況で考え
られることは為替介入が行われていると指摘しています。これは
伊東教授以外、他の誰も指摘していない新事実です。
かつての為替介入は、一切公表されなかったのですが、これま
でにわかっている有名な介入に次の2つがあります。
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1.榊原介入 4兆9589億円
1995年2月17日〜1995年9月22日まで
2.溝口/テイラー介入 32兆8694億円
2003年5月 8日〜2004年3月16日まで
―――――――――――――――――――――――――――――
「榊原介入」は、その名の通り、榊原英資氏が国際金融局長時
代に行っています。そのとき、榊原氏の下にいたのが、現日銀総
裁の黒田東彦氏なのです。本来為替介入は財務官がやるのですが
榊原氏の場合は国際金融局長のときにやっています。
榊原氏は「ミスター円」と呼ばれ、1997年に財務官に昇進
しています。その2年後に黒田東彦氏が後任の財務官になってい
ます。黒田氏は為替介入の専門家なのです。
「溝口/テイラー介入」は、黒田氏の後任の財務官、溝口善兵
衛氏と時の米ジョン・B・テイラー財務次官との合意の下で行わ
れています。ちなみに溝口財務官は「ミスタードル」と呼ばれて
いるのです。
「溝口/テイラー介入」でわかることは、日本の為替介入は少
なくとも米国の何らかの合意がないとやれないということです。
したがって、今回(2012年〜13年)為替介入が行われたと
いうことは、「溝口/テイラー介入」のときと同じような条件が
生じて、米国が容認せざるを得なかったものと思われます。
為替介入は、外国為替資金特別会計で政府短期証券を発行して
円資金を調達します。この円で外貨を買うのです。榊原介入では
「円売りドル買い」であり、溝口・テイラー介入の場合は「ドル
・ユーロ買い円売り」なのです。
長期国債の発行額は毎年の予算で決まっており、国会の決定事
項です。しかし、政府短期証券は国会の議を経ないで臨機応変に
財務官の判断で行うことができます。
為替介入は、われわれが考えている以上に頻繁に行われている
ようです。1991年以降の介入に関しては、財務省の「外国為
替平衡操作の実施状況」を見ればわかります。
これによると、円高が一定以上進行すると、必ず介入している
ことがわかります。日銀が量的金融緩和をしているときも介入は
行われます。財務省関連の論文に「量的緩和時期の外為介入」と
いうのがあり、財務省は介入の効果についていろいろ研究を行っ
ているのです。
民主党政権下においても介入は頻繁に行われています。「外国
為替平衡操作の実施状況」によると、8回行われており、その額
は16兆4320億円になっています。しかし、その効果はほと
んどなかったのです。為替介入については、明日のEJでも継続
して検討します。 ─── [検証!アベノミクス/40]
≪画像および関連情報≫
●「円安進行なら市場介入も」/藤井裕久元財務相
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民主党顧問の藤井裕久元財務相(82)は、円安がさらに進行
すれば政府・日本銀行などが円買い介入に踏み切る選択肢も
あるとの認識を示した。日銀が大規模な金融緩和を行ってい
ることで結果的に円安をもたらす政策は「間違い」とも指摘
した。2014年10年1日のブルームバーグ・ニュースの
インタビューで語った。藤井氏は1ドル=110円台をつけ
るなど円安は日本銀行による質的・量的緩和で金融の「ばら
まき」が行われているのが原因と指摘。このまま進行した場
合は「言いにくいけど誰かが介入する」と述べ、通貨当局に
よる円買い介入の選択肢も「あり得る」と語った。東京外国
為替市場では1日、円が一時6年1カ月ぶりとなる1ドル=
110円台に下落した。日銀の黒田東彦総裁はドル円相場が
109円台に乗せた9月19日、20カ国・地域(G20)
財務相・中央銀行総裁会議が開かれていたオーストラリアの
ケアンズで、「今の動き自体について何か大きな問題がある
ように思っていない」と記者団に述べた。藤井氏は円安進行
による国民生活への影響について、「これからはマイナスだ
け」と言明。エネルギーや食品の価格が上昇していくとして
「それがいいとはとても思えない」と語った。2日午前の円
相場は1ドル=109円を挟む展開。
http://bit.ly/1yHU5AM
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